新庄耕のレビュー一覧
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以前から気になっていた作品。帰省中に父から拝借して読みました。
地面師グループの1人である拓海、老刑事の辰、石洋ハウスの取締役・青柳、この3人視点で物語は進みます。
なぜ地面師になったのか、地面師とはどのように詐偽を働くのか、石洋ハウスはなぜ騙されたのかが分かりやすく書かれていました。
半分以上は拓海の視点で構成されていて地面師達の動きを追う形なので、予定外の事態から騙していることが明るみに出てしまいそうになるシーンはこちらもハラハラしてしまいます。それほど読み手を引き込む作品でした。
一方で、ストーリーの主軸とはほぼ関係のない部分で女性を軽んじているというか、馬鹿にしているというか、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレNetflixで実写ドラマ化され社会現象となった『地面師たち』の前日譚にあたるスピンオフ短編集。100億円もの前代未聞の不動産詐欺を成し遂げた地面師集団が、いかにしてその道に足を踏み入れたのかが描かれている。
物語は、後藤(法律屋)、長井(ニンベン師)、麗子(手配師)、竹下(図面師)といった主要メンバーに加え、刑事の辰、大手ハウスメーカーの青柳、尼僧の川合菜摘といった周辺人物にも焦点を当て、それぞれの背景や人間模様を掘り下げていく。『地面師たち』本編での冷徹さや狡猾さの裏側に、こうした過去や人間性があったのかと驚かされる。
たとえば、後藤を主人公に据えた「ランチビール」では、ピエール瀧のエセ -
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地面師たち アノニマス
**著者** 新庄 耕
**あらすじ**
100億円という前代未聞の不動産詐欺を成し遂げた地面師たち――。本書は彼らが“地面師”と呼ばれる存在になるまでの前日譚を描いた、スピンオフ短編集。司法書士歴20年の後藤が、娘の塾代に悩む中で不正への誘惑に葛藤する「ランチビール」など、全7編を収録。巻末には、俳優・ピエール瀧との対談「小説と映像、溶け合う境界」も収められている。
**感想**
地面師たちの過去に焦点を当てた物語でありながら、彼らがかつては「真っ当な」職業に就いていたという設定に非常にリアリティを感じました。不動産という大きな金が動く世界において、どこ