朝倉宏景のレビュー一覧
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タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作 -
Posted by ブクログ
潔癖症で片付け魔の男とホーディング障害で整理整頓ができない女。相容れない2人がアパートでお隣さん同士になってしまった。
ひょんなことから親しくなった2人だったが……。
正反対の2人が、互いに関わり合うことで自己を見つめ直し、やがて過去の自分と訣別するまでの姿を描く、ハートウォーミングな成長物語。
なお物語は、主人公の日下部朝陽の視点で展開する。
◇
住宅街を走る収集車から飛び降りてはゴミ袋を車体後部のプレス投入口に投げ込む。朝陽が週5日行う作業だ。同じ曜日に同じルートで行う収集作業。勤めてまだ1年の朝陽でも、無限ループの世界に入ったような気になってしまう。
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Posted by ブクログ
朝陽、友笑、ミント、三人が不器用ながら関係を深めていく青春物語。
あるいは、子どもたちが「生まれた家」、家族の環境を一度壊し、再生していく物語?
一応そんな風にまとめられるだろうか。
主人公の朝陽は清掃会社に勤務している。
しかも、育った家庭環境のために、極度の潔癖症なのだ。
なかなか異色な設定だ。
けれど、これがとても面白い。
人が暮らす限り、ごみは排出される。
しっかり分別している人もいれば、ひどい状態のごみを平気で出してくる人もいる。
それを感情を殺して清掃している人がいる。
お疲れ様、とねぎらう人もいれば、暴言を吐いたり、ああはなりたくないと聞こえよがしに言ったりする人もいる。
朝