朝丘戻のレビュー一覧
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坂道のソラから三年後のスピンオフ、リアルでの出会い→アバターでの交流、だったシイバとソラからは一転、ネットでの出会いと勘違いから生まれる優しい恋模様。
ううん、ちょっと懐かしいノリではあります。
前回はほぼ一対一のコミュニケーションだったアニマルパークでの交流や遊び方がふんだんに描かれ、こんなにほのぼの優しい人たちと出会える世界なら実際に遊んでみたくなります。
大人になり、挫折を経験してあとは朽ちて行くだけと諦めの中にいた大人と、マイノリティへの侮蔑や息苦しさに耐えながらまっすぐなひたむきさを忘れない純粋で優しい少年は朝丘ワールドの鉄板でありますが、それゆえの安心感があるのも確かなのです。 -
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スピンオフに備えて再読。うーん、やっぱり好きだなぁ。
通勤通学のバスの中から始まるドラマ。
いつも乗り合わせるおしゃれな会社員賢司と高校生の一吹。痴漢の被害に遭う場面に立ち会われるという不本意な出会いながら、ひょんなことから年齢も立場も違う二人がごく自然にコミュニケーションを図っていく。
賢司には後に明かされる重い過去、それゆえに一吹を意識してみていたという事実が明かされるのですが、二人とも早く大人にならざるを得なかった二人だったんだなというのがしみじみと。他者との間に境界を引きながらそんな自分のあり方に真剣に悩み、賢治との対話を通して踏み出す勇気を持とうとする一吹は思慮深くて真面目で優しく -
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期間限定のおつきあいから始まる恋のお話。
深い愛情に守られてすくすく育った真っ直ぐて優しく思慮深く、それ故にすれてなさすぎて人付き合いにやや苦手意識を感じる年下主人公は朝丘ワールドだなぁと。
純粋すぎるほど純粋で可愛らしい志生の乙女っぽさにもぞもぞしないと言えなくもないのですが、それもまた朝丘ワールドの醍醐味と言えばそう。
信頼していた相手に拒絶され深く傷つき、家族からは大切にされながらもどこか腫れ物扱いを感じずにいられなかった眞山の疎外感や孤独に寄りそおうとする志生の純粋さは天使ですね。
心の傷を見せ合いながら距離を近づけ、受け入れ合う優しい関係性を築いていくところが恋になっていく描写が交 -
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ネタバレもうぐいぐいキャラクターの生きる世界に引き込まれてしまいました。まるで自分が登場人物になったみたいに彼らの感情に一喜一憂して微笑んだり泣いたりしてしまいました。朝丘先生の、まるで物語の世界が自分の目の前に起こっているような質感や匂いやそういう表現が素敵です。
何気ないひと言で友達を傷つけたことがありそれから喋るのが苦手になってしまった志生と、中学時代ゲイだとバレ周りに嗤われたことで心に傷を残してしまった聡士。二人の大学生が出会い、ささやかな幸せを手に入れ、それぞれの心にある壁を乗り越えて結ばれていく物語は読んでいるこちらも本当にほっこり&幸せになりました。 -
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久々に元祖BL!って作品でした。何が元祖かといいますと、同性愛者=異端者。って設定。昔は結構あったのですが、最近では獣系やファンタジー、コミカルな作品が多いですが、コレはほのぼのとした面を持っていながらガツンと痛いところを突いてくる作品です。
主人公は大学生3年生の先輩(攻)と新入学してきた1年生(受)なれそめはサークル勧誘で、散歩サークルに勧誘してきてそこの入り、先輩たちに(攻)はゲイだけど付き合ってる奴いないから(受)1ヶ月の期間限定でいいから付き合ってやってよ~と言われたのが始まり。
視点も(受)(攻)と変わっていくので、お互いの気持がしっかりわかり、あ~好きなんだな~としみじみ実感でき -
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ネタバレwebで連載から読んでいました。
web版にけっこう加筆修正されている感じ?なのでしょうか?
人の血を吸っていきる吸血種の大学生有理と医者である犀賀先生の切なくもあたたかいお話です。
犀賀先生がずっと哀愁のある人で悲しみを心に抱えている人だから、本当に有理くんと幸せになってもらいたかったのですが、文庫本になって着実に確実に有理と恋人として家族として幸せな時間を築いているところがみれて本当に泣いちゃうくらい嬉しかったです。
タイトルがアカノイトで、赤い糸の話なのですが、赤は糸でもあり血であり…。
それってどっちも繋がっていくものなんだよなあ…と思うと、この本の中にはいろんな人間、吸血種の繋 -
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ネタバレ朝丘さんにしか描けない世界観で、愛する事の苦しさと喜び、生きる事のかけがえない幸福が描かれていて、キャラクターみんなが真摯で愛おしくて堪らない。
夏に出会った暁天とリンの不穏な空気に『これから季節が巡った先で二人は表紙のような穏やかに笑いあう関係になるんだよね? どうやって??』とハラハラさせられたのですが、成る程そうきたかー……と。
頑ななリンの気持ちを溶かして愛する事、限りある時間を精一杯生きる喜びと優しさをプレゼントしてくれる暁天さんの優しさに胸がぎゅうっと包まれるよう。
恋に憧れ傷つく病弱な少年と天使の出会い、天使の設定から生まれ変わったその先で約束を果たす下りは切なくて綺麗で優し -
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ネタバレ幸一とカラス先輩はズブズブの共依存関係だなぁ……というのが一読しての感想。
生きる気力を完全に失ったカラス先輩にとっては自分を繋ぎ止めてくれる幸一は手離せない存在だったんだろうけど、半ば飼い殺しのように見えて辛い。
真剣に恋をしてお互いに向き合った結果として、こういう選択を選ばざるを得なかったんだろうなと。
「先輩を放って置けない、一人にしたくない」と友人や恋人との関係に支障が出るまで二人でいる事に逃げ込んで行くあたりは見ていて痛々しくて堪らなかった。
澱のようにぐらりと揺れる感情が穏やかにそっと掬い上げられていく透明感溢れる文章はどうしようもなく一つ一つが胸に突き刺さりました。
どうしようも -
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ネタバレ予約して楽しみにしていた今作。
時間のある時に、大事にじっくり読もうと思ってましたが、
あまりの表紙の美しさに衝動を抑えきれずに一気読み。
はあぁぁぁぁぁぁぁ…………(溜息)
何でしょう、この充溢感。
何だかどんな言葉を選んでも陳腐になってしまうというか、
取りあえず読んで良かったです。
輪廻転生ものは使い古されたネタだと思っていても、書き手によって
その色は様々で、今回の朝丘さんの転生ネタは胸があたたかくなり
たまらない幸福感に満たされました。
幸せの感じ方は十人十色ですが、こういった形が苦手という人も一定数
いると思いますので、好き嫌いは分かれると思います。
お涙頂戴だと思うか -
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ネタバレ最初に言っときます。
★5つの評価は、同時収録されている【ヒカル】に対してであり、
表題作への個人的評価は★1どころかゼロでも良いと思ってます。
実際とても評価の分かれる作品ではありますが【ヒカル】に登場する
光久が主役である【晴れの雨。】を読んでると、本当に
文句なしに光久と和隆が最終的に恋人同士になってよかったと
思いました。
あんなに綺麗で、切なくて、悲しい別れがあった光久が、
木生を心の中に大切に住まわせたまま幸せになる結末は、
これ以上ない素敵なハッピーエンドでした。
正直表題作の【カラスとの過ごし方】に出てくる幸一は
刺身のつまくらいでしかなく、読んでたらもう色々と胸糞悪いの
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ネタバレ 購入済み
コレめちゃくちゃイイ!
前作、アキのツレなさから途中までは読むのが苦痛ですらあったんですが、ちゃんと意味ありましたねぇ。恋人のいる自分に振り向いてくれない同性への不毛な片恋に周りを慮れず一人苦しむ美里、ストレートすぎて人付き合いが苦手な上に猜疑心が強く不器用なアキ、そんな2人が想いを通じ合わせられたのに別れたまま付き合いが続く本作、切ない以外に何と言えばいいのか。周りに応援され親からも静観すると許しを得られ共に人生を歩み始められて感動的でした。アキの「こんな男を好きになってくれてありがとう」にポロリ、始めウザい奴〜とお思って申し訳ありません(笑)朝丘さん作品良し悪しにムラっ気ありますが(心理描写が悲観的にくどかったり
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ネタバレ 購入済み
苦しくなりました。
ここまで相手を強く思えるのはその人と逢えたこと自体が奇跡なのだろうと思いました。
生まれついた性別のために離れなくてはいけない運命にあるというのは読んでいてとても苦しくなりました。
秋色も続けて買いました。秋色でやっと救われた感じがしました。
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Posted by ブクログ
春への中にちらりと出て来るふたりの話。
春へに出て来たメッセージの意味が知りたくて、仕事放りだして続けて読んでしまいました。(おかげで今晩は徹夜ですw)
仕事放り出しても、最後まで読みたかった。
何よりも自分の生の軸に出来るような愛する人を私は持っているんだろうか?
そう思うと、これは確かに作者さんの描く通りにハッピーエンドなんでしょう。
好きなものに1番2番と順番をつけることはすごく空しいと思っているのですが、何よりもというたった一つを持っているのは、凄く幸せなのかもと思えます。
カテゴリをBLにしていますが、それにこだわりなく読んで欲しいです。