佐野眞一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
桐野夏生氏のグロテスクを読んで、どこまでが事実なのかが気になり、読むことにしました。
「グロテスク」は東電OL事件の要素を取り入れているけれど、ほぼ別物のフィクションと言うことがわかってよかった。ゴビンダが買春した、結局見つからなかった太めの女というのがユリコなのだろう。
さて、本題ですが、佐野氏のこの本を書く目的が、「彼女の無念を晴らし、その魂を鎮めること」なんて書いてあるが、そういう感じは皆無だった。読者のいやらしいイマジネーションを最大に掻き立て、本を売るのが目的、としたほうが納得できた。
それにしても、日本の警察ってこんなにも酷いのか。無能というだけでなく、悪の存在だったとは。税金を使って犯罪を犯しているようなもの。
テレビドラマやらを観ていると、有能な正義感の塊みたいな人たちが、真実を暴くことが多いので、たまに冤罪事件のニュースを見ると、昭和初期のジジイの話と思っていた。
今でもやってるね。奴ら。袴田事件なんて、警察官による税金を贅沢に使った殺人事件だわ。
冤罪事件を扱った小説やドラマ多いのは、ストーリーとして面白いというだけでなく、実際よく起こっているからなんだね。
裁判官が裁判中に居眠りしていたっていうのも、ショックな話。海外ドラマで、よく裁判官出てくるけど、絶対居眠りしてないし、無駄な議論はやめさせてるけど、彼らも実際はちがうのか。または日本の裁判官だけがポンコツなのか。
佐野氏のネパールにも行き、被告や被害者に関係した人たちに取材して、事実を(事実も?)知ろうとする行動力は素晴らしいが、モノ書きとしての彼は胡散臭い。「◯◯の叫びを聞いたような気がした。」とか、「◯◯の幻を見たような気がした。」みたいな章の締め方は非常に鼻についた。絶対、雰囲気作りのためで、聞いてないし、見てないでしょ。
佐野氏の文章は嫌いだけど、つい読んじゃう気持ちって言うのはとてもわかった。
日本の警察に関わらないように気をつけよう。下手すると殺されちゃう。冤罪で。 -
Posted by ブクログ
被害者の生い立ちや生活ぶりが、当時からとっても興味深かった事件。
結局真犯人は捕まっていないことを知って読んでいるので、ネパールまで調査に行った旅行記的な箇所や所々にはやや退屈。
それにしても無罪になってよかったけど、煙が立つのはそこに火があるからだと思わせられる元被疑者の暮らし方。
読み終わっても、どうして被害者がこんな生活をしていたのかははっきりとはわからない。
仕方ないことだけどモヤモヤが残る。
現場の地理が具体的だったのでGoogleマップを見てみたら、今でもアパートも隣のビルも現存していて鳥肌が立った。証言してくれた青果店もあってびっくり。
渋谷から道玄坂経由してホテル街抜けて神泉まで、いつか行ってみたい・・・ような怖いような。
井の頭線に乗ったらドキドキしそう。 -
購入済み
日本人必読の名著
本土によってあたかも棄民政策を受けてきたような悲惨な沖縄の歴史。それを精緻に奥深く解き明かしている名著である。日本人のみならずアメリカ人にも必読と思う名作である。
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Posted by ブクログ
ペリーが浦賀に来航した1853年に、久留米藩の漢学者の家に生まれ、司法・宮内省・枢密院議長という職歴を持つ倉富勇三郎の日記を読み解いた本。いや、読み解くにはあまりに膨大で、かいつまんだ本といったほうがただしいかもしれません。
日記の巻数は、手帳・大学ノート・便箋・半紙などに297冊、執筆期間は大正8年から昭和19年の26年に及びます。1日の執筆量は、多いときには四百字詰め原稿用紙に50枚を超える日もあります。そのほとんどが、ミミズがはったような難解なペン字、文語体で、しかも、会話をそのまま書き写しているような内容なので、読み進むのも困難。以前、倉富氏縁の作家が解読を試みましたが、挫折したという経緯のあるものを、この著者がチャレンジ。さすがに全文は読み解いていませんが、大きな事件が起こった箇所を中心に解読、この本を執筆しました。
この本で注目するのは、皇族方のスキャンダル。ベールに隠されて、なかなか表に出てこないこういった話題を、宮内省で働く倉富が、同じ職員と井戸端会議のような形で話題に上がった内容が、そのまま日記にしたためられています。
また、ロンドン海軍条約締結時のごたごたや、昭和天皇の即位の大礼の様子、五・一五事件など、歴史的に重要な資料ともなっています。
この倉富氏の「とにかく書く、長くても書く、内容がどうあろうとも書く」という姿勢には頭が下がります。 -
Posted by ブクログ
毎晩、円山町に立つ東電OLの精神の闇について興味はあるが、殺害した犯人が冤罪であったこと、また新犯人像などには興味がない、読み物として一貫性はあるにしろ、同じことを何度も主張する意味が不明である。最大の読みどころは東電OLに共感する女性たちのインタビュー箇所かな
以下は同事件を題材にした小説
鳴海章『鹹湖 彼女が殺された街』(1998年、集英社)
久間十義『ダブルフェイス』(2000年、幻冬舎)
桐野夏生『グロテスク』(2003年:文藝春秋、2006年:文春文庫)
真梨幸子『女ともだち』(2006年、講談社)
折原一『追悼者』(2010年、文藝春秋)
追記:『鹹湖 彼女が殺された街』『追悼者』二冊は未読