稲泉連のレビュー一覧

  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―

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     「現場」の人々のことは、よく伝わってくる。
     しかし、「責任」を本来取るべき人達の言葉は、どこにあるんだ?
     

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    2021年09月10日
  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―

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    廃炉という作業は、この先何年も続いていく。だが、どこか他人事で、時間と共にみんなの記憶から薄れていっている事を感じる。

    本書を通じて、あの原発事故から今日まで、どのようなら作業がどんな人達の手によって行われてきたのかの一部を知ることが出来た。
    今後もこの原発事故に興味を持ち続け、何がなされているのかを意識して生きていくことが、当事者である東電の責任意識にもつながるのではないだろうかと感じた一冊だった。

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    2021年08月09日
  • 廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―

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    廃炉の「炉」は、原子炉。福島第一原発の4基の原子炉の、主に解体(と単純には言えないが)プロジェクトに関わる数千人の中から数人にインタビューした物がベース。
    恥ずかしながら、未だに廃炉作業中であると言う、言われてみれば当然の事実を改めて認識。巨大震災と原子炉事故の組み合わせは世界に例がない。資源も土地も少ない日本では、チェルノブイリのようには行かない…
    最新の技術と知恵でトライ&エラーを繰り返す。加害者企業の人間となる事を分かった上で入社を希望する学生や中途採用者。大災害ではあるが、それに尽力する事で自己の存在価値を見いだせるようになる者……
    興味深く読みました。

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    2021年06月01日
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

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    ネタバレ

    宇宙から帰ってきた日本人
    日本人宇宙飛行士全12人の証言

    著者:稲泉 連
    発行:2019.11.15
    文芸春秋

    年の締めくくりにとても面白い本が読めた。

    宇宙へ行った日本人12人のうち、何人思い浮かぶか?
    TBSの秋山さんと最初に選ばれた3人(毛利、向井(内藤)、土井)は別として、あとは、若田光一、山崎直子、野口聡一の各氏あたりだろうか。古川聡さんも思い出せるが、僕の場合、他は顔も名前も記憶にあるかないかだった。この中では、日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)コマンダーを務めた若田光一氏が最も実績があるけど、実は2020年、野口氏と星出彰彦氏がISSに長期滞在する。両者とも3度目で、

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    2021年03月29日
  • 「本をつくる」という仕事

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    何気に手に取っていた「本」

    その「本」が出来上がるまでに、さまざまなプロの手が加わっていることを実感しました

    製本、文字、活版印刷、紙、校閲、装幀、出版エージェント、作家

    取り上げられたプロフェッショナルな方々、本が出来上がるまで、皆さん緻密に、納得いくまで、とことん追求するその姿勢に感動です

    著書もおっしゃってましたが、まさに「本」はひとつの工業製品です

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    2021年03月25日
  • 「本をつくる」という仕事

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    こういう、地味かつ地道な仕事をきちんとこなしていく人生はいいな。
    でもそれらが、職業として成り立たなくなっていく現実。
    電子書籍だけの問題じゃなく、紙の本は残っても、消えていくものがあるんだな。

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    2020年11月23日
  • 「本をつくる」という仕事

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     本好き、特に「もの」としての「本」好きにとっては、本書各章に取り上げられている本に関わる仕事に、またそれに携わる人たちに、感謝や崇敬の念を覚えるのではないだろうか。 

     本書では、一冊の本ができるまでに、その舞台裏を支えている活字書体、製本、活版印刷、校閲、紙製造、装幀、エージェントといった仕事を各章で紹介し、その仕事に従事している人たちの思いを丁寧に紹介していく。
     私たちが当たり前のように本を読んでいるのには、これらの仕事と、それに従事する人々のプロフェショナルの矜持があってこそと、思いを新たにした。
     

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    2020年11月15日
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

    H

    購入済み

    面白いが・・・

    日本人宇宙飛行士がもう既に12人もいることをこれを読んで知りました。日本人宇宙飛行士に会って話を聞きたくなりました。ただ、若い時に読んだ立花隆著『宇宙からの帰還』のインパクトがあまりにも大きく、星4つです。

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    2020年03月28日
  • 宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

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    『タネの未来』を読んだとき、著者の小林さんが次の氷河期を考えて行動していることがすごいと思ったが、若田さんは地球がなくなった後のことを考えている。凄すぎる。50億年後だよ!?私は、私の孫(まだいないが)くらいの先までの地球しか考えたことがないよ。
    正直言って宇宙開発なんて、科学技術を試したいだけじゃないの?月とかに資源が眠っているかもしれないから、それを早い者勝ちで押さえようとアメリカとロシアが鎬を削ってるんでしょ?イーロン・マスクとかベゾスが出てくるところからして金が絡んでない訳が無い、くらいのことしか考えていなかったのだが、宇宙飛行士は皆さん子どもの頃から宇宙に憧れ、健康な身体と落ち着いた

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    2020年02月19日
  • 僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由

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    8人の若者の「今」のルポルタージュ、
    今から18年前に単行本が出たのであるが
    この実態は 今でも十二分に
    そのままであるように 思える

    ここに 登場した
    その若者たちも 今や40を超えた
    いわゆるアラフォー世代になっているはず

    どうなんだろう?
    巷にあふれている
    いろいろな 困り感を抱いている
    人たちの実態を 見聞きする限り
    あまり 楽観的に考えられない

    もし 可能ならば
    ここに登場している8人の
    18年経った「今」を
    読んでみたい

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    2019年07月14日
  • こんな家に住んできた 17人の越境者たち

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    この家があったから
    こんな人生になってきた
    というよりも
    こんな人生を送ってきたから
    この家は
    こんな意味があったのだ
    に読み取れました

    どの「人」にも
    いえることだけれど
    「逆境」とか「マイナス」を
    きちんととらえて
    それを「好機」、「チャンス」に
    変えてしまう
    その着想、エネルギーに圧倒されてしまう

    稲泉さんの
    聞き取り方が素晴らしい

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    2019年03月18日
  • 仕事漂流 就職氷河期世代の「働き方」

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    77年から81年生まれの8人の転職経験者の仕事観が語られる。著者は4年間くらいのスパンで彼らに複数回の追跡取材をしている。さらっとした文体のルポだが、それなりに元手はかかっている。

    同時代の空気を映し出していると思う。私自身は彼らより半回りくらい年長だが、まさに自分のこととして読める。先の見えない下積みへの苛立ち、自分の社会での価値に対する不安、実際の仕事の手触りから得られる満足。

    こうしてもがく人がいる一方で、最近の草食化は時代の変化なのか、それとも2極化の両極なのか。(おじさんは、このあたりけっこうステレオタイプに見ています)

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    2018年11月05日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    2018064

    戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。

    美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。

    もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。

    みんな地方から日本

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    2018年06月27日
  • 復興の書店

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    いまや本はネットで買える。電子書籍という選択肢もできた。なのに我々はなぜ本屋さんへ行きたくなるのだろう?そんな素朴で究極の疑問への答えが詰まっている。震災後、それぞれの想いを胸に各地で書店が再開。そのとき書店は被災者のコミュニティの場となり、希望の基点ともなった。災害のあとには奇妙な共同体が生まれるとよく言われるが、それとは違う。なぜなら、街の本屋さんは懐かしき場所であり、活気の象徴でもあるからだ。普段、何気についで寄りしているつもりでも、実は自分の中で心の拠り所にしているのかもしれない。

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    2016年04月03日
  • 仕事漂流 就職氷河期世代の「働き方」

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    就職氷河期というのはいつだったか、
    いまやアベノミクスの好景気ということもあり、
    明らかに新卒採用の人数は違うようだ。

    そんななかで就職活動を経験して数年を経た人たちが、
    それぞれに悩みを抱え、それぞれに新たな道を選んだりする様が描かれる。

    その中身は個別具体的で生々しい。
    同じ悩みを抱える人たちには共感を呼ぶと思う。

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    2015年09月29日
  • 復興の書店

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    「紙つなげ!」の時と同様に「読んで良かった」と思い、やはり電子書籍ではなく紙の本だと心底思った。震災当時、水・食糧・衣類など必要なものは本当にたくさんあっただろうけど、その中に「日常に戻る」「ひと時だけ別世界に行ける」本はとても大きな存在だと思った。辛い現実から少しでも心を解放し少しでも不安で縮こまった心に暖かい隙間を作ることができる本はとても素晴らしいと思った。本屋さんの現状は厳しくけわしいものだと思うけど、やはり身近な地域に本屋がある世界は素敵だと思うので、なんとか踏ん張って欲しいと思った。最後の書店員さんの手記がとてもよかった。

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    2015年03月10日
  • 命をつなげ―東日本大震災、大動脈復旧への戦い―

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    ネタバレ

    3.11、壊滅的な打撃を受けた国道。救助物資を運ぶには、救援の人員を送り込むには、道路の復旧は不可欠… だということを、この本を読むまでは全く思い当たらず。

    道路工事というと、公共事業などで無駄に税金が投入されているネガティブなイメージしかありませんでした。しかし被災後、普段道路を保守している人たちが自らの責任のもと、自ずと道路の補修工事を行っていたという話には胸を打たれました。

    そして少なからずあの土地に関わったことがある身としては、彼らのそうした行為があったからこそ、ボランティアとしてあの地で活動できたんだと思うと、感謝の念に堪えません。

    一国民としては、当たり前のように使用している

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    2015年01月03日
  • 復興の書店

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    以前読んだ「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場」(以下「紙つなげ」)と、比べながらの感想。

    「紙つなげ」が、紙を中心とした、本にさまざまな立場で携わる人々の物語をつなげた「ストーリー」を構成しているのに対して、本書(「復興の書店」)は、末端の「書店」にフォーカスしており、独立したエピソードはほとんどリンクしていない。「復興の書店」は雑誌連載という背景もあるのだけれど、どちらか一冊を、ということであれば、「紙つなげ」の方が、(物語の登場人物の努力の集大成を、実際に「本」という形で手にできる、という点まで含め)完成度は高い。

    ただ、「復興の書店」がフォーカスしている

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    2014年12月21日
  • 復興の書店

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    被災した東北の書店を暖かなまなざしで回っていく。同じ体験について語っていくことの繰り返しだからなのか、語られる話は似通っている。だからなのか、それとも希望を見いだそうとしていることが痛々しく感じるからか、賽の河原で石を積んでいるような読書体験となった。希望を見いだそうとするのは彼なりの被災地への思い入れからなのかもしれないが、読んでいてノンフィクションというジャンルの限界を感じたのも事実。非取材者を傷つけないために、筆を押さえた部分があるような気がしてならない。もしくは書店員が口を割らなかったのかはわからないが、話しぶりが痛々しいし、深さもあまり感じない。これをもとに小説として書いた方が作品と

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    2014年11月26日
  • ドキュメント 豪雨災害 そのとき人は何を見るか

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    ○2011年の紀伊半島豪雨災害について、その関係者等の話しをまとめたドキュメント作品。
    ○本書中にもあるように、当時は、東日本大震災のあった年であり、印象は強く残っていなかったのだが、本書を読んで、むしろ強烈なインパクトを受けた。
    ○十津川村の歴史など、山と暮らす文化についても、興味深かった。
    ○本書の最後に、首都圏等における水害の予測・危機についても触れているが、最近の気象状況を見ていると、まさに人ごとではない問題と感じた。

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    2014年09月11日