稲泉連のレビュー一覧
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ネタバレキャリアについて考える年ごろなので
最近この手の本をよく読みます。
内容はちょうど自分とほぼ同級生が転職に至るまでを
数人の例をあげて書いています。
共通点は全員就職氷河期ってことです。
びっくりするぐらい転職に至る動機が共感できます
自分も含めてこの世代はバブル崩壊のリストラや
その後の就職活動で痛めつけらているので
組織をあまり信用していないなーっという感じがします。
それに伴う年功序列の歪みもかなりでてきているのでしょう。
転職を考えているようなひとはもちろん
今の学生にも就職で人生全ては決まらない
ってことを知ってほしいので読んでほしい本ですね。 -
Posted by ブクログ
Uプロローグで著者は、立花隆さんの名著「宇宙からの帰還」あげている。アポロ計画でミッション終了後の飛行士にインタビューした作品で、私も胸を躍らせて読んだ。本書は宇宙に行った日本人12人の飛行士の話。
今思えば、ただ仰ぎ見るだけだった月に人が立ったことは驚異的で夢のようなニュースだった。
帰還後のインタビューで、地球を宇宙から見る体験は、後に飛行士の心に衝撃を与え人生を変えることにもなったと書かれている。キリスト信仰の国の人たちは、その神秘体験を神と結び付けた人たちもいた。
日本の宇宙飛行士たちもそれを読み携行した人もいた。
宇宙飛行士の様子は映像化されて、「地球は青く美しく輝いている丸い惑星だということを」現実に見たり聞いたりできるようなった。今年の初めに「奇跡の星」という面白い番組もあった。
科学技術は飛躍的に進み、今、地上400キロの低軌道を宇宙ステーションが回っている。この建造物が90分で地球を一周する今、既に12人の日本人がそこで作業をし、初めて船外にも出ている。
日ソの国境を超えた飛行士の仕事ぶりも観た。初めてTBS特派員で、ソユーズに乗り組んだ秋山さんが船内からたびたびレポートする姿をテレビで見たことを覚えている。
飛行士たちが、宇宙の闇に中で青く輝く地球の美しさを異口同音に語る、そして窓から見える地球が移り変わる風景が鮮やかに見え、美しさだけでなく、人々が住んで息づいている生命体のように感じられるという。
それぞれの人が、飛行士に選ばれてからの長く厳しい訓練機関(5.6年から10年も)を経ている。
子供時代に宇宙に憧れ飛行士を志したことなども興味深い。
ロケット発射時の身体に感じる衝撃や、大気圏突入の経験も、訓練の成果を事務的に受け取める人もいる反面、多少の緊張や不安感も率直に語っていて、大きな仕事に向かう人たちの姿がそれぞれ異なることに人間的に感じられる(大気圏突入)
帰還後、重力のある地球に降りた時の身体の反応の不思議を知識で葉知っていたがもろに実感したこと、無重力に慣れた身体が、地上では思いがけない反応をすることなどの率直な感想が興味ぶかい。
カプセルから出た瞬間に感じる重力が地球に還ったことを感じるときで、向井千秋さんが、渡された名刺をズシッと重く感じたことや、無重力に慣れて、暫くは空中に踏みだしそうになったこと、方角が定まらなかったことなどのエピソードもある(どっちが上だと確認したり?)
方向感覚が定まらない時、船長が「手を出してみろ」と言って手を挙げて下がる方向が下だと判ったこと(重力への適応)。
医学者や航空のプロが話す言葉は、12人の人たちの空の時代を写して、その中に急速な科学の進歩が見える。
秋山さんから今準備中の野口さん、星出さんまで、時代が進むにつれて、宇宙ステーションの役目も変わり、それが、月や火星に向かっていること、夢でなく実現に向けて進んでいることを知る。
青い地球を見、底に生命をはぐくむ母なる大地を実感した人。大きな生命体として故郷を感じ、そこに帰ること、そこに家族がいることを深く実感した人。公害が人間の繁栄につれて地球を侵していることを目の当たりにした人(宇宙から見た地球)
宇宙飛行士は、人が心の動きを次第に客観視できる心境になるように、地球を宇宙の一つの惑星として眺める目をもって帰ったことが理解できた。船外活動で感じた孤独感についてもじかに見た宇宙は漆黒の闇が深かった(圧倒的な孤独)
金井、油井、大西という新世代と呼ばれる飛行士は「自分の人生や人間を変えるような深い経験だったのかちょっと疑わしくそんなことはないんじゃないかと思っているのが正直なところです」と語っている。情報になれ身近な飛行士たちの経験がある今、宇宙は身近になったということだろう(旧世代とのギャップ)
ただ多くの飛行士が見た地球上の人の進化や命の継承が、内なる深い心に生じさせた帰っていく大地に親しみを超えた深い懐かしさ(理屈抜きの感覚)は、やがて、科学の進歩に支えられながら、豊かな自然を載せて地球は回り続けてほしい。
毛利さんは、すべての現象は調和している、すべては連続した全体の一部であるという「感覚」で「ユニバソロジ」という呼ぶ概念を深めようとしている(すべては調和の元にある)
人間の増加と生命科学の急速な進歩について、興味は宇宙に広がるだけでなくあらゆる生物が有機的につながることで人間の存在も生きている。と語り、生命にとって大事なことは「生きている感覚を持つこと」だとする。
他に
(空から見た環境破壊と戦争)も教えられる
船外活動では
(何物にも縛られることのない宇宙)
(眼前は底のない闇)
を感じたことについて話している。
土井さんは
「宇宙の深淵を見た時の、無限にひろがる世界への喜びと畏怖がない交ぜになったあの混沌とした感情―――進化の過程で人類が、既に会見したことのあるものだったのかもしれないのですから」という。
人類は宇宙に行くべきかそう問い、「有人宇宙学」を進めて答えを出そうとしている。
若田さんは
空から、地上に科学の進歩を見た、それは地球の環境に大きな影響を与えて続けて活きていることに対しての責任を感じさせた。
「バックアップの住みかのない生命体は必ず滅びる」といったジョン・ヤングの言葉を思い出し、「宇宙船地球号のバックアップ。気候変動に対応し、地球環境をアクティブにコントロールして守る技術の確立こそが、化学技術を持っている生命体としての義務ではないか」
ことさらどうということもないかもしれないが、とても特殊な、一面未知の分野の開拓というような崇高な経験に思えるが、その受け止め方も個性的で、ビジネスの一巻と言い切る人もいて興味深かった。
本を読むことでもその姿勢は様々に興味深くそんな所と少しは似ているように思えて、話してみなければわからない心の動きに改めて不思議な思いがした、今更だけれど。。
またあとがきも含め著者が判りやすく的確な言葉で伝えてくれる本書はとても面白かった。
長くなるけど追記
書き忘れていた。
新年になって「奇跡の星」を見た。香川さんの愉快な「昆虫すごいぜ」も楽しみに待っていて見た。そしてふとこの本を手に取った。
地上にいては平面しか見ることができないという。高みからはわずかにカーブした地平線や水平線を見ることがしかできない。上空の航路の高さにも限りがある。
宇宙飛行士たちは、成層圏は薄くはかない姿をしていたという、それに守られた星を漆黒の闇から見て来た、この地球という惑星を。
宇宙ステーションからは、地球環境の変化(温暖化で変化する緑地帯、オゾン層に穴が開き、広がる砂漠)紛争地域の火薬の点滅する光まで見えたそうだ。
50億年、過去と未来、想像のできない進化を遂げ、いつか消滅する。地球は未来永劫存在するものではない。バックアップという言葉が重い。遠い宇宙へ移住するSF小説のように、いつか神秘を手のうちに取り込めるのだろうか。命が生み出されてからのその誕生の謎はどこまで解明されたのだろう。
文化文明の基礎になる学問が進み人類の脳も進化した。だが命の不思議をどこまで解明できたのだろうか。
虫や植物にさえ不思議や奇蹟が詰まっている。生まれること死ぬこと、限りある命を与えられた人類はそれを不条理といいつつ、「好奇心」というものを杖にする。いつか地球を離れて生き延びる方法を見つけることができるのだろうか。ゲノムプロジェクトはどこまで命の神秘を解明できているのだろう。理科学の素養のない頭には ??ばかりで。宇宙飛行士が子供時代空に憧れたように、宇宙という文字からは幼稚園児のように見るもの聞くものがすべて奇蹟に思える。 -
Posted by ブクログ
本書は「もの」としての本を作るための技術と、本の内容に関するソフト面の作業が半々くらいの割合で書かれている。
本を読むとき「書体」によって読みやすさの違いを感じることがある。
「紙」自体は、色・厚さ・手触り・光の反射など本の善し悪しを決める重要な要素だ。
活版印刷が前提の時代は、紙による印刷時のインクの滲みを考慮してフォントの太さを決めていたりしたそうだ。
紙作りも増版時に初版と同じ紙質と色を再現するのが当たり前のように行われている。
背の丸み具合にこだわったり、本は職人の匠の技で作られていたんだなぁ、ということがわかる。
三菱製紙中川工場のことが書かれていて、場所を調べてみたら跡地が東京理科大学葛飾キャンパスになっていた。
ソフト面では、校正・校閲の仕事の重要さが良く伝わって来た。
あと印象に残ったのは、日本でも売れそうな翻訳本の選び方、子供が夢中になる絵本の作り方。
絵本では子供が描くような絵の描き方を練習していたり、子供の本を大人が作ることの難しさが少し分かった。
1冊の本が自分の手元あるということは、実に多くの人達が仕事をしてくれたおかげだ。
「本」に限ったことじゃないけど、それぞれの仕事に携わった人々に感謝だな。 -
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ネタバレ・多くの人にとっては意味のない一冊の本でも、ある人にとっては宝石のように大きな価値を持つ。石巻のような地方の町では尚更、本はそのような存在だった。
・たとえ読むことはなくても、本棚を見ればいつもそこにあった愛着のある本だったのかもしれない。
・本は私たちに力を与え続けてくれています。目に見えて役に立つ、即効性と実用性の高いものだけではありません。心にそっと明かりを灯し、静かに寄り添い、ぎゅっと手を握り背中を押してくれる、そんな本とじっくり長くつきあっていくのもいいですよね。
本も店も流された人達が復興していく話。
本には不思議な力があるなとつくづく思い知らされた。これからも本屋さんを大切にしたい。
本の力、言葉の力は素晴らしい。 -
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日本人が初めて宇宙に行ったのは1990年。それ以降12人が宇宙に足を踏み入れた。
本書では12人へインタビューを行い自身の体験を語ってもらう。自分のような一般人がもつぼんやりとした宇宙観を持つしかないが、それが実際に経験した宇宙飛行士によって言語化されて伝わるのはありがたい。
個人的には毛利衛氏が作り出した「ユニバソロジ」という概念に興味を持った。これは人間中心の考え方から脱却し生命のつながりを意識するための概念。生命は挑戦→適応→多様化を繰り返すことで、生き延びてきた。人類が宇宙へ行くことも、そうした生命のつながりの先に起こっている出来事だと説く。
地球を外から見たことで得た各人の哲学は示唆に富む。 -
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タイトルにあるように、宇宙に行ったことのある日本人「全」員に対してインタビューを行われています。著者が影響を受けた、立花隆さんの「宇宙からの帰還」の現在版といえるもので、2017年~2019年の間にインタビューをされています。宇宙飛行士という職業に対しての想いなどについては、個々人それぞれの考え方があり、それは仕事というものに対する日本人それぞれの考え方と同じだなとも思いました。その日本人飛行士が、宇宙から地球を見たとき、一様に同じように、地球に対する感動というものを、やはり感じていたということ。この実際に宇宙に行った者にしか分からない感覚を、インタビューという形で知ることができるということ。知り得た気付きは、ありきたりなのですが、彼らの言葉だからこそ、その言葉の中でこそ、その重要さを感じることが出来ると思います。
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自分は宇宙に特に興味がなくて行きたいとも別に思わないので、宇宙飛行士の人たちってどういうこと考えているんだろうと思って読んでみた。一人ひとり順番に紹介していくのではなくテーマによって重なったりする構成なので個々の言わんとするところが知りたいという自分のニーズではちょっと読みにくかった。
一番最初に出てきたのが秋山豊寛さん。「日本人初、宇宙へ」の人だ。彼は宇宙飛行士というよりやはり記者であり、記者として宇宙へ行ったんだなと思った。だからその後の生き方もTBSを退社して農業に携わるなど、この本で証言している12人のなかで最も人生が変わったのではないだろうか。対して、ほかの11人は宇宙飛行士になろうと思ってなった人たちだから、ずっと宇宙やそれに関連した分野で活動し続けている。
とはいえ同じ宇宙飛行士でも、いってみれば当然のことだけど、世代差のようなものがあるのかなと感じた。本書でも油井亀美也(1970年生まれ)、大西拓哉(1975年生まれ)、金井宣茂(1976年生まれ)の3人は新世代としてくくって紹介しているんだけど、彼らは宇宙に行くのも出張の一つとかきわめて冷静にとらえようとしている感じ。確かに、月面着陸なんかをナマで見た世代と生まれてなかった世代とでは宇宙に対する世代的な価値観が違うというのもわかる気がするけれど、そこまで冷静なのも宇宙でのミッションを託す一般の身としては何だかつまらない。まあ、若さゆえの気負いの裏返しだとしたらそれはかわいいけど。
好感がもてたのはやっぱり素直に宇宙や外からみた地球に感動したという人たち。特に土井隆雄、若田光一、山崎直子といったあたりはいいなと思った。何がいいって、感動したことを糧に地球や宇宙開発が進むように意識して努めているところだろうか。ビジョンを描いたりダイナミックな将来像を構築するのってやっぱり感動や夢見る気持ちが大切なのかもと思った。 -
Posted by ブクログ
社会に出て就職することに対して多かれ少なかれ疑問をいだく8人の若者たちを取材し、彼らの内面にくすぶっている思いを明らかにした本です。
共感をおぼえることもけっしてすくなくはなかったのですが、このような「働くこと」を取り巻く問題について、それではどのように考えればよいのか、という問いに対して、本書はなにも答えてくれません。「働くこと」について著者自身がいだいている一定の主張を示すことが目的ではなく、むしろ「働くこと」についてのさまざまな人びとの意見を紹介するルポというべき内容なので、こうした不満は筋違いではあるのですが、こうした状況を個々人の内面へと還元してしまうことに対する違和感を拭うことができずにいます。 -
Posted by ブクログ
お金には、稼ぐ時より使う時にこそ、その人らしい個性が強く出る傾向がある。それを教えてくれる本である。人は教育や世間の影響を受けながらお金を使うが、この本は、自らの内なる声に従った使い方の達人を紹介している。
本書は、現代の富裕層だけでなく、実際の財産の大小に限らず、「お金の使い方に生き方が現れる」という考えに共感できる人であれば、誰にとってもおすすめだ。まわりに惑わされない生き方に興味ある人に向けた本である。
戦前の6名、梅屋庄吉、薩摩治郎八、大倉喜八郎、土倉庄三郎、山崎種二、御木本幸吉と戦後派の足立全康を足した7名のミニ評伝と出口氏の解説で各章にまとめてある。新書のページ数なので、簡易なダイジェスト版である。
それぞれに人物にキャッチコピーがついてあり、興味ある章から自由に読み進めることができる。例えば1章の梅屋の場合は、孫文のパトロンなので“革命プロデューサー”で、2章の薩摩の場合は“パリの蕩尽王”といった具合に。
梅屋の解説では、著者が従来から伝えているセッセージ「人、本、旅」につながる教育システムについて、梅屋の人生から学ぶべき点を言及している。[協調性が大事だという教育から、人はみんな違うという教育へ P41]
最終章の足立の解説では、足立の自伝の中での名言に対し、[こうした言葉を読んでいると、彼が自らの体験を常に言葉へと直し、その後の行動指針として教訓化してきたことが窺えます。 P203]と考察している。
本書は、ネット保険の創業会長を経て、大学学長に就任するなど、本業を別に持ちつつ、多数の著作をもつ出口治明氏が著者である。ただし本書は評伝は他の人に任せ、解説のみを出口氏が書いている。
正直、一人一人について知りたければ、巻末の参考文献を読んだ方がよい。本書では内容が薄すぎる。とはいえ、お金の稼ぎ方より使い方に焦点を当てた考察の視点は新鮮である。その目線は今後の社会で重要性は増すを思われる。