高星麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どこまで話が転がるのか…先が読めないまま買い続けてもうシリーズ22?冊目。
相変わらず伯爵夫妻は想いを確かめ合ったりすれ違ったりしています。アーミンとケルピーのコンビも結構好きなのですが…今回の事件の流れはちょっとすっきりしないなー。大丈夫なのかなー。伯爵夫妻の愛は大丈夫だって信じてるけど…役者が出揃いすぎて脳内パンク気味。予言者とプリンスに関するアレコレが曖昧にこんがらがってきたので、時間ができたら読み返したいなー…なんて。
それから…そうそう、ニコのしっぽはみんなのものなのです!(笑) 伯爵夫妻は問題を両手山盛りに抱えているので、もう何の屈託もなく和めるのはレイヴンのとんちんかん発言 -
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“「……だめかもしれない」
窓の外を眺めたまま、エドガーはつぶやいた。
「はじめて口説き落とせなかった女の子が、リディアだってことになるかもね」
「そんな弱気な言葉、はじめてうかがいました」
「はじめてづくしだ」
いっしょにいるだけで安らげて、未来を夢見ることができる女の子も、リディアがはじめてだった。
いつのまにか彼の中で、リディアの存在は大きくなっていた。
「だめでも、リディアは守るしかない」
振り返る。レイヴンの大きな瞳はかすかな迷いもなくまっすぐにエドガーを見ている。
この忠実な少年には、これまで何度もささえられてきた。
アーミンが行ってしまっても、リディアが振り向いてくれなくても、エ -
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“うそだらけの自分だ。
アシェンバート伯爵という名も、経歴も、紳士的なそぶりもうそ。それを鵜呑みにしているこの少女は、うその口説き文句に気づかない。
本当のエドガーを知ったら、彼女はおびえ逃げ出すだろう。エドガーの痛みも苦しみも、背負ってきたものも、他人が察するのは容易なことではない。
本当のことを知っても逃げ出さずに、この痛みに触れてきたのはリディアだけだ。だまされていたと知っても、あの純粋な少女は、せいいっぱい崖っぷちの男を救おうとしてくれた。
そばにいてほしいのはリディアだけだ。うそつきな、本当のエドガーを知っているからこそ、彼の求婚を信じてくれないリディアだけなのだった。”
短編集。 -
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“「で、何なんだ、これは」
ドアの前に積み上げた椅子やテーブルを、ニコは二本足で立ったまま見あげ、不思議そうに首を傾げた。
「……ちょっとね」
エドガーが忍び込んでこないように、用心したつもりだった。
そうまでしてリディアを求めるはずもない。とは思っても、なんとなく気になって、ちょっとした物音でもなかなか眠れなかったのだ。
けれども朝になってみると、どうしようもなく滑稽だ。エドガーは来なかったわけで、なおさら自分の過剰な心配が恥ずかしく思えてくる。
アーミンやトムキンスが来て気づかれないうちに直そうと、椅子に手をかけた。
「手伝おうか?」
「ええ、お願い……」
って、誰?
おそるおそる振り返っ -
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“「まずい」
ケルピーがつぶやいた。
「おいっ、早く逃げろ、火の気配だ。ワームが火を吹くぞ!」
エドガーはリディアの腕をつかみ、駆けだす。
みんなでいっせいに奥へ向かって走りながら、リディアは背後に、ごうっという奇妙な音と熱気を感じて振り返る。
向こうの方がやけに赤く、そして明るい。
ケルピーが立ち止まる。
「くい止めるからさっさと行け!」
「で、でも、ワームの炎じゃあなたがあぶないわ」
立ち止まろうとしたリディアだが、エドガーはそうさせなかった。
「ケルピー、きみの犠牲は無駄にはしない」
冗談ともつかないせりふをあっさり吐いて行こうとする。
「はあ?やばくなったら逃げるぞ俺は!だからそれまで -
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“「帰る前に婚約者の顔を見に来てくれたのかい?」
「違うって、何度言ったらわかるの?それよりこの指輪……」
「抱きしめてもいい?」
「はあ?」
すでにエドガーは、リディアの目の前に接近していて、茶化しているふうでもなく、灰紫の瞳で切なげに見おろしている。
「い、いやよ」
リディアがそう言ってしまうのは、ほとんど条件反射だ。
「一分だけ」
「長いじゃない」
「じゃあ三十秒」
不思議といやらしい感じはなくて、子供のようにあまえたがっている、そんなふうに思うと、リディアは自分でも意外な返事をしてしまっていた。
「……十数える間なら」
返事をひるがえす間もなく抱きよせられた。
何かつらいことでもあった -
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“なのに今は、わざわざリディアに呼びかけて、テリーサの誘いを断った。
リディアにキスしたことにならないなら、しないという宣言。
でもだからって、本気を信じる気になんて。
勝手に人を利用しようとする男なんて。
「……だるいわ。もう、力が入らないみたい」
「横になる?」
「ええ……」
テリーサが腕の力を抜く。横たえようとしたエドガーは、けれど急に、かかえ直すように抱きしめた。
「もう少し、こうしていたい」
彼はそう言ったけど、本当はリディアの手が、左手だけが、彼のそでをつかんだまま離そうとしなかったからだ。
どうしてだかリディアにもわからなかった。もはやそんな力もない気がしているのに、離したくなか -
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“「次はワルツだよ」
いきなりワルツ、難関だ。
「エドガー、やっぱりやめたほうが……」
「ポールとは踊っても、僕はだめなのか?」
ちゃんと気づいていたようだ。
「そんなんじゃないわよ。あなたに恥かかせちゃうかもしれないから。せっかくさっきはうまく切り抜けたのに、またあたしのせいで……」
覗き込むように、アッシュモーヴの瞳がリディアを見つめた。何を言うのかと少し怒っているかのようだった。
「きみが僕の恥になるはずないじゃないか」
手を重ね、腰に腕をまわすのはワルツの最初の音を待つため。けれどほかのカップルにくらべて、近づきすぎてないかしらとリディアは気にする。
少し下がろうとしても、彼は腕の力を -
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“「港に住んでいた小妖精を、あなた、馬車の屋根に乗せたまま帰ってきたのよ。見たこともない高級住宅街に連れてこられて、途方に暮れていた妖精がお屋敷をうろついていたから話を聞いたの」
直接話を聞いたのはニコだが、まあそういうことにしておく。
さすがに彼は肩をすくめ、居ずまいを正す。
「いくら口の堅い召使いをそろえても、きみと結婚したら浮気もできやしないのか」
「浮気性とは結婚なんてしません」
くす、とかすかな笑いがもれたのは、向かいの席からだ。
「レイヴン、今笑ったね」
「とんでもない」
感情をほとんど見せたことのないレイヴンでも笑うのかと、不思議に思いながらまじまじと彼を見る。しかしすでに、神妙 -
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“「おはよう、リディア」
こともあろうにエドガーは、ニコの隙をついて、リディアの手を取って口づけた。
「は……、何すんのよ、このスケベ!」
あわててリディアは飛びのいた。
「べつに何も。きみの猫が見張ってたし」
本当に、こんな軽薄野郎に同情してよかったのかよと思いながら、ニコはため息をつく。
「おいリディア、スコーンもらってきてやったぜ、朝メシにしよう」
ニコが放り投げたスコーンを、両手で受けとめながら、彼女はまだ不審げにエドガーを見ていた。
「もう嫌われたかと思っていたから、また会えてうれしいんだ」
「……嫌いよ。あたしはうそつきが嫌いなの。だからあなたも嫌い」
「でも、見捨てないでくれたわ -
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Posted by ブクログ
途中まで読んでだいぶ時が経ってから再開したもんだから話の流れがちょっとつかめなかったりしたけど読みました。ぬけがらになったリディアは言い方悪いけど白痴みたいな感じなんだろうなーと思うとちょい悲しくなった。やっぱりリディアはいつも恥じらってなかなか素直になれないリディアじゃないと!
強引に迫るエドガーにいいぞもっとやれと思ってしまってごめんねリディア
あとみんなニコのこと、やっぱりもふもふしたいんですねw ちょっとフイタw ケルピーがフィリスのこと「ぼうや」って呼んだのが意外。ガキとかそんな風に呼ぶのかと。なんかそれも可愛いな。ロタとポールもっと進展するといいねーにまにま。 -
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Posted by ブクログ
リディアは、妖精が見えて彼らと話ができる女の子。そのことを隠そうとしないため、変わり者と思われ、人と関わるのが苦手だった彼女は、あるとき父に会うためロンドン行きの船に乗る。ところが、突然現れた若い男に誘拐されてしまい・・・。エドガーと名乗るその男は、自分は伯爵だと言い、彼の身分を明かすための宝剣探しをリディアに依頼する。胡散臭いと思いながらも、彼と契約してしまうリディア。一方、凶悪な強盗事件が噂になり、その犯人の特徴がエドガーに似ていることに気づいたリディアは、逃げ出そうとするがエドガーから自身の過去を聞かされる。お人好しのリディアはエドガーに協力することになるが・・・。
完璧の美貌で、最低 -
Posted by ブクログ
妖精と話ができる少女リディアは、フェアリードクターとして元強盗の伯爵エドガーに雇われ、屋敷に通うようになる。すぐに口説き文句を口にするエドガーに振り回されていたある日、彼女は公園で不吉な妖精霧男に似た大男に襲われる。レイヴンに助けられ、なんとか無事屋敷に戻ると、ちょうどひとりの女性がリディアを訪ねてきていた。聞けば、なんと男爵の令嬢が霧男に連れ去られたかもしれないというのだ。妖精の仕業か、それとも・・・?事件を調べることで、あるメノウが問題になるが、その持ち主のロザリーはエドガーに首ったけで・・・。
リディアとロザリーの口論に思わず笑ってしまいました。このロザリー、相当のわがまま&超 -
Posted by ブクログ
妖精博士のリディアはわけあって雇い主の伯爵エドガーと形だけの婚約をしている。お得意の甘い言葉で迫ってくるエドガーにいつも振り回されるリディア。婚約指輪のムーンストーンの管理人だという妖精、コブラナイにまで伯爵の花嫁として扱われてしまう。一方、怪しげなブラックダイヤを手に入れたエドガーの周囲では、不吉なことばかり起こるが、彼はこのダイヤを使って宿敵プリンスへの復讐をたくらんでいるようで、リディアは心配する。何をしようとしているのか探ろうとするが、エドガーが出入りしているハーレムの中には美形の人形が置いてあり・・・。
今回は新しい妖精コブラナイが登場しましたが、これもまたいいキャラだなぁと思いま