新庄耕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【ちゃんと不快。そして深い。】
主人公の少年が、夏休みに体験した不気味かつ恐ろしい体験を描いたサスペンス。
息を飲むような美しい海と、太陽の輝く夏の離島を舞台に繰り広げられる恐ろしい出来事の数々。このアンバランスさが更に恐怖を煽る1作だと思いまた。
少年が受ける恐怖体験も、単にグロテスク、残酷というものではなく、ちゃんと読者に不快感を与えるような内容で、思わず心臓がぎゅっとなります。
本を読んでいて、ここまで焦燥感に駆られ、また不快に感じたのは久々です。
また、ラストには、背負うには重すぎる事実が、あなたと主人公の背中にのしかかります。
恐怖と不安感に駆られるひと夏を、少年と一緒にすごしてみませんか?
本屋さんでたまたま手に取った1作ですが、あの日出会えて良かったと思いました。内容を忘れた頃にもう一度読みたいです。 -
Posted by ブクログ
一攫千金を手にするためには、犠牲も大きいもの。主人公は仕事がうまくいかず、たまたま友人から誘われたネットワークビジネスの説明会に出席し、断るつもりが言葉巧みな勧誘に洗脳される。その後、交友関係の全ての知り合いに同じ話を持ちかけるが、強引な勧誘と引き換えに全ての絆を失ってしまう…しかし紆余曲折し、転職した同じマルチ商法の会社で成績優秀者となり、セミナー講師まで務め、同じように若者たちを洗脳する立場となり、高額の収入を得、タワマンに住み、ハワイにまで無料で行けるようになる。しかし…。
20年近く前になるが、都内のデカいホールで開かれた、とあるマルチ商法の優秀者の表彰式に仕事で行った事があるが、会場と入口の車寄せがテレビ中継され、年間成績の優秀者数名は表彰式で高級車のキーをもらい、そのまま入口から車に乗って帰るというシーンがリアルタイムで放映されていた。
セミナー出席者に対し、司会者が『夢は必ず叶う。勝ち組になるんです!そして皆で幸せになりましょうね〜!』と呼びかけて、出席者が『オレはやるぞ〜!』っと拳を突き上げたり、会場全体が異様な興奮に包まれた状況を見て、僕は『オレにはムリ。ここは怖い世界だ…』と思った。
ネットワークビジネス【連鎖取引販売】は決して全てが違法ではないが、実際に悪質な業者に騙され、多額の借金を重ね、自己破産になった人を何人も僕は見ている。(平野は以前に信販会社の苦情分析を担当していた)勧誘にはSNSが使われていることが最近は多いので、なかなか悪質商法と判断するか、自己責任とするかの境界線が難しいのだ。
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購入済み
ふうう、『地面師』の作者が書きそうなラストだったぜ、、、そりゃ蒲田の物件取れたからと言ってそのままハッピー順調で終わるわけなかったよね私が甘かった。 途中まではどんな仕事もその仕事特有のコツみたなものがあって、ゲーム感覚で1つ1つ潰していったらそれなりに楽しめるなとか思ったけど、これはちょっと不動産屋のゴリゴリ課長とほかの企業に勤める周囲の人たちの狭間になった主人公の価値観が問われたちゃったよねぇぇ、難しい
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購入済み
ドラマの余韻がそのまま続く
配信ドラマで知り、すっかりこのシリーズのファンになってしまいました。
ドラマの雰囲気が文章から伝わってきて、展開にドキドキします。
実写化したら、この役は、誰がやるんだろうな、とか考えながら
読み進めました。
是非、実写化してもらいたい。 -
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不動産業界ではないが、4月から新卒で働く身であるため、働くことの恐ろしさが鮮明に伝わってきた。主人公ははじめは全く売ることができなかったが、運が味方したことや課長にテクニックを教えてもらったことで売れる人に変わっていった。売れる人に変わったことで、自分が大物になった気になって傲りが見えてきたが、本当は中身は何も変わっていないのではないか。これは、サラリーマン全員に言えることだと思うが、謙虚でいることが1番大切なのではないか。そんなことを考えさせられた。売れなくなった時に謙虚さを持っていなければ、周りから人がいなくなってしまいそうな気がした。
もし自分が少し仕事で成功することがあっても謙虚さは忘れずにいたい。この本はそう思わせてくれた作品。でも、謙虚で居続けることは難しいことなんだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「給料とは別に、百万円入ってきたら、良いと思いませんか?」
勤めていた会社の業績不振によるリストラの危機で将来への不安を抱えた主人公。旧友からの誘いで、初めは否定的だったネットワークビジネスに次第にのめり込んでいく様子を描いた作品。
(感想)
自分も、ネットワークビジネスには「成功、夢、仲間」という甘い響きの言葉を餌に人々を騙してお金を儲ける悪徳なビジネスというイメージがあり非常に嫌悪感を持っている。
ストーリーの序盤は、そんな悪質なネットワークビジネスにのめり込む主人公が破滅の道を辿る物語だと思って読み進めていたが、
途中から、「あれ、ネットワークビジネスって、やり方次第では誰も損をせず、必ずしも悪いものではないのでは…?」と思ってしまうような説得力があり、読み手の価値観やスタンスが足下から揺らぐ瞬間があった。
結局のところ、そううまくはいかないのだが、ネットワークビジネスにハマる人の心理のようなものを擬似体験するような構成となっていて、単純にネットワークビジネス否定本ではないという点に著者の筆力の巧みさを感じた。
不安を抱える中、騙され、裏切られ、懲りずに何度も絶望を経験した主人公がストーリーの最後にした決断は果たしてハッピーエンドなのかバッドエンドなのかは、読み手により意見が分かれるところだと思ったが、主人公の本気で人を幸せにしたいという気持ちは本物だと思わせるような描写もあり、不思議な読後感だった。
「自分は絶対にネットワークビジネスなんかに騙されないぞ」と思っている人ほど楽しめる内容だと思います。 -
Posted by ブクログ
ブラック企業という言葉が認知された当時、ペンシルハウスを売りさばく不動産業を描いた「狭小邸宅」の作者の次作は、ネットワークビジネスいわゆるマルチ商法にのめり込む若者を描く。
メーカーの関連企業で働く竹田は、ある日大学時代の友人からの電話を取るが、彼が誘ってきたのはマルチだった。
そんな話に乗る気はさらさらなかったが、社内では業績悪化によるリストラが吹き荒れ、昇給なしボーナスなし。
地元の古くからの友人は、地元で最年少の市議会議員としてデビューした。
俺はこの先もこのままなのか。
何度もかかってくる友人からの誘いに、一回だけとセミナーに参加したことから、マルチ商法にのめり込んでしまう。
スーツを着た不安げな表情の若者が描かれたマトリョーシカが並ぶ表紙、最後尾には脱落して倒れた人形が。
夢もなく希望もない、この社会構造は一体なんだ。
読者によって先はどうなるかの受け取り方が異なるラストで話は終わる。
ハッピーエンドに思えたと解説には書かれているが、これはどう考えても新しい破滅の未来を暗示していると思う。
「先ほどまで明るい光に満ちていたはずの外は、夕暮れとは思えぬほど暗く沈んでいる(本文より)」
いったんはまり込んでしまった生き方からは抜けられない。
業が業を積み重ねる連鎖が止まらない。
タイトル通り「ニューカルマ(新たな業)」だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレNetflix版の極彩色が目に残ったまま原作を開くと、静かだった。
辻本拓海は、母と妻子を火事で失い、抜け殻のようになったところを地面師・ハリソン山中に拾われる。交渉役として、後藤、竹下、麗子らと組み、泉岳寺駅近くにある市場価格100億円の土地を狙う。
土地の情報を集め、所有者になりすます人間を用意し、偽造書類で本人確認を抜ける。原作は、この分業を落ち着いた調子で積み上げる。高い報酬を求めて自ら参加する者がいる一方、顔が割れるなりすまし役には、借金を抱えた弱い立場の人間が選ばれる。地面師と匿流は同じ犯罪ではない。それでも、人を取り込む入口と、危険を末端へ押しつける構造には、同時代の嫌な手触りがある。
拓海は被害者遺族であり、同時に自ら人を騙してきた加害者でもある。父を破滅させた詐欺の主犯がハリソンだったと知っても、それまでの犯罪が消えるわけではない。それでも、どん底から救ってくれた男への追随が復讐へ変わる流れには、実に唸らされた。
原作では、誰が何を引き受け、誰に危険が押しつけられるのかがよく見えた。原作には、あの台詞は出てこない。「もうええでしょう」の話は、もうええでしょう。