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Posted by ブクログ
ノンフィクション作家による、月間プレイボーイに連載されていたコラムに一部追加して文庫版化されたもの。取材を基に書かれているため、内容が細切れになっているが、それぞれのテーマについてよく調べられていると思う。沖縄の裏の部分の一端を理解することができる。
著者に政治的な意図はないにしろ、やや狭史眼的な記述があり違和感を感じる点があった。
沖縄経済を裏で支配しているのは軍用地主。p385
過剰なまでの保護政策によって、沖縄が公共投資依存体質になってしまったことも、また厳然たる事実である。p403
東シナ海のノド元に突き刺さった沖縄は、日本にとって依然、絶対に欠かせない軍事防衛上の要衝である反面、金ばかり食う厄介な南の楽園となっている。p403
ライカムとは、在沖米軍を統括する琉球米軍司令部(Ryukyu Command=RYCOM)の略称。p467
平和=共産党=悪魔という時代、平和と言っただけで、すぐに共産党だとやられる。p471
Posted by ブクログ
戦中戦後に国全体で負わなければいけなかった負担を、沖縄に押し付けてしまった。だから本土の人間として沖縄に謝りに行く、という姿勢で進歩的文化人などによって語られてきた沖縄。本土=加害者、沖縄=被害者。多くの日本人も、この認識をもとに沖縄を捉えてきた。でもすでに戦後70年。戦後沖縄がたどってきた長い歩みを、いまでもこの凝り固まった歴史認識をもとに見ても、本当の沖縄は見えてこないのではないか。
といった問題提起から書かれた本。
悪漢小説のように悪い奴、図太い奴がたくさんでてきる。法になんて従ってられない。生きるか死ぬか、体を張って生きている。被害者というイメージだと弱弱しい、枯れた花みたいで、ここに登場する沖縄人のイメージと合わない。向日葵かな? 違うな。皇帝ダリアかな。他を押し退けて、俺が!、俺が!とグングンくる感じ。
戦後の密貿易での繁栄。富を蓄え頭角を表す財界人。ヤクザの抗争。革新勢力の拡大。警察の汚職。などなど。
法に縛られず、生き方は自分で見つけ出す、という強い意志を感じる。
沖縄本島と奄美の間に「離島差別」というものがあったことは初耳だった。本土から差別されてきた沖縄。差別される辛さを知っているから差別しないというのは、どうやら幻想のようで、蔑まされたら、その憤りを他に向ける。それが奄美などの離島だった。人間の悲しい性とでもいおうか。
本のタイトルの「だれにも書かれたくなかった」という意味がよくわからない。猥雑でパワフルな沖縄戦後史だから?
沖縄をひとくくりにする現知事の発言のおかげで、県民性に興味をもって読み始めたのだが、けっしてひとくくりにできるような県民性じゃないことがわかっただけでも読んでよかった。
Posted by ブクログ
興味をそそられるタイトルに表紙の写真。しかも佐野眞一著となれば読まないわけにはいかないでしょう。
しかし、読み始めはちときつかった。
だって沖縄ヤクザの抗争なんてまったく興味がわかないんだもの。しかも読み始めたのはハワイの空の下。リゾートしながら読む題材ではないわね。能天気な観光客の知らない裏社会にはドロドロの世界もあるんだということはわかったけど。
ただヤクザもんの中で「海燕ジョーの奇跡」のモデルとなった日島稔の話はおもしろかった。組の汚名をはらすため、相手のかしらの首をとった日島は15年の刑期を終えてカタギの仕事についている。おとうさんが行方知れずのフィリピン人という出自や、成績は抜群にいいのに進学できず、ヤクザの道に入ってしまったという生い立ち、そして最期は仕事中の海難事故と数奇な運命をたどっている。時任三郎主演で映画化もされたらしい。見なくっちゃ。
話がヤクザから離れると俄然現実味を帯びて興味深くなってきた。奄美大島出身の人は沖縄でひどい差別を受けていたというのも驚きだったけど、それが1953年奄美群島本土返還という米軍からのビッグプレゼントを境に、非琉球人となった在沖奄美人は更なる差別を受けたという。本土から差別を受けた沖縄が、弱い立場の奄美を差別する。今はもうそんなことはないと思いますが、ひどい時代でした。
その他、鳩山民主党による飛行場移設問題による裏切りや、首里城の王朝尚家の寂しい最後、尖閣諸島の所有者の話、安室奈美恵は輩出したけれど、その後続かない沖縄芸能等々話題は盛りだくさん。
せっかく育てたタレントを本土のプロダクションがスカウトに来てさらっていってしまうという悲劇に象徴されるように、沖縄人は人がいいのかバカなのか(ごめんなさい)…。地場産業にしても重きを置くところを間違っていて(サトウキビばかり保護するあまりせっかくの畜産業が発展していかない。)観光客に出している食材のほとんどが本土産らしい。特産物のはずのゴーヤにしても、本土へ出荷できるように18年がかりで害虫を壊滅させ、いざ出荷できるようになると、本土の家庭でも簡単に栽培できるような食材になり、もはや沖縄特産とは呼べなくなってしまった。
基地返還問題も、初めて知ったのが返還先が国や県ではなく個人だということだ。現在その借地料で生活している人も多く(沖縄最大の軍用地主は竹野一郎で、年間借地料は200億円といわれている。)、いきなり返されてもその土地を有効利用するためには農業開発事業などが必要となり、少なくとも20年はかかると思われる。
いちがいに米軍に出て行ってもらいたい人たちばかりではないんだと驚いた。
戦争や米軍占拠ばかりではない沖縄のかかえる悲劇に目が離せなくなり、ハワイ旅行の途中で一度は放り出そうかと思った本をしっかりとにぎりしめて、ハワイ島からオアフ島へ移り、それでも読み切れなくて日本に戻ってから京都まで連れて行って、やっと読破しました。
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