あらすじ
41歳の桜井達也は鎌倉のカフェのオーナー。以前は違法のノミ屋と金融業を営み数億の金を手にして足を洗っていた。ある日、上京した際、チェロのレッスン帰りの女性・衣公子がひき逃げに合う現場に遭遇。達也がすぐさま彼女を病院に運び大事には至らなかった。実は衣公子の父は現役大物政治家。警察は達也を表彰しようとするが拒否され、さらに達也が関係していた暴力団員の落合が行方不明になっていることから、敏腕刑事の押田が調べはじめる。衣公子が達也の店にお礼を言いに来た。境遇の差を超え、ふたりは惹かれあっていく。だが、衣公子は愛人の娘で認知もされておらず、達也にも少年時代に犯した大きな罪という秘密があった。やがて押田の捜査は進み、落合の失踪に親友の矢田が関係している疑いも生まれてくる。己の消せない過去、親友への思い、そして衣公子への愛。達也は、衣公子の奏でるチェロを聴きながら究極の選択を迫られる――。
三浦友和氏、感動&絶賛!
「全編に無償の心が溢れている。これを映像で表現するのは至難の業だ。だからこそか、挑戦したくなった」
感情タグBEST3
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友情、愛情そしてまた別の思いやり。人から人への大切に思う気持ちがいろんな関わりから伝わった。それぞれの厳しい状況は跳ね除けながら、一旦リセットしてからまた前進しようという意気込みが伝わった。
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鎌倉で「瑠璃色」を営んいる桜井達也.交通事故に遭った女性を救助したことから警察が絡むようになる,少年院のことやアウトローの仕事をやっていたことも気になったが,警察は落合肇の行方を追っている由.仲間だった荒本明,矢田京一,さらには事故の被害者だった広末依公子が絡み,押田刑事の「ゴリ押し」の捜査で次第に外堀が埋められてきたことを察した桜井は少なからぬ縁のある弁護士の三住貴雄にことを委ねる.三住への告白,最後の場面の依公子のチェロ,そこに現れる押田.不覚にも涙した.
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白川さん独特の世界観による作品で胸を打つが、何だか韓流ドラマを感じる展開。青年期迄、不幸の生い立ちの2人が少年院で友情を深め世に出てからの闇の世界で成功後、当時ヤクザをふとした事から殺して事をその後の生活の中であぶり出されて行く展開。
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心熱くさせてくれるハードボイルド。
最後は予想がつきました。
どんな環境で生まれ育っても、自分が犯した罪からは決して逃れることがないのだなと思いました。
ここからはネタバレ。
同じ少年院で過ごした二人。一人は頭脳を持つ達也。もう一人は腕っぷしの矢田。二人は過去にノミ屋と金融で金儲けをして、大金を掴んだ。
現在は、過去の犯罪行為とは関係のない生活をしていてる二人だったが、達也があるひき逃げ事故の現場に居合わせたことによって、二人の過去をほじくり返す刑事が現れ・・・。
過去にヤクザ者の落合を殺してしまった矢田は、達也を巻き込まないために達也に嘘をつき、生まれてくる子どものためにも矢田を自主させようとする達也。男同士の友情プラス純粋な愛も詰まった物語です。