五木寛之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
お母さんの死について書いてある箇所が、ギュウっとなった。夢見た新天地で、骨と皮だけの小さな体になっていく…「人生って」と思わずつぶやいちゃうけど、後に言葉が続かない。
五木さんの本は初めてだったけど、読みやすく、これからチャレンジしたいと思いました。
戦争中にも、人々が歌を歌っていたのが、まずびっくりで。声も発せられない、聞こえるのは悲鳴や怒声や泣き声だけの時代と思っていたから。
生きるって、無感情ではできないことなのかも。
異国の地で、父親が日本刀をコレクションしていたとか、写真の中の若かりし母親はモダンガールだったとか、子どもながらに親の気持ちを察する様子に、私は共感しました。
戦 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょうど、地震や津波、原発問題で心が揺れているこの時期に、タイムリーな本でした。めぐりあわせ。今回のことで、生き方に悩む人はぜひ一度読んでみてください。
「それ以来、私は、地震や津波が来たりして政府が『動くな』と言ったら、すぐに逃げるつもりですし、逆に逃げろと言ったら動くまいと思っています。どれだけ国を愛していても、政治のシステムが民衆を最優先するとは考えませんし、たとえば新型インフルエンザは心配ない、と言われたら逆だろうと考える。」
「・・生き延びて、引き揚げてこられた人間は全部悪人なのだ、そういう意識は一生、自分の中から消えることはありません。こうして生きている自分も悪人なのだと覚悟し -
Posted by ブクログ
タイトルとおり人と人との関係をテーマにしたエッセイ。
夫婦だったり、他人だったり、友達だったり。色々な距離感の人について述べられております。全体を通じて感じるのは「他者に過度に期待しちゃだめ」といったことでしょうか。確かにその通りで見返りを求めての行動は本物ではない気がします。ある人を助けるような行為もやりたいからやる、それをやっている自分が好きというモチベーションで動くべきで、決してその人からの感謝を期待して動くべきではないということですね。
以下抜粋
「慈」の愛と、「非」の愛。
言葉を換えれば、励ましと慰めとなるでしょうか。慈の愛は、人々を立ち直らせ、勇気づけ、元気づける愛。そして、高い