稲泉連のレビュー一覧
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ネタバレキャリアについて考える年ごろなので
最近この手の本をよく読みます。
内容はちょうど自分とほぼ同級生が転職に至るまでを
数人の例をあげて書いています。
共通点は全員就職氷河期ってことです。
びっくりするぐらい転職に至る動機が共感できます
自分も含めてこの世代はバブル崩壊のリストラや
その後の就職活動で痛めつけらているので
組織をあまり信用していないなーっという感じがします。
それに伴う年功序列の歪みもかなりでてきているのでしょう。
転職を考えているようなひとはもちろん
今の学生にも就職で人生全ては決まらない
ってことを知ってほしいので読んでほしい本ですね。 -
Posted by ブクログ
サーカスの中で子どもが育つということは、ある意味幸せなことでもあるし、ある意味、今の日本社会では限界があるとも言えると感じた。
肉親以外の多くの人に関わってもらえるということは、昔の日本社会をほうふつとさせ、社会や地域全体で子どもを育てていく、子どもにとってはのびのびと育つことのできるいい面がある。しかし、サーカスで2ヶ月ごとの引っ越し生活をしていると日本では子どもが転校を繰り返すことになってしまう。以前、テレビでみたサーカス団員を家族にもつ子どものドキュメントでは、けっこう子どももその状況を楽しんでいるように見えたけれど、やはり友達ができてもすぐにお別れしなくてはいけないというのはつらいのだ -
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本書は「もの」としての本を作るための技術と、本の内容に関するソフト面の作業が半々くらいの割合で書かれている。
本を読むとき「書体」によって読みやすさの違いを感じることがある。
「紙」自体は、色・厚さ・手触り・光の反射など本の善し悪しを決める重要な要素だ。
活版印刷が前提の時代は、紙による印刷時のインクの滲みを考慮してフォントの太さを決めていたりしたそうだ。
紙作りも増版時に初版と同じ紙質と色を再現するのが当たり前のように行われている。
背の丸み具合にこだわったり、本は職人の匠の技で作られていたんだなぁ、ということがわかる。
三菱製紙中川工場のことが書かれていて、場所を調べてみたら跡地が東 -
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著者がキグレサーカスで過ごした時のことを書いた本かと思っていたが、その部分はメインではなかった。彼がいたのは小学校入学前の一年間だけ。母の久田恵さんが本を出しているので、実家に資料もあっただろうが、それを掘り起こすのではなく、当時サーカスで働いていた人々と連絡を取って話を聞くというスタイルだった。
子どもには見えていなかったところを彼らの証言が伝えてくれるし、サーカス興行の栄枯盛衰も見えてくる。
大衆演劇もそうだろうが、サーカスで育つ子どもは、あちこちで公演するため、学校を何度も転校する。ある芸人は小中学校で160回も転校したと言う。
この本に出てくる元芸人たちは、子どもが小学校入学の時にサー -
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ネタバレ・多くの人にとっては意味のない一冊の本でも、ある人にとっては宝石のように大きな価値を持つ。石巻のような地方の町では尚更、本はそのような存在だった。
・たとえ読むことはなくても、本棚を見ればいつもそこにあった愛着のある本だったのかもしれない。
・本は私たちに力を与え続けてくれています。目に見えて役に立つ、即効性と実用性の高いものだけではありません。心にそっと明かりを灯し、静かに寄り添い、ぎゅっと手を握り背中を押してくれる、そんな本とじっくり長くつきあっていくのもいいですよね。
本も店も流された人達が復興していく話。
本には不思議な力があるなとつくづく思い知らされた。これからも本屋さんを大切 -
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日本人が初めて宇宙に行ったのは1990年。それ以降12人が宇宙に足を踏み入れた。
本書では12人へインタビューを行い自身の体験を語ってもらう。自分のような一般人がもつぼんやりとした宇宙観を持つしかないが、それが実際に経験した宇宙飛行士によって言語化されて伝わるのはありがたい。
個人的には毛利衛氏が作り出した「ユニバソロジ」という概念に興味を持った。これは人間中心の考え方から脱却し生命のつながりを意識するための概念。生命は挑戦→適応→多様化を繰り返すことで、生き延びてきた。人類が宇宙へ行くことも、そうした生命のつながりの先に起こっている出来事だと説く。
地球を外から見たことで得た各人の哲学は示唆 -
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タイトルにあるように、宇宙に行ったことのある日本人「全」員に対してインタビューを行われています。著者が影響を受けた、立花隆さんの「宇宙からの帰還」の現在版といえるもので、2017年~2019年の間にインタビューをされています。宇宙飛行士という職業に対しての想いなどについては、個々人それぞれの考え方があり、それは仕事というものに対する日本人それぞれの考え方と同じだなとも思いました。その日本人飛行士が、宇宙から地球を見たとき、一様に同じように、地球に対する感動というものを、やはり感じていたということ。この実際に宇宙に行った者にしか分からない感覚を、インタビューという形で知ることができるということ。
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自分は宇宙に特に興味がなくて行きたいとも別に思わないので、宇宙飛行士の人たちってどういうこと考えているんだろうと思って読んでみた。一人ひとり順番に紹介していくのではなくテーマによって重なったりする構成なので個々の言わんとするところが知りたいという自分のニーズではちょっと読みにくかった。
一番最初に出てきたのが秋山豊寛さん。「日本人初、宇宙へ」の人だ。彼は宇宙飛行士というよりやはり記者であり、記者として宇宙へ行ったんだなと思った。だからその後の生き方もTBSを退社して農業に携わるなど、この本で証言している12人のなかで最も人生が変わったのではないだろうか。対して、ほかの11人は宇宙飛行士になろう