高星麻子のレビュー一覧

  • 伯爵と妖精 愛の輝石を忘れないで

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    プリンスの組織からリディアを護るため、そして二人の将来のため、決死の覚悟とともにリディアと離ればなれになることにしたエドガー。アーミンとともに組織に入り込み、プリンスになったふりをするのだが・・・。一方、リディアはフランシスや仲間たちとともに妖精国に向かう船に乗り込むのだが、船にはプリンスの部下・テランの策略で、女妖鬼であるブーヴァンシーが紛れ込んでいた。危険すぎる罠に気づかず、信じる気持ちを失いかける仲間たち。リディアは皆を率いる者として必死に立ち向かおうとする。永遠不滅の二人の愛で奇跡が起こる。

    いよいよ妖精国、プリンスの記憶絡みで核心に迫ってきたなあという感じ。離れ離れのエドガーとリデ

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    2010年12月10日
  • 伯爵と妖精 愛の輝石を忘れないで

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     いざ妖精国に向けて旅立つ段になってもバタバタと忙しない伯爵家御一行。まだまだ先は長そうです。…もうそろそろ、全部まとめて明らかになってもいいんじゃないかな(笑)
     ニコとレイヴンの友情も深まりつつ、アーミンとケルピーもなんだかちょっとずつ距離が近くなっているようで何よりです。伯爵夫妻は相変わらず砂吐きそうです。適度な距離感って大切ですよね!

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    2010年12月07日
  • 伯爵と妖精 永久の想いを旋律にのせて

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    “「そうね」
    ロタに同意し、リディアは少年に手を差し出した。そんなリディアに、彼は首を横に振る。
    (でも、仕事がおわらないと帰れない)
    「仕事?」
    (女の人をたべるんだ)
    わけがわからなくて、ロタやポールと顔を見合わせたが。
    (きみどりの目の、さび色の髪の)
    ぞくりとした。
    視線をあげた少年の、長い前髪がゆれ、その隙間から瞳が覗く。
    あきらかに人間ではなかった。額の真ん中に、大きな一つ目があったのだ。
    (ねえ、カイブツって何?ぼくがカイブツ?)
    異形の瞳でリディアを見つめる少年の、皮膚がどろりと溶け出した。むき出しの肉や血管があらわになった手で、彼はリディアが差し出した手をつかもうとのばす。

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    2010年11月28日
  • 花嫁いりませんか?

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    二人とも大人で、シリーズの中ではモラル的に抵抗が無い。
    現実的じゃ無い環境も、シリーズの背景設定だと思えば楽しめる。
    できれば、攻めが「できる男になれそう」表現がもっと説得力ある形だったらよかった。イマイチ伝わってこない。

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    2010年11月25日
  • 花嫁いりませんか?

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    恋愛要素的にはちょっと物足りないけど、ストーリーはとても楽しめました♪シリーズの中で一番カップルもストーリーも満足した感じです。前作の聡一が出てくる辺りが良かったですね。彼の本当の姿も理解出来て前作の補足的な感じもしますが、とても面白かったです。

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    2010年11月18日
  • 全寮制櫻林館学院 ~ゴシック~

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    あまりにもテンプレすぎないか…と思ったのだけど、中盤は萌えました
    でも、ちょっと受けが意識を失いすぎなのが気になった
    ラストの盛り上がりも今一つに感じた
    攻めと受けのスペック・背景なんかのキャラ設定は良かったんだけどなぁ
    この材料ならもっと萌える展開にできたんじゃなかろうか

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    2010年11月17日
  • 飼い主はなつかない【SS付き電子限定版】

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    人の周りに色が見える…という設定が面白かった。
    親密度により色が溶け合うというのもとても素敵な表現。
    想像すると、とても綺麗で孤独な世界です。

    表紙絵に惹かれて購入したのですが、淡々とした語り口が好みでした。
    思った事を口に出す素直な性格って、最初は負の方向から書かれていますが、一旦好意を抱いた相手にはそれを真っ直ぐに向けるという事ですよね。
    後半のバカップルぶりは非常に微笑ましかったです。
    純愛でしょうか。

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    2010年10月01日
  • 世界が終わるまできみと

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    きれいな文章なのでお伽噺のように楽しめるのですが、後半の家のこととか年齢のこととか、冷静に考えると話として甘いよな…と(苦笑) いえ、現実を忘れて堪能すればいいのですが…汚れた大人になった自分がちょっと悲しい(遠い目)

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    2010年09月22日
  • 伯爵と妖精 愛しき人へ十二夜の祈りを

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    “「膝掛け、編んでほしいな」
    じゃれつくように耳元でささやく彼は、熱い瞳でリディアを見つめる。男の人はもっとそっけないものだと想像していたリディアにとって、こういう日々も予想外のことだった。
    「えっと、ケリーに聞いたの?」
    「うん、ふたりで使えるくらい大きいのがいい」
    なるほど、仕事に忠実なレイヴンが、部屋をあたために来ないのは、ケリーが忠告したからに違いない。
    ケリーは気づいていないかもしれないが、レイヴンはケリーの仕事を認めている。
    「そう、ね。いいわね」
    周囲のみんなにも助けられて、リディアの日々の幸せはある。そう実感しながらリディアは微笑んだ。”

    エドガーの幼いころの話とか入った短編

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    2010年09月18日
  • 伯爵と妖精 白い翼を継ぐ絆

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    “「大丈夫です、あたしは奥さまの味方ですから」
    ハンカチをリディアの手に握らせる。ようやくリディアは自分の涙に気づきながら、子供みたいにすすり泣いた。
    「どうしよう……あたし……」
    「奥さまは悪くありません」
    「彼を責めるつもりじゃ……なくて……」
    リディアをあやすケリーのおさげに、涙が染みこんでしまうから、泣きやもうとするけれど、なかなか止められない。
    「旦那さまは、きっとすぐにあやまってきます。いつもそうじゃないですか」
    でも、今度もそうだとは限らない。
    そう思ったとき、ガチャリとドアが開いた。
    「リディア、ごめん」
    エドガーがそう言った。
    「早っ……」
    ケリーのつっこみに同感するよりも、

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    2010年09月12日
  • 伯爵と妖精 月なき夜は鏡の国でつかまえて

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    “「エドガーさまは、どんなにつらい状況でも前向きに楽しみを見出す方なのです」
    一見格好のいい言い方だが、伯爵の場合、天然のタラシだというだけではないか。
    「とにかく、このままじゃだめだって。伯爵家のためにもならない。あんただってそう思うだろ?」
    「はい。エドガーさまに手をあげることができるのはリディアさんだけです」
    またリディアはやったのか。と思うニコは、エドガーが従順な妻を歓迎するのも無理ないかもしれないと少しだけ同情した。
    「リディアさんの平手だけが、エドガーさまをプリンスから守ってくれそうな気がするのです」
    なるほど。と笑いながらニコは、そうだったらいいと願う。
    「だったら伯爵は、リディ

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    2010年09月12日
  • 伯爵と妖精 魔都に誘われた新婚旅行

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    “「ようレイヴン、あのふたり、結婚すればもっと落ち着くかと思ったのに、ますますあぶなっかしくて、あんたも苦労するよな」
    「はい」
    隣のニコに顔を向けたレイヴンは、ケリーが知るよりもやわらかい表情をしているように見えた。
    「でもこの苦労は、悪くありません」
    「ま、そうだな。ちょっと前まで、あのふたりもケンカなんかしてる場合じゃなかったわけだし」
    顔を見合わせ、深く頷きあう。
    「あのう、レイヴンさんはニコさんと仲がいいんですね」
    ケリーがそう言うと、レイヴンは意外そうに彼女の方に顔を向けた。
    「ケリーさん、いつからそこに?」
    見えてなかった?”

    リディアとエドガー、まだすれ違うかと若干呆れ気味。

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    2010年09月09日
  • 伯爵と妖精 すてきな結婚式のための魔法

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    “「新婦、リディア・カールトン」
    また急に緊張しながら、リディアは顔をあげた。
    「あなたはこの男と結婚し、神の定めに従って夫婦になろうとしています。健やかなるときも病めるときも、常にこれを愛し、これを敬い、これを慰め、これを重んじ、これを守り、死がふたりを分かつまで、かたく節操を守ることを誓いますか?」
    「……はい、誓います」
    もう大丈夫。妖精はじゃまをすることができなかった。
    安堵して、そしてあらためて、誓いの言葉が胸にしみ入ると、リディアの瞳はうるんだ。
    エドガーの手が、頬をぬぐうように触れた。
    いつのまにかベールはあげられていて、隔てるものもなく彼の顔を間近に見ている。
    “父と子の聖霊の

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    2010年08月31日
  • 伯爵と妖精 誓いのキスを夜明けまでに

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    “「アシェンバード伯爵は、危険な人です。正しいかどうかよりも、あなたを守ることを優先する」
    ……でも、正しいことって何?
    「エドガーが間違ってるっていうの?あなたたち、何も知らないくせに!」
    エドガーはプリンスの犠牲者だ。彼らの組織と戦ってきて、やっと復讐を果たしたのに、新しい“プリンス”にされようとしている。
    「あなたたちも予言者も、エドガーさえいなくなればいいのでしょうけど、それが正しいことだっていうの?あなたたちが氏族<クラウン>を守りたいように、エドガーだって大切な人たちのために戦っているだけだわ!」
    リディアの必死の反論にも、パトリックは動じなかった。
    何がおかしいのか、にやりと笑う

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    2010年08月24日
  • 伯爵と妖精 運命の赤い糸を信じますか?

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    “が、彼の指には、そしてほかのどこにも、赤い糸は見あたらなかった。
    「あれ?おかしいわね」
    はっきり告げたロタに、レイヴンがショックを受けたのかどうかは、彼の表情からはわからなかった。
    「ねえレイヴン、今は糸がなくたって、いつか現れるわよ、きっと」
    リディアの苦しい慰めが届いたかどうかもわからない。ただレイヴンは、ニコの方に顔を向けた。
    「ニコさんは」
    エドガー以外の人にほとんど興味を持たないレイヴだが、どうにもニコだけは仲間意識を持っているようなのだ。
    「おれ?ちゃんとあるよ、赤い糸」
    気を遣うわけもなく、自慢するように片手を振ってみせたニコには、さすがにレイヴンも落胆の色を隠せなかったよう

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    2010年08月24日
  • 伯爵と妖精 誰がために聖地は夢みる

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    “「リディア、そういうことじゃないんだ」
    窓辺に近づいていったニコは、背伸びして外をのぞき見た。
    「長いこと生きてるほど、過去のことは遠すぎて思い出せなくなっていく。とうの昔におれは、いつからこの島にいるのか、どうしてひとりきりなのか、わからなくなってた。ただ、あの霧の山々を見てると、いつも同じことを感じる。ずっと昔から、ここにいたら誰かが、おれに会いに来るような気がしてたんだ」
    「ここでまた、誰かを待つ気なの?」
    「よくわからない。誰も来ないかもしれないし。でも、この島でならおれは、先のこと考えずにのんびり過ごせる。アウローラと先生の家も、リディアと伯爵の家も、いつまでもおれの家ってわけじゃ

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    2010年08月24日
  • 伯爵と妖精 紅の騎士に願うならば

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    “「……なんだ、そういうことか」
    つぶやいたニコが、むしろレイヴンが怒っているのではないかとおびえていたことなど知る由もない。
    ニコはほっとしたように息をつくと、急に胸を張って咳払いをした。
    「そりゃ、たいへんだったな。人間ってのはそのへん、器が小さいからな」
    「ニコさんは違うのですか?」
    「いいか、レイヴン。おれはそんな細かいことを気にする男じゃねえ。誰にだってそれぞれ事情ってもんがあるからな。あんたに悪気がないってことはわかってるさ」
    てくてくとこちらへ近づいてくると、いつものようになれなれしく膝のあたりをぽんぽんとたたく。
    「心配しなくていいぞ。きちんとあやまる相手には、寛大な気持ちで許

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    2010年08月24日
  • 伯爵と妖精 紳士の射止めかた教えます

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    “「……まつげ?って、どうして?」
    (恋する気持ちはまつげの先に宿るからよ。想いを胸に秘めて、じっと見つめるでしょう?眠れば想い人の夢を見る、目覚めてもその姿を追う、まつげに恋が宿るせいよ)
    「ナイチンゲールだけあって、ロマン派の詩人みたいだな」
    ニコが茶々を入れた。だらしなくあくびなどして、ますます他人事な態度だ。
    「ねえ、ナイチンゲール、もう少し簡単な指南にならないかしら?」
    とにかくキスをねだるなんて無理。けれどこのまま彼女につきまとわれるのは困る。
    両手を組み合わせて、妖精相手に必死に懇願するリディアに、「フェアリードクターとは思えないな」とニコがつぶやくが、気にしている場合ではない。

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    2010年08月22日
  • 伯爵と妖精 花嫁修業は薔薇迷宮で

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    “「小間使いだからといって、特別扱いはしません。奥さまのご用のないときは、ほかの仕事もしてもらいますからね」
    リディアの立場は、いちおうは奥さま付きの小間使いということらしい。とすると、オートレッド婦人のそばに仕えるのだから、やはり夫人の深い考えがあってのことなのか。
    「あの、あたしのこと小間使いにするよう、オートレッド夫人がおっしゃったんですよね」
    ミセス・ボイルは、わかりきったことをと言いたげに眉をひそめた。
    「当然でしょう。さっそくですが、奥さまのお部屋にお茶を届けてもらいます。毎日この時間です、おぼえておくように」
    「はい」
    「それから、奥さまはここ数日、部屋にこもっておいでです。そう

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    2010年08月13日
  • 伯爵と妖精 ロンドン橋に星は灯る

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    “「リディアが僕のことをおぼえていない?」
    スコットランドに向けて走る汽車の中、特等車両の個室で紅茶を味わいながら、ニコはエドガーに、リディアの家で見てきたことを語りはじめたところだった。
    ケルピーに連れ去られたリディアの様子を探るよう、エドガーにたのまれたニコは、スコットランドへ行っていたのだ。
    妖精であるニコが鉄道嫌いなのは、もちろんエドガーは知っている。しかしニコがエドガーのいたケンブリッジに到着したのは、彼らがエジンバラへ向かう汽車に乗る直前だった。
    いやがるニコを紅茶とお菓子でつって、この汽車に乗せ、ようやくリディアの様子を聞き出したエドガーだが、それは彼にとって想像もしていないこと

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    2010年08月13日