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Posted by ブクログ
稲泉連『「本をつくる」という仕事』ちくま文庫。
本づくりのプロフェッショナルの舞台裏を描いたノンフィクション。稲泉連の作品を読むのは『命をつなげ 東日本大震災、大動脈復旧への戦い』『復興の書店』に次ぎ3作目。
まさか活字書体の開発から迫るとは全くの予想外だった。何で今の世に活字書体の開発なのだろう。読んでみると、紙の質の変化に対応し、インクのにじみ等を計算した上で書体に改良を加える必要があったという理由に驚いた。
1冊の本が出来るまでの長い道程。その道程に関わる多くの人びと。活字に加えて、製本や印刷、校閲、製紙、装丁。本をつくり出すプロセス全てを丹念に取材し、我々に本の持つ魅力を伝えてくれる面白いノンフィクションであった。
本体価格740円
★★★★★
Posted by ブクログ
「本を作る」と聞いて、著者や編集者、出版社ぐらいはすぐに思い浮かびますが、実際に”紙の本”が一つの商品として完成するには、多くのプロセスと、その作業に長じた専門家の存在があります。本書はそういう本づくりの裏方さんにスポットを当てたノンフィクションです。
本書は各章1工程ずつ、活字、製本、活版印刷、校閲、製紙、装幀、翻訳、最後に絵本、という内容に分かれています。いくつか、印象的だった部分を抜粋します。
活版印刷
鉛の活字を組んで活版を作って印刷していた時代、活字を拾う作業ではベテラン職人は原稿を「読まずに拾う」→詳しくは本書を読んでみてください。
校閲
校正と校閲の違い(本書によると、校正=ゲラ刷りが原稿通りかどうかのチェック、校閲=内容の事実確認や正誤・全体の矛盾などの洗い出し)、そしてこの作業こそが本が伝える情報の正確さを支えている、という事を再認識。ネット記事と本との情報の”重さ”、”正確さ”の差はここに宿っているんだ!と思いました。
製紙
ごく最近まで、印刷に適した書籍用の紙は酸性紙だったため、数十年で紙がボロボロになり、本の寿命を短くしていました。紙の寿命を延ばす中性紙の開発に携わった技術者の証言が描かれています。
こういう拘りの積み重ねの結果として、”紙の本”が出来るのだと分かると、読み終わった本も改めて眺めてみたくなります。
ちなみに活字については
「奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語」
製紙に関しては
「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」
という本が、それぞれの分野について、より詳しく扱っています。興味がある方は、これらの本も是非読んでみてください。
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