佐野眞一のレビュー一覧
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ノンフィクションの巨人が描く震災と原発事故で浮き彫りになった日本人の姿。そこには美もあれば醜もあって、読む人間を「真実」の世界に引き込んでいきます。
いまだ復興のめどが立たないまま、時間だけがただ流れている。そんな印象が否めないのは果たして僕だけでしょうか?この本はノンフィクションの巨人といわれる筆者が震災直後に実際に現地を歩いて丹念な取材の元に書かれたルポルタージュです。
震災に関する報道に関しては正直『真実』が報道されていないなぁ、という印象がものすごくあって、本当は実際に自分の目で確かめることが一番なのでしょうけれど、諸般の事情でどうすることもできず、というときに出会いました。 -
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ここに書かれているのは我々が知ることがなかった孫正義一族の三代に渡る『海峡』の物語です。ありきたりなサクセスストーリーとは一線を画す『血と骨』を凌駕するような凄まじい「物語」の上に彼の存在があります。
この本は2011年に週刊ポストに連載されていたものを中心として掲載後にあきらかになった事実を加筆したものです。
雑誌に掲載されていた当時、僕はパラパラと飛び飛びに読んでいましたが、こうして単行本化されたものをじっくりと読むにつけ、ここ近年自分が読み進めてきた本の数々は、実はこの本を読むためにあったのではないかと錯覚してしまうほどでありました。
『孫正義とは何者か?』ここに描かれている -
購入済み
読み応えあり
この事件は結構インパクトのある事件として記憶していたので、どこまで掘り下げられているのか興味が湧いて読んでみた。なかなか奥の深い色んな組織の思惑までも暴露していく内容に感心しながら読ませてもらいました。
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攘夷から幕臣に転じ、明治維新以降の偉業を成し遂げた渋沢栄一についてはそれなりに知るところではあったが、その子である篤二と孫の敬三についてそれぞれ激動の人生であった事については初めて知っただけにその驚きは大きかった。
あまりにも壮大な一族の繁栄から没落までの流れはただただ感嘆するばかりで、一言では語れない。
渋沢家三代が日本経済に残してくれたものは大きいし偉大だ、と言う事が実感として強く残る。
最後に著者が語っている事を心に残った言葉としてここにそのまま残しておきたい。
『事業にしろ遊芸にしろ学問にしろ、自分の信ずるせかいにこれほど真摯に没入していさぎよく没落していった一族が、ほかにいただろうか -
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次回大河ドラマの主役渋沢栄一、その息子で廃嫡される篤二、民族学で名を残す敬三。渋沢家の三代を通じて見つめる日本近代史。
渋沢栄一だけでなく、その子、孫。さらに一族本家まで俯瞰した新書としては守備範囲の広い意欲作だろう。
何代かに渡って一族を眺めると、勤勉と遊蕩の血が交互に出てくるのが面白い。渋沢一族としてみるとむしろ著名な栄一が異例でありどちらかというと学術、芸術家肌が多い。渋沢敬三しかり本家筋の澁澤龍彦など。
渋沢栄一の志士から一点一橋慶喜に仕えパリへ。官僚から実業界という波乱の人生。そのサクセスストーリーの陰で犠牲となったとも言える篤二、そして日銀総裁などを務めつつも柳田国男との出会 -
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値が上がるとヤフーの株を売ったり、下がると買い戻したり。一方で巨大ソフトバンクグループを率いる孫正義。
このずるい手法を用いる一方で、抜群の成果を上げてきた孫正義はいかにして生まれたかを深く解き明かした作品。
川の氾濫で糞尿が浮くような豚小屋で育ったも同然な孫の出自を丹念に取材。これまでの軌跡を明らかにした。
氾濫時には膝まで水に浸かりながらも孫正義は勉強したいたとか。
人を果物ナイフで刺すほど気合の入った口がひたすらに悪い父親や、小学校時代の孫正義のませたポエム。
入院中には本を3千冊読んだとか。1日10冊ペース?
周囲に気を配るリーダーの中学時代。ビジネスを興そうとする高校時代 -
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この本で読んでふと思ったことは、
孫正義と言う人は、
自分が在日であることに、
異常なまでの「コンプレックス」を抱いて生きているんだな思った。
また、その「コンプレックス」を隠すのではなく、原動力としている。
原動力というか、感謝といっても良いと思う。
少なくない人間が様々なコンプレックスを持って生きている。
それに押しつぶされてしまう人もいれば、それを利用して逞しく生きる人もいる。
負の感情というのは、利用次第では、爆発的なエネルギーを生む。
孫氏がITにこだわっているのも、その世界に差別がないからだと思う。
個人的には、「何かを継続すること」にも、コンプレックスが深く関わっていて、 -
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佐野眞一と言えば、数年前、橋下徹をハシシタと呼び出自を侮蔑する事で悪名を上げたが、本来はバリバリの実力派ルポライターで、私は里見甫を取り上げた戦前の満州阿片利権の書により、彼の取材力の高さ、その魅力に取り憑かれた。その彼がハシシタ騒動以前に書き上げたのが、この孫正義伝。ライター大御所としてのプライドもあろう、他の著者による孫正義伝の取材不足を折々引き合いに出しディスりながら、如何に自分が優れたジャーナリストかを誇示する様はやや興ざめではあるが、しかし、実力は間違いない。孫正義が育った部落の航空写真を手土産にするなんて所作は、一流商社マンでも中々思いつくまい。彼の垣間見る我欲の強さは、これは取材
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先日論語と算盤という本を読んだ際に、気になった本です。
非常に面白かったです。
栄一という近代日本資本主義の父の実の子たちに降りかかる重圧。
それを女性であったり、学問に救いを求めたり、とにかく厳格に、
渋沢の家の人間という事を誇りに思い、重視したりと
何かバランスを崩してでないと生きていけないような姿を
様々な文献を読み解き、抜粋し伝えてくれる一冊。
昔の住所を調べてみたり、名前は歴史の時間に聞いたことがある、
レベルの人について調べてみたりしながら、
夢中になって読みました。
江戸時代末期から昭和にかけての人物像がくっきりと浮き上がる中、
自分の今までの不勉強を恥じ、このような人が生 -
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