新庄耕のレビュー一覧

  • ニューカルマ

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    ネタバレ

    狭小邸宅に続き、2冊目。未来に希望が持てず、簡単に儲かり、自己承認欲求も満たせる上手い話に巻き込まれていく若者の様子が描かれている。興味深いのは、親友であり、議員として「真っ当な道を行く」タケシとの対比。ネットワークビジネスはその性質上、人を不幸にするものと認識されるが、「皆を幸せにする」という目的はタケシが描くそれと近似する。では何が正しく、何が間違っているのか。ネットワークビジネス=悪と簡単に判断できないところに気持ち悪さを残しつつ、故に自身の中の軸(≒善悪を判断する基準)なくしては、いつしか「こんなはずではなかった」自分になってしまうのだと思う。

    「いいも悪いんもないんよ……世の中。腐

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    2022年11月07日
  • ニューカルマ

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    この著者は登場人物や背景をあまり明確に表現しない。
    ただ話の展開を楽しみたい方向け。

    私は鮮明に想像出来るような文章が好きであるにも関わらず、読み進められたのにはきっかけがある。
    大学の友人がAmw○yにハマってしまい
    「お願い!ちょっとだけ!話だけ聞いてくれればいいから!」
    と渋々講演会に連れて行かれた経験があるからだ。

    まさにまさにという感じ。
    陰謀論や宗教などと同じである。
    いくら商品が素晴らしいから、夢を持ち続けることが美しいからと言えども、人に胸を張って紹介できる仕事ではない。
    それでも一度、どうしようもない程に心酔してしまったらもう抜け出せないのだろう。
    顔つき、喋り方、"普通

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    2022年06月10日
  • ニューカルマ

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    ネタバレ

    サッと読める長さで坂道を転がり落ちていくようにネットワークビジネスにハマる疾走感が2回も味わえる素敵な小説
    一回懲りたはずがもう一度ハマるとか同じ業界の中で人員がグルグルしてるとかその辺が怖いな〜と思うなどでした
    ラスト搾取側に回るのがちょっと不自然だったかな?この主人公みたいな他人を通じて自己実現するタイプは永遠に利用される側のマインドに見えるし、ビジネスを立ち上げる側に変わるならそこに至った経緯を書いて欲しかった

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    2022年06月08日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    企業や労基署のことを調べて書いているんだろうということは分かるけど、肝心のお話が面白くない。
    ただ仕事内容が知りたいだけなら小説を読む必要がないので。調理次第で良くなりそうだけど、リアルに寄せた結果、薄味になっている印象を受けた。
    「国に守られている人には分からんだろうが〜」みたいな紋切型のセリフが多いのも合わなかった。そういう考えの人が取材中多かったかもしれないけど、それに対する主人公の考えも紋切型で、昇華されていないのが気になった。

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    2022年04月30日
  • サーラレーオ

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    156ページ。海外逃亡、薬物、半グレ、と、重いテーマで軽い読み味。さらっと読み終わってしまいました。

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    2022年04月19日
  • サーラレーオ

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    面白かったけど、この内容でこのボリュームは少なすぎじゃないかな・・。バンコクで読んだら気分が盛り上がりそう。

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    2020年07月07日
  • ニューカルマ

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    非常に読みやすい物語展開だった。
    周りの状況よりも、主人公の内情が細かく描写されており、入り込みやすかったためだと考える。
    満足も不満足もしない今、これまでの人生の中でなにか一発逆転を狙って手を出してしまい、友達、家族、親友、お金を失い、同じ失敗を繰り返す。人の弱いところ鮮明に描いていて、自分もこうなってしまわないかな、と考えてしまう展開だった。
    一方、読めてしまう展開だったのでそこが面白みにかけるかなぁ思い、評価は3で。

    20200202

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    2020年02月02日
  • ニューカルマ

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    マルチにはまる心理状態が上手く描かれていて、初めは胡散臭い、けれどもだんだんとのめり込んでしまう、までの心情が、主人公に限らず、誰にでも起こりうることだと感じた。
    ラストをハッピーエンドと捉えるか、バッドエンドと捉えるかはその人次第。

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    2019年05月16日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    労基署職員の奮闘を描いた短編集。
    それぞれのエピソードで出てくる会社と上司のブラックぶりに嫌な気分になる。でもこれが現実なのかな。
    最後のエピソードが終わって、あっさり終了したけど、続編ありきなんだろうか。若干の肩すかし感がある。
    主人公の経歴には単純に疑問。労基の職員って、そんな感じで中途でなれるもんなのかな。

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    2019年01月31日
  • ニューカルマ

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    新庄耕『ニューカルマ』集英社文庫。

    ねずみ講のようなネットワークビジネスの恐怖と狂気を描いた小説。新堂冬樹の作品のような泥々としたおどろしさやおぞましさは無く、物足りなさを感じた。

    主人公の大手企業の関連会社に勤務するユウキは会社のリストラ騒動の最中、同級生の紹介で、ネットワークビジネスに手を出す。最初は順調に思えた副業だったが、次第に……

    期待して読んだが、さもありなんという無難なストーリー展開と結末。

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    2019年01月24日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    大企業の過重労働を特別捜査する東京労働局「カトク」班の青年の奮闘ぶりを描く文庫書き下ろし小説。
    「ブラック企業」や「働き方改革」など、昨今は労働に関する事件や話題が増えている。長い間、労働組合では解決出来なかった労使間の意識改革が求められている。「死ぬほど働かなくてもいいんです」という当たり前の言葉が、異様に重く感じる。

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    2018年12月05日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    お仕事小説(闇)でおなじみの新庄耕の文庫書き下ろし最新作。
    「狭小邸宅」では住宅販売営業でブラック企業の環境に染まっていく姿を「ニューカルマ」ではネットワークビジネス(マルチ商法)の甘い罠から抜け出せぬ心の弱さを書いてきたが、今回は、労働基準監督官を主人公にした話。
    新庄節はそれぞれの章で触り程度に出てくるが、最終的には改心してしまうのが残念。
    新庄作品は「救いようのないラスト」でこそだと思うんですけどね。

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    2018年08月06日
  • 地面師たち

    匿名

    購入済み

    期待が大きすぎたのか、あまり面白くなかったです。
    登場人物の誰一人として共感できる人がいなかったせいなのか、緊迫した場面でもハラハラというよりは、イライラしました。

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    2024年10月28日