復興の書店

復興の書店

638円 (税込)

3pt

感動ドキュメント「書店員たちの3.11」

震災は、ただでさえ「街の本屋」が消えつつあった東北地方の書店関係者を悲観させた。岩手、宮城、福島の3県で被災した書店は391店。3県の書店数の約9割にあたる。
そんななか、仙台の一部の書店がいち早く営業を再開させたのは3月22日である。流通が止まり、商品は震災以前のものだった。
だが、そこで目にしたのは驚くべき光景だった――。開店前から長蛇の列が連なり、パズル誌、中古車情報誌、お礼状の書き方の本・・・・・・あらゆるジャンルの本が買い求められていた。
それは何も仙台の書店に限った風景ではない。苦難をのり超えて、開店した多くの店舗で、活字に飢えているとしか言いようのない人々の姿が目撃されている。本はただの「情報」ではない。人々にとって「生活必需品」だった。
本書では、大宅賞作家・稲泉連氏が、被災地における書店の「歩み」を記録することで、ネット注文や電子書籍が一般化しつつある昨今の出版界における、書店の「存在意義」そして、紙の書籍の「尊さ」を再発見していく。
文庫版(電子版)には、震災から3年半を経た東北の書店の「現実」を綴った補章と、本書にも登場する元書店員・佐藤純子さんの特別手記が収録されている。

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復興の書店 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年05月17日

    書店で働きたいと思った最初の日のこと思い出した。
    日々のルーティンに追われて大切なことをわすれていたことに気づかせてくれた。
    書店員には是非読んでほしい一冊

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    Posted by ブクログ 2019年05月01日

    本(書籍、紙、文字)の持つあたたかみを心底感じた作品、ルポルタージュ、ノンフィクションです。東日本大震災で被災した沢山の書店、苦難を乗り越えて営業を再開、開店前から長蛇の列、あらゆる種類の本が買い求められたそうです。街の書店が持っているある種の安らぎ、本自体が醸し出す癒し。本は、私たちにとって趣味の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年04月18日

    本や本屋がいらない、ネットで買えるという人もいるかもしれない。それでも私は本や本屋のない世界には生きていけない。漫画でも小説でも人が紡いできた言葉と心の中でひとり対話する時間が愛おしい。
    東日本大震災で本を求めた人達も販売に携わる人達も苦しい中で本の持つチカラに支えられている。本通して、震災が奪って...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年12月10日

    被災した時に必要な物は衣食住だろうと漠然と思っていましたが、書店が開店した時にあらゆる本を買い求める人々で行列ができたそうです。やはり人は食べて寝るだけでは満たされないんですね。書店は重要です。でも今はリアル書店は閉店閉店また閉店です。書店受難の時代だと思います。
    この本に出てくる書店や書店員さん達...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月22日

    これは「本屋の話であるけれど、本屋だけの話ではない」「被災地の話であるけれど、被災地だけの話ではない」と感じます。
    「自分が、何故そこに居るのか?」を本屋や被災地を通して問いかけてくれるお話し。
    未曾有の災害を被ったとき、最初に必要なのは確かに衣食住のインフラを再構築することでしょう。 でも、人はそ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年04月03日

    いまや本はネットで買える。電子書籍という選択肢もできた。なのに我々はなぜ本屋さんへ行きたくなるのだろう?そんな素朴で究極の疑問への答えが詰まっている。震災後、それぞれの想いを胸に各地で書店が再開。そのとき書店は被災者のコミュニティの場となり、希望の基点ともなった。災害のあとには奇妙な共同体が生まれる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月10日

    「紙つなげ!」の時と同様に「読んで良かった」と思い、やはり電子書籍ではなく紙の本だと心底思った。震災当時、水・食糧・衣類など必要なものは本当にたくさんあっただろうけど、その中に「日常に戻る」「ひと時だけ別世界に行ける」本はとても大きな存在だと思った。辛い現実から少しでも心を解放し少しでも不安で縮こま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年12月21日

    以前読んだ「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場」(以下「紙つなげ」)と、比べながらの感想。

    「紙つなげ」が、紙を中心とした、本にさまざまな立場で携わる人々の物語をつなげた「ストーリー」を構成しているのに対して、本書(「復興の書店」)は、末端の「書店」にフォーカスしており...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年11月26日

    被災した東北の書店を暖かなまなざしで回っていく。同じ体験について語っていくことの繰り返しだからなのか、語られる話は似通っている。だからなのか、それとも希望を見いだそうとしていることが痛々しく感じるからか、賽の河原で石を積んでいるような読書体験となった。希望を見いだそうとするのは彼なりの被災地への思い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月06日

    被災してほんの少ししか経たない間に、人々は本を必要と感じるとは意外でした。

    しかし「たった一人の世界に入って心を充電するためのツール」として本を求めたのではないかという文を読んで、そうか、なるほどと思いました。

    本が心を充電するためのツールだというのは、平時の自分にも当てはまることではないか。本...続きを読む

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