【感想・ネタバレ】春恋【電子限定版】のレビュー

あらすじ

【限定配布されたショートストーリーが付いた電子限定版♪】十八の春、美里が恋に落ちたのは、美大生で家庭教師の秋山だった。秋山は他人にも自分にも厳しくて素っ気ないが、たまに優しい。美里は異性愛者の秋山に対し、傷つきながらも一途な想いを寄せ続ける。そして夏が過ぎ秋がきて、育む時間はお互いをかけがえのない存在へ変えていくが……。――あの頃、俺たちは子どもだった。四季の移ろいと共に積み重なる、永遠の愛の物語。 ※本文にイラストは含まれていません

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ネタバレ 購入済み

苦しくなりました。

ここまで相手を強く思えるのはその人と逢えたこと自体が奇跡なのだろうと思いました。
生まれついた性別のために離れなくてはいけない運命にあるというのは読んでいてとても苦しくなりました。
秋色も続けて買いました。秋色でやっと救われた感じがしました。

1
2013年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アキはどうしようもなくひどいやつだけど嫌いになれないんだよな、なんでだろう……。
再読してみてもやっぱりそんな感じ。

受験生の美里が好きなのは美大生の家庭教師のアキこと秋山順一。頭が良くてぶっきらぼうて口も態度も悪く横柄なのに、絵に対する情熱やストイックさ、良くも悪くも嘘のつけない真摯さが美里には眩しく見えて仕方がない。
減らず口ばかり叩きながら身体の関係を持ってからも、アキは恋人のような甘いキスをくれるのに美里の心を見てくれない。

恋に焦がれる純粋さ、理屈なんて抜きにただ誰かをまっすぐに思う気持ちのひたむきさ。
全身全霊で思いを込めて誰かを好きになる切なさや苦しさを描くのが朝丘さんは本当に上手いなぁとしみじみと。
アキは美里を弄んでひどいやつだなぁと思うのですが、身勝手さも横暴さも自分にも他人にも厳しく真摯に生きている証なのかな、とも思えたり。
どれたけキツく当たっても逃げずにぶつかろうとする美里の想いにいつしか愛おしさを堪えきれずになっていく姿にわー、わー、と。

心と心で向き合って魂を結び合うような恋をしたとしても、夢物語ではない。
永遠に共にはいられなくともアキがそばにいることを許してくれた時間があればそれだけを頼りにずっと生きていける、とあらかじめ別れを覚悟している美里はどうしようもなく強くて優しい子だなあ。
家庭教師と教え子として超えてはいけない線を超えたこと、社会的に認められない男同士であること。
父親との遭遇を経て二人は別れ、五年の後に再会を果たす。

無力で未熟な、恋に溺れただけの子供同士だったということに尽きるのかな。
一生に一度の唯一無二の恋をして、一番大切な相手を思いながら違う相手と共に生き、それぞれの待つ場所へと帰る。
冷や水をかけられるような結末ではありますが、朝丘さんの思う「人を愛すること」への命題であり、今の社会で同性愛に立ちふさがる障害があることは確かで、朝丘さんにとっては避けて通れない永遠に貫かれるテーマなのだろうと思います。
朝丘作品はホモフォビアがきつすぎてなー、と思うことは多々ありますが、「あの頃はそうだった」といつか言える未来があるといいなぁと。

美里のいじらしいまでの健気なまっすぐさとアキの腹立つ色男っぷりはなんだかんだと好きです。
しかしまぁ母子家庭なのに美大に通い、なおかつ一人暮らしで2LDKに住んでお母さんにも資金援助してるアキはどんだけ高給取りなんですか…

0
2017年06月17日

Posted by ブクログ

なんで登録されてないんだ・・・
コバルトのリメイクなのに両方並べてあります。
何回読んだかわからない
商業誌も結構読んできたけど、今まで読んだ中でアキが一番好きな攻めかもしれない

0
2015年06月25日

Posted by ブクログ

十八の春、美里が恋に落ちたのは、美大生で家庭教師の秋山だった。秋山は他人にも自分にも厳しくて素っ気ないが、たまに優しい。美里は異性愛者の秋山に対し、傷つきながらも一途な想いを寄せ続ける。そして夏が過ぎ秋がきて、育む時間はお互いをかけがえのない存在へ変えていくが……。
――あの頃、俺たちは子どもだった
四季の移ろいと共に積み重なる、永遠の愛の物語。

0
2014年06月05日

Posted by ブクログ

春への中にちらりと出て来るふたりの話。
春へに出て来たメッセージの意味が知りたくて、仕事放りだして続けて読んでしまいました。(おかげで今晩は徹夜ですw)
仕事放り出しても、最後まで読みたかった。

何よりも自分の生の軸に出来るような愛する人を私は持っているんだろうか?

そう思うと、これは確かに作者さんの描く通りにハッピーエンドなんでしょう。
好きなものに1番2番と順番をつけることはすごく空しいと思っているのですが、何よりもというたった一つを持っているのは、凄く幸せなのかもと思えます。

カテゴリをBLにしていますが、それにこだわりなく読んで欲しいです。

0
2013年10月25日

購入済み

前半イラっ後半ジーン

何度も放棄しようかと思うくらい中盤までアキの掴めないツンキャラと美里のグズグズした空気にイライラしましたが辛抱して読み進めて良かった(笑)アキの気持ちが動いていく様が読み取れず気づけば「好きそう」な素振りをしてて若干の違和感はありましたが想いが通じてからの短い蜜月にはじんわり温かくされます。お父さんに簡単にばれちゃってカテキョだから?同性だから?で別れた件、子供だからって付き合うために説得しよーって姿勢もなく別れちゃったのはなんだかな〜て感じ、簡単に手放すの?みたいな。しかも美里は結局男と付き合ってんじゃん、矛盾〜(笑)小さいツッコミ所があり続編もあるので総評は出来ませんが今のところ3寄りですがまあ★4です。

1
2014年03月18日

Posted by ブクログ

新装版だったんですね。大学生の家庭教師と高校生の苦しくて切ない恋物語でした。
アキのことがすごく好きなのに、傷つくのが怖くて本心をさらけ出せない美里。すぐに拗ねたりかわいくないことを言ってしまったり、強がってばかりでハラハラさせられます。Hから入ってしまった関係も決定的な誤解を招いているのに、むしろ遊びかのように見せかけて自分の臆病な想いを隠そうとしてしまいます。
口では強がってばかりだけど、美里はガラスのように繊細な心の持ち主で放っておけない子です。
その不器用で一生懸命な恋心が、不憫で不憫で…
そんな美里の態度で、アキはひどく誤解しているんです。気まぐれな遊び半分か、受験勉強のストレス発散にでもつき合わされているとずっと思い込んでいたからこその、いじわるでからかい混じりの扱いかたです。
アキも年上とはいえ、まだ大学生で人生経験も浅いから包容力もまったくなくて。
それでも、美里の気持ちに気付けたところでは、ものすごく精神的な成長を感じました。

ただし、気持ちが通じ合っても、現実は手厳しい。後々切ないことになっていくのが辛かったです。
楽しく幸せそうな場面があるので、余計に涙が止まらなくなってしまいました。
未熟さゆえの結果であり、未熟だからこそ気持ちはあっても未来が見えない恋愛です。
この二人がもう少し大人で出会っていれば、ちゃんと生きていく地盤が築けていたら、また違う結末になったんだろうなと思わせます。
ほんとに“たられば”なんだけど。

なんか、他人事とは思えない痛くて青い恋愛です。つまらない意地とか、プライドとか、愛するものに比べたら取るに足らないものだったと気付いて反省できるのは、いつだって後になってからなんですよね…
アキと美里の、そんな心の痛みがはっきりくっきりと描き出されていて、読んでいる間も読み終わった後も、心から離れることがありません。
続編が待ち遠しいです!

0
2013年10月25日

Posted by ブクログ

春へ、に登場する秋山と美里のお話。
美里の視線でのお話が進みますが秋山が旭より性悪で笑いました。
旭は無骨で頑固で冷たくしきれないへたれだと思っていたけれど、
性格の悪さは秋山が上の様な(笑)
高校生の美里も若さからかへこたれない。
十希の前向きでひたむきな愛とはまた違う若さ特有の強引さ。
昔の作品のせいか美里の未熟さがとても目につきました。
後先考えない行動とか。
登場人物にまりこちゃんがいるのですが、女子の出現におののきましたらやはり一悶着有りました。
それがあって深まる絆もあるのですけれど。
朝丘先生の初期の作品らしく初頭のシーンにあら?と思ったり
瑞々しくて愛おしい作品です。
私は春へ、がお気に入りでどうしてもあの二人と比べてしまいがちですが丁寧に書かれた言葉の一つ一つをゆっくり時間をかけて読みました。
それにしても小椋先生の表紙、です。
美里の想いが溢れて秋山に伝わっているのが分かる。
次巻、秋色来月発売です。
それまでにもっと読み込んでおこうと思える作品。

0
2013年10月12日

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