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大天幕の中に入ると、そこは夢の世界だった。--
舞台の上で繰り広げられる華やかなショー、旅を日常として生きる芸人たち。子供時代をサーカスで過ごした著者が、失われた〈サーカスの時代〉を描く、私的ノンフィクション。
あの場所は、どこへ行ったのか?
僕がそのときいた「サーカス」という一つの共同体は、華やかな芸と人々の色濃い生活が同居する場所、いわば夢と現が混ざり合ったあわいのある場所だった。(本文より)
幼いころ母とともにキグレサーカスで暮らした著者は、四十年近い歳月を経て、当時の芸人たちの物語を聞きにいく。
それは、かつて日本にあった貴重な場所の記録であり、今は失われた「故郷」と出会い直していくような経験だった。
気鋭のノンフィクション作家による注目作。
Posted by ブクログ 2023年07月21日
著者は幼時の一時期、母とともに実際にサーカスで生活していた経験から、大人になった今、当時の団員にインタビューをする。
サーカスの「中の人」の生の声が興味深い。
自分の意志でサーカスに入った人、生まれた時からサーカスで育った人、どちらもサーカスでの生活のいいところ、そうではないところを考えながら生きて...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月19日
いい読書でした。
シングルマザーと小学生手前の「筆者」が
たった1年、寝食を共にしただけのキグレサーカス。
既に廃業して、その場所はない。
35年後に当時の芸人たちを訪ねていく。「れんれん」「懐かしいね」と当時のままの呼びかけで覚えてくれている当時の大人たち。サーカスの結びつき、なんかすごい。
「...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月13日
とても良かった。
奇をてらうものがなく、淡々とわかりやすい言葉で見事に胸に迫ってくる。
著者の並々ならぬ筆力に感心した。
新聞記事で著者へのインタビューを読み、興味を持った本だった。
79年生の著者が80年代のはじめ、ほんの一年だけ、サーカスの下働きをした母とともにサーカスで暮らした体験をもとに、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月17日
日本全国を興行して回っていたサーカス団。幼い頃母子家庭で一時期サーカスに同行していた作家が、サーカス団の知人を訪ね過去を再現した作品。出会いと別れ、人生の一幕に触れた感動作。
漂泊民にも似たサーカス団の家族。来る者拒まず、去るもの追わず。出入りの激しい中で独自の疑似家族的な文化。
今では絶滅した...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月28日
雑多な経歴や過去をもつ人達が体験した貴重で煌びやかなサーカスでの生活の記録。その合間に挟まれた、「記憶の断片から」の作者の幼少期の一年間のサーカスで日々の物語がとても面白かった。
サーカスという言葉が連想させる、じめっとしてわい雑で退廃的で妖しげな空気感。「最後のサーカスの子」というパワーワード。。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月18日
常に気になっている存在の
一つが「サーカス」である。
あの「ぼくもいくさに征くのだけれどー竹内浩三の詩と死」を書かれた稲泉連さんが書かれている。もうそれだけで 読んでみよう! ではあるのだけれど、
わずか一年とは言え、連少年が生い立ちの一時期に「サーカス」の場にいたからこそ、生まれた一冊。
「...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月11日
著者がキグレサーカスで過ごした時のことを書いた本かと思っていたが、その部分はメインではなかった。彼がいたのは小学校入学前の一年間だけ。母の久田恵さんが本を出しているので、実家に資料もあっただろうが、それを掘り起こすのではなく、当時サーカスで働いていた人々と連絡を取って話を聞くというスタイルだった。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月20日
作者が2010年に廃業したキグレサーカスで過ごした幼年期一年で出会ったサーカス団員とキグレサーカスを回顧するノンフィクション。
1980年前後の古き良きサーカスでの日々と負の面を書き綴った。保証の無い芸事を仕事にするいわゆる芸能界と似たりよってる、今の時代なら何かしら「資格」は取得しといた方が良い...続きを読む
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