佐野眞一のレビュー一覧

  • 津波と原発

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    ノンフィクションの巨人が描く震災と原発事故で浮き彫りになった日本人の姿。そこには美もあれば醜もあって、読む人間を「真実」の世界に引き込んでいきます。




    いまだ復興のめどが立たないまま、時間だけがただ流れている。そんな印象が否めないのは果たして僕だけでしょうか?この本はノンフィクションの巨人といわれる筆者が震災直後に実際に現地を歩いて丹念な取材の元に書かれたルポルタージュです。

    震災に関する報道に関しては正直『真実』が報道されていないなぁ、という印象がものすごくあって、本当は実際に自分の目で確かめることが一番なのでしょうけれど、諸般の事情でどうすることもできず、というときに出会いました。

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    2025年03月15日
  • あんぽん 孫正義伝

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    ここに書かれているのは我々が知ることがなかった孫正義一族の三代に渡る『海峡』の物語です。ありきたりなサクセスストーリーとは一線を画す『血と骨』を凌駕するような凄まじい「物語」の上に彼の存在があります。




    この本は2011年に週刊ポストに連載されていたものを中心として掲載後にあきらかになった事実を加筆したものです。

    雑誌に掲載されていた当時、僕はパラパラと飛び飛びに読んでいましたが、こうして単行本化されたものをじっくりと読むにつけ、ここ近年自分が読み進めてきた本の数々は、実はこの本を読むためにあったのではないかと錯覚してしまうほどでありました。

    『孫正義とは何者か?』ここに描かれている

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    2025年02月12日
  • 東電OL殺人事件

    購入済み

    読み応えあり

    この事件は結構インパクトのある事件として記憶していたので、どこまで掘り下げられているのか興味が湧いて読んでみた。なかなか奥の深い色んな組織の思惑までも暴露していく内容に感心しながら読ませてもらいました。

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    2023年01月11日
  • 渋沢家三代

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    攘夷から幕臣に転じ、明治維新以降の偉業を成し遂げた渋沢栄一についてはそれなりに知るところではあったが、その子である篤二と孫の敬三についてそれぞれ激動の人生であった事については初めて知っただけにその驚きは大きかった。
    あまりにも壮大な一族の繁栄から没落までの流れはただただ感嘆するばかりで、一言では語れない。
    渋沢家三代が日本経済に残してくれたものは大きいし偉大だ、と言う事が実感として強く残る。
    最後に著者が語っている事を心に残った言葉としてここにそのまま残しておきたい。
    『事業にしろ遊芸にしろ学問にしろ、自分の信ずるせかいにこれほど真摯に没入していさぎよく没落していった一族が、ほかにいただろうか

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    2022年03月21日
  • 渋沢家三代

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    渋沢栄一だけでなく、息子の篤二、孫の敬三までの三代を記したドキュメンタリーで読み応えあり。
    渋沢栄一とは激動の時代を生き抜いた偉大な人だったと改めて感じるとともに、偉大な父や祖父を持つ息子や孫の苦悩や、家を繁栄し続けることの難しさもひしひしと感じ入った。
    親や家のことなどあっても、とにかく一人ひとりが精いっぱい生き抜くことが、納得のいく人生につながるのか。
    佐野さんが執筆された敬三さんに関する著書も読んでみたい。

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    2021年09月26日
  • 渋沢家三代

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    次回大河ドラマの主役渋沢栄一、その息子で廃嫡される篤二、民族学で名を残す敬三。渋沢家の三代を通じて見つめる日本近代史。

    渋沢栄一だけでなく、その子、孫。さらに一族本家まで俯瞰した新書としては守備範囲の広い意欲作だろう。

    何代かに渡って一族を眺めると、勤勉と遊蕩の血が交互に出てくるのが面白い。渋沢一族としてみるとむしろ著名な栄一が異例でありどちらかというと学術、芸術家肌が多い。渋沢敬三しかり本家筋の澁澤龍彦など。

    渋沢栄一の志士から一点一橋慶喜に仕えパリへ。官僚から実業界という波乱の人生。そのサクセスストーリーの陰で犠牲となったとも言える篤二、そして日銀総裁などを務めつつも柳田国男との出会

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    2020年11月14日
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三

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    超絶感動。コロナ終息後の最初の遠距離旅は山口県に決めた。宮本常一が生まれた周防大島行ったあと祐三ラーメン食うんです。
    やっぱり「普通から生み出されるパワー」が「異常」となる景色のすさまじさよ。そこに絡むのが華麗なる元財閥でニコニコと没落する日銀総裁・渋沢敬三。なんというドラマ。
    そして一番驚いたのが、あの世界に誇る和太鼓集団「鼓童」が、宮本常一なくしては存在しなかっただろうということ。まじっすか。
    感動ついでに、関連本を5冊発注。早く読みたい。

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    2020年08月09日
  • あんぽん 孫正義伝

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    値が上がるとヤフーの株を売ったり、下がると買い戻したり。一方で巨大ソフトバンクグループを率いる孫正義。

    このずるい手法を用いる一方で、抜群の成果を上げてきた孫正義はいかにして生まれたかを深く解き明かした作品。

    川の氾濫で糞尿が浮くような豚小屋で育ったも同然な孫の出自を丹念に取材。これまでの軌跡を明らかにした。

    氾濫時には膝まで水に浸かりながらも孫正義は勉強したいたとか。

    人を果物ナイフで刺すほど気合の入った口がひたすらに悪い父親や、小学校時代の孫正義のませたポエム。

    入院中には本を3千冊読んだとか。1日10冊ペース?

    周囲に気を配るリーダーの中学時代。ビジネスを興そうとする高校時代

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    2019年10月07日
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 下

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    著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。

     下巻では、①軍用地主、②尚市などをまとめている。
     上巻に引き続き、文献的な調査もさることながら、キーパーソンに対する詳細な取材が裏付けるリアルな沖縄が垣間見えてくる。文句なしに5つ星。

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    2018年09月13日
  • 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 上

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    著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。

     上巻では、①(昭和)天皇や米軍を巡る沖縄県警の動向、②沖縄ヤクザや密貿易といった沖縄におけるアングラ勢力の動向、そして③國場組といった沖縄経済四天王や米国留学組、などをまとめている。
     文献的な調査もさることながら、キーパーソンに対する詳細な取材が裏付けるリアルな沖縄が垣間見えてくる。
     沖縄に関わる場合、必読書。文句なしに5つ星。

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    2018年09月13日
  • あんぽん 孫正義伝

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    この本で読んでふと思ったことは、
    孫正義と言う人は、
    自分が在日であることに、
    異常なまでの「コンプレックス」を抱いて生きているんだな思った。

    また、その「コンプレックス」を隠すのではなく、原動力としている。
    原動力というか、感謝といっても良いと思う。

    少なくない人間が様々なコンプレックスを持って生きている。
    それに押しつぶされてしまう人もいれば、それを利用して逞しく生きる人もいる。
    負の感情というのは、利用次第では、爆発的なエネルギーを生む。

    孫氏がITにこだわっているのも、その世界に差別がないからだと思う。

    個人的には、「何かを継続すること」にも、コンプレックスが深く関わっていて、

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    2017年11月09日
  • あんぽん 孫正義伝

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    佐野眞一と言えば、数年前、橋下徹をハシシタと呼び出自を侮蔑する事で悪名を上げたが、本来はバリバリの実力派ルポライターで、私は里見甫を取り上げた戦前の満州阿片利権の書により、彼の取材力の高さ、その魅力に取り憑かれた。その彼がハシシタ騒動以前に書き上げたのが、この孫正義伝。ライター大御所としてのプライドもあろう、他の著者による孫正義伝の取材不足を折々引き合いに出しディスりながら、如何に自分が優れたジャーナリストかを誇示する様はやや興ざめではあるが、しかし、実力は間違いない。孫正義が育った部落の航空写真を手土産にするなんて所作は、一流商社マンでも中々思いつくまい。彼の垣間見る我欲の強さは、これは取材

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    2016年10月20日
  • だれが「本」を殺すのか

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    本が書かれてから、電子書籍がだいぶ普及してきている時代になりました。携帯もスマホへ。でも、今でも十分説得力のある本。
    「本」の業界全体の構造的問題の根深さを感じます。今更どうしようもない状況になりつつあるのでしょうか。

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    2016年03月27日
  • 沖縄戦いまだ終わらず

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    著者の佐野眞一氏の作品は前作の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史(上)(下)」をも読んだが、この作品もノンフィクション作家である佐野氏の真骨頂の一冊である。
    第1章から第5章までは戦中から戦後の詳細な調査とインタビュー等をとおして孤児たちのその後から集団自決の真実などを細かく調査し、最後の第6章では「沖縄の民意はなぜ日本に届かないのか。」として2014年の沖縄知事選の様子とその後の日本の対応について、現在日本の歪みを伝える。

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    2015年07月10日
  • あんぽん 孫正義伝

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    今や日本を超え、世界的経営者となった孫正義氏の、生い立ちから両親、祖父母の血脈、どのようなバックボーンが稀代の経営者の人格形成に影響を与えたかなど、綿密な取材に基づいた作者渾身の一冊だと感じた。
    「孫正義という人間は何となくうさんくさい」という、作者の目線が、批判でも賞賛でもない独自の深みを醸し出しており、また私が今まで抱いていた孫正義氏のイメージとも重なっていたことから、最初から最後まで興味を持って読むことができた。

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    2015年01月02日
  • 津波と原発

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    メルトダウンに続いて読んだ、先の震災関連書。行動力と、参考文献数に驚嘆した。震災の内容もさることながら、原発事故以降の国内の様子について、主に政治的視点から記述している。未だ解決を見ない状況にいらいらしつつ、すでに忘れてしまったかのように自宅で普通に電気使いまくっていた自分にはきつかった。まさに我にかえった。
     ついつい(というかいつも)考えずに時間を流してしまうが、それがそのまま国策レベルでやられるのがまずいのだろう。解決策を提示するのが書の役目ではないが、ついアイデアを期待して読んでしまった。筆者はおそらく数個はお持ちだと思うが・・

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    2014年02月19日
  • 東電OL症候群(シンドローム)

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    326.23
    続編の本書から読んでしまったが、被害者である渡邊泰子さんが摂食障害であったなどの背景も興味深い一方、元東京高裁裁判官である村木保裕の少女買春については全く無知だったため後半かなり引き込まれて読んだ

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    2013年11月17日
  • 渋沢家三代

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    先日論語と算盤という本を読んだ際に、気になった本です。

    非常に面白かったです。
    栄一という近代日本資本主義の父の実の子たちに降りかかる重圧。
    それを女性であったり、学問に救いを求めたり、とにかく厳格に、
    渋沢の家の人間という事を誇りに思い、重視したりと
    何かバランスを崩してでないと生きていけないような姿を
    様々な文献を読み解き、抜粋し伝えてくれる一冊。

    昔の住所を調べてみたり、名前は歴史の時間に聞いたことがある、
    レベルの人について調べてみたりしながら、
    夢中になって読みました。

    江戸時代末期から昭和にかけての人物像がくっきりと浮き上がる中、
    自分の今までの不勉強を恥じ、このような人が生

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    2013年10月03日
  • 東電OL殺人事件

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    「東電OL殺人事件」の詳細を確認したくて読んだ。今年ビゴンダさんの無罪が確定したのを機に曖昧な知識をもう少し自分に納得のゆく形で留めようと思って読んでみた。
    予想は其れを遥かに超える作品だった。事件の経緯や事実関係だけでなく、被害者、渡辺泰子に著者が必死に
    迫ろうとする姿がこの作品を作っている。(※ちょっと古い、こ難しい言い回しがたまにでてくるのも気に入ったo(^_^)o)

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    2013年04月23日
  • だれが「本」を殺すのか

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    2001年の本なので情報がやや古いが、業界を知るには十分な内容。10年経って、出版業界の衰退が更に進んでいることが分かる。

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    2012年10月19日