朝倉宏景のレビュー一覧
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『あめつちのうた』が良かったので著者のこちらの本も読んでみた。表紙の穏やかなイメージと違い、登場人物の様々な感情が本の中から溢れだす。
40歳、独身、老母と暮らす大守良行は、ルーズで甲斐性なしのダメ男。母を亡くした中2の女の子・都築日向実(ひなみ)が突然、良行の前に現れて…
「私、あなたの娘です」
精子提供、未成年後見人、親子の愛、いじめ、家族の幸せ・・次から次へと問題が起こり目まぐるしい。少し引き気味に読んでいくと、良行が回想する場面(日向実の母で脚本家、都築街子の言葉)に目が止まった。
「この先、ますます異常気象、貧困、戦争、災害、未知の病気…、そういう脅威が広がると、過酷な思いをさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作