無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
一攫千金を手にするためには、犠牲も大きいもの。主人公は仕事がうまくいかず、たまたま友人から誘われたネットワークビジネスの説明会に出席し、断るつもりが言葉巧みな勧誘に洗脳される。その後、交友関係の全ての知り合いに同じ話を持ちかけるが、強引な勧誘と引き換えに全ての絆を失ってしまう…しかし紆余曲折し、転職した同じマルチ商法の会社で成績優秀者となり、セミナー講師まで務め、同じように若者たちを洗脳する立場となり、高額の収入を得、タワマンに住み、ハワイにまで無料で行けるようになる。しかし…。
20年近く前になるが、都内のデカいホールで開かれた、とあるマルチ商法の優秀者の表彰式に仕事で行った事があるが、会場と入口の車寄せがテレビ中継され、年間成績の優秀者数名は表彰式で高級車のキーをもらい、そのまま入口から車に乗って帰るというシーンがリアルタイムで放映されていた。
セミナー出席者に対し、司会者が『夢は必ず叶う。勝ち組になるんです!そして皆で幸せになりましょうね〜!』と呼びかけて、出席者が『オレはやるぞ〜!』っと拳を突き上げたり、会場全体が異様な興奮に包まれた状況を見て、僕は『オレにはムリ。ここは怖い世界だ…』と思った。
ネットワークビジネス【連鎖取引販売】は決して全てが違法ではないが、実際に悪質な業者に騙され、多額の借金を重ね、自己破産になった人を何人も僕は見ている。(平野は以前に信販会社の苦情分析を担当していた)勧誘にはSNSが使われていることが最近は多いので、なかなか悪質商法と判断するか、自己責任とするかの境界線が難しいのだ。
Posted by ブクログ
ブラック企業という言葉が認知された当時、ペンシルハウスを売りさばく不動産業を描いた「狭小邸宅」の作者の次作は、ネットワークビジネスいわゆるマルチ商法にのめり込む若者を描く。
メーカーの関連企業で働く竹田は、ある日大学時代の友人からの電話を取るが、彼が誘ってきたのはマルチだった。
そんな話に乗る気はさらさらなかったが、社内では業績悪化によるリストラが吹き荒れ、昇給なしボーナスなし。
地元の古くからの友人は、地元で最年少の市議会議員としてデビューした。
俺はこの先もこのままなのか。
何度もかかってくる友人からの誘いに、一回だけとセミナーに参加したことから、マルチ商法にのめり込んでしまう。
スーツを着た不安げな表情の若者が描かれたマトリョーシカが並ぶ表紙、最後尾には脱落して倒れた人形が。
夢もなく希望もない、この社会構造は一体なんだ。
読者によって先はどうなるかの受け取り方が異なるラストで話は終わる。
ハッピーエンドに思えたと解説には書かれているが、これはどう考えても新しい破滅の未来を暗示していると思う。
「先ほどまで明るい光に満ちていたはずの外は、夕暮れとは思えぬほど暗く沈んでいる(本文より)」
いったんはまり込んでしまった生き方からは抜けられない。
業が業を積み重ねる連鎖が止まらない。
タイトル通り「ニューカルマ(新たな業)」だ。
Posted by ブクログ
インターネットビジネスが家族や人との繋がり、友情を蝕みダークサイドへと転落する様を描く話。本当にあった怖い話みたいです。
立場が変わると人は意見をすぐに変えてしまう。いざ自分が理不尽を被り、会社を追われ、社会から見放されたと感じたらどう振る舞うのだろう。
普段は絶対手を染めないと誓った筈のドラッグ、闇ビジネス。
でも苦境から脱する為に藁をも掴む思いで行動をとるのでは…そう思うとゾッとする。詐欺師が付け込むのはこういった社会的な弱者の心の部分。ダークサイドに堕ちた側が悪いのか。弱者を生む格差社会の構造が問題なのか。
悪質商法の問題が詐欺案件となって世に明るみに出る時、その実行役に仕立てられた人の人生は既に一度終わっている。ネットビジネスから抜け出せないループに彷徨う主人公を生々しく描写する様子は、この実世界でも少なからず起こっている話なのではないだろうか。
怖い怖い
Posted by ブクログ
新庄耕さんの2冊目は「ニューカルマ」でした。
大手企業に勤める主人公が、マルチ商法的なネットワークビジネスに手を染めていく物語です。
読んでみて私にも身に覚えがありました。もう30年以上も昔の話になりますが、その手の会社の商品を勧められたり、ねずみ講みたいな組織の会員に勧誘されそうになったり。そして勧めたり勧誘したりする人は罪の意識は全くないのです。そうすることが自分にとっても相手にとっても幸せになるかのようなロジックで話されます。
既に会員になっていた知人から結婚祝いにその会社の高価な鍋セットをいただきましたが、その鍋たち(フライパンや大小のお鍋)は30年以上経過した今も現役で使っていますので、品質には問題ないのかもしれません。ねずみ講式に会員を増やしていくというビジネスモデルにこだわらずに商品の品質だけで勝負していたら、もっと成功していたかもしれません。
昔のようなマルチ商法ではすぐ摘発されてしまいますが、現代は改良に改良を重ね?限りなくホワイトに近いグレーなビジネスモデルになってきているため、従業員は負い目や引け目を感じることなく堂々と販売や勧誘しているようです。
まぁ100%ホワイトな企業など見つけることが難しいと思いますが...そうすると、一般の企業もマルチ商法会社も大して存在意義に差がないという話になってくるわけで、ややこしくなってきます。
今後も犯罪や社会や性別、年齢の境界がどんどんボーダーレス化していくように思います。果たしてその先にある未来は明るいのかなぁ...
Posted by ブクログ
「地面師たち」からたどり着きました。
青年がマルチ商法にハマった先の盛衰や破綻が描かている。
古い友人からの連絡を無視できなかったり、警戒しながらもセミナーに参加したり、結局、流さられるままに入会したり...と、その後も何度も「ここで踏みとどまればよいのに」と思う場面があった。
マルチで繋がる関係は結局のところ、金で繋がっているだけで、金が切れた瞬間に胡散霧散になるのところが興味深い。
主人公を取り巻くマルチに浸かってしまった人々の、一見利他のようでいて私利だけを追い求め、本音を隠し耳障りのよい言葉で懐柔していく様子には、全く別の生き物を見ているようだった。
さらに、マルチでの成功が潰えた頃には、平場の社会で築き上げてきた人間関係や信頼を失い、本人の価値観も歪んでしまい、全うな社会での再生の路も閉ざされてしまう。
おそらくこの主人公は、例に漏れず、揺るがない幸せや確たる人生が欲しかったんだと思う。
それをマルチの中に見出し、希求した。
ウルトリアからニューカルマへと、主人公は、より中枢部に近いところへ上り詰めるが、どこまで行っても、風向き一つでトカゲの尻尾切りをされてしまうところがイカロスの羽を見ているようでした。
Posted by ブクログ
広告で良く目にするネットワークビジネス。
自分がもし手を出してしまったら?を追体験させてくれるストーリーだった。
ネットワークビジネスには夢がある。武器に出来る能力も無く、会社に不安を抱きつつ過ごす日々に、成功のための裏ワザを教えて教えてくれる。
改めて巧妙で合理的な仕組みだと考えさせられた。それは深みに進んでしまうのも無理は無い。
本作ではその裏側と待ち受けているであろう現実と、伴う心情の変化を歯軋りしてしまう程のリアリティを持って表現している。
目の前の上手い話に乗っかるより、勉強して自分の武器を作り、今の仕事で実績を残して行くことこそが今の自分にとっては最も幸せになる方法かなと思った。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸