稲泉連のレビュー一覧

  • サーカスの子
    雑多な経歴や過去をもつ人達が体験した貴重で煌びやかなサーカスでの生活の記録。その合間に挟まれた、「記憶の断片から」の作者の幼少期の一年間のサーカスで日々の物語がとても面白かった。
    サーカスという言葉が連想させる、じめっとしてわい雑で退廃的で妖しげな空気感。「最後のサーカスの子」というパワーワード。。...続きを読む
  • 復興の書店
    これは「本屋の話であるけれど、本屋だけの話ではない」「被災地の話であるけれど、被災地だけの話ではない」と感じます。
    「自分が、何故そこに居るのか?」を本屋や被災地を通して問いかけてくれるお話し。
    未曾有の災害を被ったとき、最初に必要なのは確かに衣食住のインフラを再構築することでしょう。 でも、人はそ...続きを読む
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)
    島根にある世界的に有名な足立美術館。先日思い立って行きました。その美術館の中にあるショップで見かけて購入しました。出口先生の本は今まで数冊読んできましたがこの本は知りませんでした。はしがきに記載ありますが、出口先生が大学に学長になられて後に島根を訪問されて、神社訪問のあとふとこの足立美術館まで足を運...続きを読む
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)
    何となく聞いたことはある名前ですけど詳しく知らない人ばかりでした。皆さん、スケールご大きくてエネルギッシュ。他方、大金持ちになるけど、学校とか美術館とか「公」に惜しげもなく投資されてますよね。ノブレス・オブリージュ。そういう気風、今、日本に求められている気がします。
  • サーカスの子
    常に気になっている存在の
    一つが「サーカス」である。

    あの「ぼくもいくさに征くのだけれどー竹内浩三の詩と死」を書かれた稲泉連さんが書かれている。もうそれだけで 読んでみよう! ではあるのだけれど、
     わずか一年とは言え、連少年が生い立ちの一時期に「サーカス」の場にいたからこそ、生まれた一冊。
     「...続きを読む
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)
    本と旅の人、出口さんならではの本。軽く読める一方で、「今の日本で生きてる私の価値観」が普遍ではないという当たり前のことに気付かされる。
    私は、別の時代、別の地域に生きてれば、確実に今とは違う価値観を正と思って生きてるはず。「自分が正しい」と思うことの視野の狭さを感じさせられた。
    国の違いは旅で、時代...続きを読む
  • 「本をつくる」という仕事
    製紙、印刷、装丁、活字…一冊の本を作るのに、こんなにも多くの人がかかわり、そしてそのひとりひとりの情熱やこだわりが交差しているのだと実感させられ、目の前にある本が今まで以上に尊いものだと感じられた。すべての章が興味深く、今すぐにでも本屋に行って一冊一冊本を手に取って眺めてみたいと思った。紙の本が永遠...続きを読む
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言
    宇宙へ行って人生観が変わった人も変わらなかった人もいる。
    自分の夢を叶えに行った人もいれば、地球からの"出張"として、普段の仕事の延長で宇宙へ行った人もいる。
    地球は大きかったと言う人と、小さかったと言う人がいる。
    未知の場所へ行くという同じ体験をしても、当たり前だが誰一人として同じ感じ方をしていな...続きを読む
  • 「本をつくる」という仕事
    生涯80年だとして、年間100冊読んでも8,000冊しか読めない。厳選された8,000冊、全てに書体・装丁・製本などの工程がある。

    この本を読むと1冊1冊の重みを感じる。読み心地、ページを捲る感覚、ジャケット。どれも拘り抜いたプロフェッショナルの塊。それを無意識的に感じ取り、本屋で手に取っているん...続きを読む
  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―
     「現場」の人々のことは、よく伝わってくる。
     しかし、「責任」を本来取るべき人達の言葉は、どこにあるんだ?
     
  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―
    廃炉という作業は、この先何年も続いていく。だが、どこか他人事で、時間と共にみんなの記憶から薄れていっている事を感じる。

    本書を通じて、あの原発事故から今日まで、どのようなら作業がどんな人達の手によって行われてきたのかの一部を知ることが出来た。
    今後もこの原発事故に興味を持ち続け、何がなされているの...続きを読む
  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―
    廃炉の「炉」は、原子炉。福島第一原発の4基の原子炉の、主に解体(と単純には言えないが)プロジェクトに関わる数千人の中から数人にインタビューした物がベース。
    恥ずかしながら、未だに廃炉作業中であると言う、言われてみれば当然の事実を改めて認識。巨大震災と原子炉事故の組み合わせは世界に例がない。資源も土地...続きを読む
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言
    宇宙から帰ってきた日本人
    日本人宇宙飛行士全12人の証言

    著者:稲泉 連
    発行:2019.11.15
    文芸春秋

    年の締めくくりにとても面白い本が読めた。

    宇宙へ行った日本人12人のうち、何人思い浮かぶか?
    TBSの秋山さんと最初に選ばれた3人(毛利、向井(内藤)、土井)は別として、あとは、若田...続きを読む
  • 「本をつくる」という仕事
    こういう、地味かつ地道な仕事をきちんとこなしていく人生はいいな。
    でもそれらが、職業として成り立たなくなっていく現実。
    電子書籍だけの問題じゃなく、紙の本は残っても、消えていくものがあるんだな。
  • 「本をつくる」という仕事
     本好き、特に「もの」としての「本」好きにとっては、本書各章に取り上げられている本に関わる仕事に、またそれに携わる人たちに、感謝や崇敬の念を覚えるのではないだろうか。 

     本書では、一冊の本ができるまでに、その舞台裏を支えている活字書体、製本、活版印刷、校閲、紙製造、装幀、エージェントといった仕事...続きを読む
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

    面白いが・・・

    日本人宇宙飛行士がもう既に12人もいることをこれを読んで知りました。日本人宇宙飛行士に会って話を聞きたくなりました。ただ、若い時に読んだ立花隆著『宇宙からの帰還』のインパクトがあまりにも大きく、星4つです。
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言
    『タネの未来』を読んだとき、著者の小林さんが次の氷河期を考えて行動していることがすごいと思ったが、若田さんは地球がなくなった後のことを考えている。凄すぎる。50億年後だよ!?私は、私の孫(まだいないが)くらいの先までの地球しか考えたことがないよ。
    正直言って宇宙開発なんて、科学技術を試したいだけじゃ...続きを読む
  • 僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由
    8人の若者の「今」のルポルタージュ、
    今から18年前に単行本が出たのであるが
    この実態は 今でも十二分に
    そのままであるように 思える

    ここに 登場した
    その若者たちも 今や40を超えた
    いわゆるアラフォー世代になっているはず

    どうなんだろう?
    巷にあふれている
    いろいろな 困り感を抱いてい...続きを読む
  • こんな家に住んできた 17人の越境者たち
    この家があったから
    こんな人生になってきた
    というよりも
    こんな人生を送ってきたから
    この家は
    こんな意味があったのだ
    に読み取れました

    どの「人」にも
    いえることだけれど
    「逆境」とか「マイナス」を
    きちんととらえて
    それを「好機」、「チャンス」に
    変えてしまう
    その着想、エネルギーに圧倒され...続きを読む
  • 仕事漂流 就職氷河期世代の「働き方」
    77年から81年生まれの8人の転職経験者の仕事観が語られる。著者は4年間くらいのスパンで彼らに複数回の追跡取材をしている。さらっとした文体のルポだが、それなりに元手はかかっている。

    同時代の空気を映し出していると思う。私自身は彼らより半回りくらい年長だが、まさに自分のこととして読める。先の見えない...続きを読む