朝丘戻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
十希の、旭への想いが詰まった本でした。
精一杯好きでいる。嘘もつかない。この想いに誠実でいる。旭っていうひとりの人を、幸せにするために生きたい。
両親のお墓の前での十希の告白の言葉が好き。
先輩と奈々さん。二人の息子としてしか見てもらえない寂しいさ。将来への選択の迷い。
両思いだとわかっても別れを選択したのは切なかった。
旭、と名前に想いをこめて何度も呼ぶのが印象的。
最後の章タイトルには嬉しかった。のに「ときのたつ」では戸惑った。最後は旭と結ばれて本当によかった。
あとがきで章タイトルをつなげると旭の言葉になると知って思わずタイトルを探しました。
秋山の、俺と美里の二の舞になるなってどういう -
Posted by ブクログ
もっと優しい人にすれば良かった でも、優しい人は貴方じゃない
父の後輩に、今は亡き父からの手紙を届けたことから始まる年の差ラブ
恋愛と言うよりは、残りの人生を共に過ごして行くことを決めた、結婚のように思いました
年の差とか関係なく、ただこの人のそばに居たいから、居て欲しいから一緒にいることを決めた
そんな感じです
でもそこに至るまでが果てしなくじれったい
主に旭が悩む悩む
まぁ年の差とか憧れてた先輩の息子とか色々葛藤があるのは分かるけれども、それにしてもうだうだしている
逆に十希が突っ走る突っ走る
かなりの猪突猛進型です
一歩間違えばストーカーレベル
まだ18歳だからそれくらいでちょうどいい -
Posted by ブクログ
小春日和のような柔らかな空気に包まれた二人が印象的な表紙です。
小椋さんの描かれる十希と旭。
優しい愛に満ちている。
高校生活最後の夏休みに一人きりの身内である父親を亡くした小嶋十希は父の残した古い手紙を届けようとチャイムを鳴らす。
が、父の名前を告げた瞬間、「帰れ」と拒絶されてしまう。
父が亡くなった旨を告げるとやっと開いたドアにはずっと会いたかった
あの絵の作家「旭」その人がいた。
画家である彼はぶっきらぼうで優しくない男で、高校時代の父の後輩であり長い間父が大事にしたいと思っていた人だった。
初めは十希を拒絶しまくっていた旭だが次第に頑な気持ちが雪解けの様に解けて十希に向かっていく様子 -
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すごく好き。切なくて何度も涙腺刺激された。同性愛ドラマを演じることで演者二人の恋が進行していく運びがとても良かった。海を演じる拓人の感情が海の岡崎への恋情にシンクロして、岡崎を演じる裕次に惹かれていく。それは役にはまり込むゆえの疑似恋愛ともいえるけれど、やがてそれが海の感情から離れて拓人として裕次を愛し始める。役を通じて役を超えて紡がれる二人の心理描写がとても胸に響いてたまらなかった。拓人が選んだ結末は切ないけれど納得もできる。でも、やはり続編「ラジオ」ではハピエンを願う。続きが早く読みたい!
二人が演じた「白の傷跡」、今のBLでは難しいエンドだけれど読みたい気持ちが大きい。商業出版が無理なら -
匿名
ネタバレ 購入済みリアルな視点
小説だから、けっこうゲイであることってすんなり受け入れられてることが多いけど、実際にはまだまだ難しいですよね。自分も、身の回りで出会ったことはないですし。
だからこそ、恵生の言ったこととか、リアルに近いのかなぁと思ったり。
頭では理解するんですけどね。好きになった人がたまたま同性だった、というだけで・・・。
ただ、そういうこと言うんだろうな・・・と思ってたのと、ほぼ同じ事を兄は真山に言ったので、予想してたけどやっぱり読むのは辛かったです。
だから☆ひとつマイナスにしました・・・。
この先の二人を見てみたいので、SSとか・・・続編が出たら読むのになぁと思いました。 -
シリーズものですよね
セイヤとアキラの物語
ゲームの中で知り合い関係性が深まるけれど
このシリーズの特徴をそのまま引き継いでいるように見えるけれど
セイヤさんが我慢強いのか
アキラが踏ん切れないのか
ちょっとヤキモキする
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こんな出会い方
バス停で出会いアプリゲームで親しくなる
しかもそのゲームが賢司さんの会社でって出来すぎ
このお話、「窓辺のヒナタ」のスピンオフ?
ヒナタやシンさんが出てくるから読んでびっくりしました
でもこのシリーズ好きです
イブキが大人で
落ち着いた高校生なのが特に好きなんですよ -
Posted by ブクログ
ネタバレレイプ犯グループへの「制裁」を企てたことから窮地に追い込まれ、一人の力を用いて心中を図ったふたりの行く末は…? というところから始まる下巻。
過去に戻された歩和は一ヶ月間、存在しないものとしてこの世から消えていたが、一人に『本当の名前』を呼ばれたことで姿を取り戻す。
どうやら、名前を呼ぶことが『消された』存在をこの世へと呼び戻す手段のようで…?
歩和の消えていた間、性暴力のターゲットは新人アルバイトの綾乃へと成り代わっていた。
『一度目』で過ちを犯した一人たちは、もどかしいほどの正攻法で卑劣な犯罪へと立ち向かうことになるが、ここからも上巻をものともしない激動の不幸のオンパレードが二人を襲う。 -
ネタバレ 購入済み
志生くんに癒される
期間限定で始まるお付き合いから、そのまま恋愛に発展していくのだけど、期間限定はただのきっかけにすぎず、志生と聡士の距離が少しずつ縮まっていくところに萌えキュンでした。それぞれが抱えるトラウマがあり、特に聡士の過去が重く感じましたが、たくさんの志生の何気ない言葉に、聡士が救われていくのが読み取れ、心があったかくなりました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ孤独に生きる会社員、須賀一人の元に過去に飼っていた黒猫のハナだと名乗るひどく小柄な子どものような少年がやってくるところから始まる物語。
触れると望んだものを消すことのできる能力で母親の身籠っていた弟を「消した」ことから心を閉ざし、贖罪として、ゲイでありながら孫の顔を見せるために結婚するべきだと考えていた一人の頑なな心を、猫のようにじゃれつくことで次第に溶かしていくハナ少年。
やがてハナ少年の正体と本当の名前が明かされたところから、物語は急展開を迎え……。
特設サイトで公開されている一章の後は、ハナ少年に視点が切り替わり、結末までが語られます。
ハナ少年=歩和の壮絶な現状にはウワァ…。ネタバレ