高橋璃子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古典派経済学の父と言われ、個人の利益追求が社会の利益追求につながることがあると説いたアダム・スミス。利己的な「経済人」像の確立に大きな影響を与えたスミスは生涯独身で、食事をはじめ身の回りの世話は母親に頼っていた。でも、彼の経済学からは、主に女性が担ってきたケア労働のことがすっぽり抜け落ちているのでは?
作者はアダム・スミスの話をつかみに、経済学が長らく無視してきたケアの問題、カウントされない経済行為の問題に踏み込んでいく。ケアは無償で行うべきものだという誤った捉え方が、常に国家の富に貢献してきた女性の労働を、ひいてはその地位を貶めていると指摘する。
うまいタイトルだなと思う。このタイトルに -
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Posted by ブクログ
ミクロ経済学についてわかりやすく解説した本。
例えば分業体制をとると労働者は得意な仕事に、企業も地の利を生かした事業に集中できる。
圧倒的多数のアメリカ人は農作物を育てたこともなく、獣が利用したことも家畜を買ったこともないまた小麦粉からパンを作ったことさえない。またほとんどのアメリカ人は絶望的なまでに何の訓練も受けていなければ身の回りにある機械類のちょっとした修理でさえも、自分たちのコミュニティーの他のメンバーを呼ばなければならない。逆説的なことだが、アメリカが豊かになればなるほど、平均的な人々には何の助けもなく単独で生き延びる能力がないことがますます明らかになっていくのである。 -
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Posted by ブクログ
お金に不自由のない若者たちがセレブの家から服や宝石などを盗んだ事件。
場面や日付がコロコロと変わってしまうので事件や裁判の時系列は少し分かりにくいのですが、文章は(会話が多いこともあり)読みやすかったです。
若者の心理や社会情勢のことに対しても考察されていたのも良かったです。
犯人それぞれの証言やコメントには嘘っぽいものが多く、全てを正直に話していない印象があり、さらには彼らを弁護するはずの弁護士も依頼者を守るだけではない思惑がありそうな人でゲンナリするけれど、p390~のサリカ・キム検事の話す言葉は唯一まともな人に思えました。(著者以外で) -
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Posted by ブクログ
学部で学んだ以来に経済学を復習しようと思って読みました。経済学履修者にとっては、グラスを用いたモデル分析とかも全く出てこないし数式とかも殆ど出てこないので読んでて全くもって新しい・難しいということは無いと思います。ただ、より一般の社会生活にどのような影響があるかといった実用性のところに重きが置かれているので、読み直す分には価値があると思います。財政・金融政策、インフレとデフレ、経済成長、自由貿易などマクロ経済の主要テーマを幅広く扱っているので、ふと気になった時に該当するチャプターだけ読んでもいいかも。
ただ、例えが殆どアメリカ経済に関することなので、日本経済の現状とかも併せて知りたい人にはお -
Posted by ブクログ
アフターコロナの時代にはリモートワークも一般化すると散々言われたものだが、どうもそうはならなかった。少なくとも本邦においては、リモートワークはコロナ禍という特殊状況下での「やむを得ない施策」に過ぎなかった、という形で終わってしまいそうである。それは結局のところ、リモートワークを単に「会社に出社せず仕事をすること」と捉えてしまい、どうもデメリットも多いし NG だね、という結論になってしまった故ではないか。
リモートワークとは実際には何なのか。それは単純に「家から仕事をする」ことを意味するわけではないことが、この本を読むとよくわかる。重要なのは働き方のフレキシビリティである。そして、単に仕事場