新庄耕のレビュー一覧

  • ニューカルマ

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    広告で良く目にするネットワークビジネス。
    自分がもし手を出してしまったら?を追体験させてくれるストーリーだった。

    ネットワークビジネスには夢がある。武器に出来る能力も無く、会社に不安を抱きつつ過ごす日々に、成功のための裏ワザを教えて教えてくれる。
    改めて巧妙で合理的な仕組みだと考えさせられた。それは深みに進んでしまうのも無理は無い。

    本作ではその裏側と待ち受けているであろう現実と、伴う心情の変化を歯軋りしてしまう程のリアリティを持って表現している。

    目の前の上手い話に乗っかるより、勉強して自分の武器を作り、今の仕事で実績を残して行くことこそが今の自分にとっては最も幸せになる方法かなと思っ

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    2023年01月12日
  • 狭小邸宅

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    不動産会社に就職している若者の青春小説。
    ストーリー前段に描かれている不動産会社での上司とのやりとりは、現実を想像させて心が苦しくなる程。家を売るのは非常に厳しいことがよくわかる。

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    2023年01月03日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    働くおじさん、おばさんの姿が、等身大に描かれている。仕事、なのか、理想、なのか、正義なのか、お金なのか、何を求めて足掻いているのだろうか。
    自分自身わからなくなることも多い。
    生活を成り立たせるためなのかな。僕は。

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    2022年11月30日
  • 狭小邸宅

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    都内で戸建住宅を売る営業マンのお話。
     前半は、営業スキルがなく猛烈な罵倒を受ける不遇な姿が描かれる。一方後半では、巡り合せが重なって夢見たエース営業マンにのし上がるも、仕事をこなす中で心のバランスが崩れ、幸せとは言い難い様子が描かれる。
     仕事は何のためにしているのだろうか?幸せになるにはどうしたら良かったのだろうか?と考えさせられました。
     文章はさっぱり淡々として読み易く、それでいて要所で迫力ある表現もあり、大変良かったです。 

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    2022年09月19日
  • ニューカルマ

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    マルチ商法をテーマにした本書。

    途中までは、これ系のよくある話。パッとしない独身男性が、マルチ商法の世界に出会い、運よく成功していくというもの。

    しかしある時からマルチが上手くいかなくなり、幼馴染に救われる、というのもありがちな展開。

    そこから再び、主人公はマルチにハマる(?!)。

    その企業名が「ニューカルマ」。最初のマルチとは異なり、社長の熱い想いと真摯な商品開発に、主人公は惹かれていく。

    しかし結局、ニューカルマも「偽物」だったことが発覚。

    商材が引き起こした健康被害に対して、強い自責の念を持つ主人公。それから、幕間に挟まれる、幼馴染との過去。その2つが交差するように物語が進ん

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    2022年06月28日
  • ニューカルマ

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    随分前、仕事の関係上でどうしても断れずア●ウェ●の講演会を聞きに行ったことがあります。
    講演自体はプラス思考をテーマにしたもので、私生活でも役に立つ素晴らしいもので、その後も特に勧誘されることもなく実害はありませんでした。
    宗教やネットワークビジネスには、様々な人間模様がありそうで小説のネタにピッタリかもしれませんね。
    西尾潤さんの「マルチの子」も読みました!

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    2022年05月09日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    最初は、ただただ労基署の仕事の一部を企業ごとのケースに沿って紹介してるようにしか思えず、途中から読むのを辞めようかと思った。ただ、その"途中"から主人公に関しての話、序盤に出てきた不動産会社についての話が再度出てきて…最後の最後で少し面白かった。

    読んでいてよかったと思う。
    ただ、ニューカルマのような生々しさはなかったように思う。おそらく、労基署という特殊に思われる仕事だからなのか。

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    2022年03月29日
  • ニューカルマ

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    ネタバレ

    これも一気に読んでしまった。闇、、、
    解説も面白かった。最後をハッピーエンドと見るか破滅の始まりとみるか。
    私は闇だと思うし、、、依存症のように見えた。

    主人公の妹との対比がすごかった。正当な道で自分の夢を目指した妹。をバカにしていてマルチにハマる兄。
    そこは気づいたんだけど、タケシとの対比については解説を読むまで気づかなかった。世の中をよくしたい、何か社会の役に立ちたいという同じ思いのはずなのにベクトルがずれるとマルチ布教に。
    そこでタケシと主人公の違いは、よく人を見ているかどうかというところではないかと思う。自分がよければいいというフィルターを通して見ていた主人公。親や他の人の状況を聞き

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    2022年03月26日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    新庄耕さんの本は揺れる主人公が本当に好き。これは珍しく最後に救いを感じられる小説だった。ドラマ化しそう。(もうしてる?)

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    2022年03月26日
  • 狭小邸宅

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    面白かったードラマみたいに一瞬で読めちゃった。

    これから建売戸建てを購入しようとしている人にぜひぜひ読んで欲しい本。

    某体育会系不動産の営業受けたことあるけど、まさにそれが本書に載っている手法でびっくり。最初に微妙なとこばっかり見せられるのは焦燥感を募らせるためなのね。そろそろたくさん見たのに完璧なところはないな、妥協するしかないかな、と思わせるのね。それで一番マシなものを最後に見せると。
    これ読んでたらあんな簡単に申し込みしてなかったな…(遠い目)

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    2022年03月26日
  • ニューカルマ

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    マルチ商法をテーマにした小説。

    かつて勧誘を受けたことがあり、マルチ商法について色々と調べる機会があったので、「ああ、確かに勧誘員の人はこんな感じだったな笑」と思い出したながら楽しく読めました。

    主人公にとってまだ救いがあるのは、人を騙したいとは決して思っておらず、何とか世の中のためになることをしたいと考えていること。
    最後の結末は、読む人にとって捉え方が変わるかもしれませんが、私は好きな終わり方でした。

    単純な一部構成ではなく、もう一展開入れてきたところは良かったです。

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    2020年01月12日
  • ニューカルマ

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    人生や社会を豊かにすると喧伝するネットワークビジネス。のめり込んだその先にあるのは、天国か地獄か。現代社会の闇を描く問題作。
    普通なら稼ぐことのできない収入と人脈が実現できるのが、このビジネスの魅力。現状に満足できない者や理想が高い者がはまってしまうのがよく分かる。でも、必ずといっていいほど、この手のビジネスの成功者が、海外旅行や豪華クルーズでパーティーとかで幸せを感じるのが理解できない。

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    2019年12月12日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    働く。。。ことを改めて考えた。
    自分の中で何が一番大切か?企業には利益が一番だろうが
    人には心がある。
    折り合いのつけ方が大切。
    でも洗脳してしまう企業体質は撲滅させてほしい

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    2018年12月24日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    2018.09.08読売書評。
    労基署の過重労働撲滅特別対策班の最年少監察官が、ブラック現場に直面。 主人公の苦い過去も明らかに。曖昧な決着といえるが、人殺しと過労自殺、過労死させた会社、並べて裁くことの難しさを感じる。

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    2018年09月12日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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     新庄耕らしい現代日本で実際にありそうな小説である。ブラック労働環境が主題だが、主人公は労働者ではなく、彼らの味方である監督当局の役人であるところが新しい。
     その役人の活躍というか仕事を、4編の物語を通して描いている。各編とも、物語の結末を最後まで書かずに終えており、その余韻は読者に任せるのも嫌いではない。
     でも、これらの小編を通して主人公が変わっていく様は、どこか既視感があり、もっと尖ったストーリーが欲しいと思った。ブラック労働ぶりにも負けないような、個性というかシナリオがないと、小説なのに現実に負けてしまう。
     まだまだ視点の独自性が他の追随を許さない作者なので、今後の作品のさらなる発

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    2018年09月02日
  • カトク 過重労働撲滅特別対策班

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    私の勝手な決め付けで思い込みですが、労基署へ駆け込む人は大雑把に分けて二通り、「つらすぎる思いをして、悩みに悩み抜いて相談しようと駆け込んだ人」と、「適当に働いていたら不愉快な待遇を受けたから、ダメモトでチクってやると駆け込んだ人」がいるのではないかと。

    本当に気にかけなければならないのは、誰にも相談できず、もちろん労基署に駆け込むこともできず、たったひとりで悩んでいる人。

    労基署のことも、本作に出てくるブラック企業に勤める側の社員同様、お役所だと決め付けていました。でも、どこの職場にもいろんな人がいるように、お役所仕事に徹する人もいれば、どっちがブラックだと思うほど働いて、どこにも声を上

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    2018年07月18日
  • 地面師たち アノニマス

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    ネトフリの地面師たちを観て、「続きがあるの!?気になる!!!」と即買った本です。ハリソン山中にもう一度会えたことは嬉しい一方、なんだか腑に落ちない気持ちで読み終えてしまいました。ネトフリの新作では本作と場面をがらりと変えるとのことなので、ifだと思って楽しみに待とうと思います。

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    2025年12月06日
  • 地面師たち アノニマス

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    100億円という前代未聞の不動産詐欺を成し遂げた彼らが地面師になるまでを描く、それぞれの前日譚――。

    こうやって地面師たちが出来上がったのかぁ〜ととても面白く読めた。
    ピエール瀧さんの対談も良かった。
    いつか、ぜひドラマを観てみたい!

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    2025年11月30日
  • 地面師たち アノニマス

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    あの不動産詐欺事件に関わったメンバーが、どのように“地面師”へと堕ちていったのか。
    その来歴を描くスピンオフ7編。どうも、ドラマ化された後に書かれた短編集らしい。

    巻末には、ピエール瀧×作者新庄耕の対談。
    瀧さんは、実写版で司法書士の“法律屋”役を演じたとのこと。悪役が似合う、確かに犯罪組織の中で静かに牙を隠すような人物像にはよくハマりますね。作者も「俳優さんのイメージをお借りした」と語っていて、ドラマ未視聴でも、その佇まいがイメージされます。

    そして短編に何度も顔を出す ハリソン山中。
    圧倒的な権力を手にした男だが、そこに至るまでの履歴書はまだ語られない。
    彼の過去でもう一作あるのかしら

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    2025年11月19日
  • 地面師たち ファイナル・ベッツ

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    「ファイナル・ベッツ」とは、最後に賭ける一手。
    失うもののない者たちが、それでもなお選び続ける違法な勝負。

    『地面師たち』の続編になります。
    それでも、私がこの小説の中で一番惹かれたのは、地面師の仲間に堕ちていく元サッカー選手が、そのギャンブルへの執着を描く場面。
    きっと、ギャンブルに依存していく人間が辿る経路なのだろう。
    誰も止めることができないその時の精神状態は、まさに鳥肌もの。
    タイトルも当然、ここからきている。

    そして、2024年7月刊行前の3月、日本はあの野球選手スタッフの違法賭博事件に揺らいでいた。
    なかなか強運な小説だと思う。
    現実と虚構が、わずかな時差で呼応。
    なかなかでき

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    2025年11月18日