佐野眞一のレビュー一覧
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ネパールへ被告人の4人の同居者に会いに行く、毎回法廷傍聴に行く、何度も現場や関係地に訪れる、など、さすが、一流のルポライターだと思った。
反面、それらの成果を誇示されすぎるのと、また、やや、思い込みが強いかなと思うところもあった。例えば、「人権派の弁護士は、プライバシーの保護を錦の御旗にして、被害者も加害者も匿名のA、Bとする…犯罪にまつわるすぐれて人間的な部分を全てそぎ落としまう」(112頁)という点など…弁護士は、社会性、また、知己と結びつく実名に結びつけないだけで、その人間性を法廷で顕出することに努力はしている…万一間違ったときのための用意もある…氏は、自分は全く間違いを犯さないと思って -
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先日当事件の再審請求が認められ、当外国人受刑者が釈放帰国したことから話題になった事件の本でる。裁判のやりとりに加え、著者が現場や受刑者の母国も取材で訪れ、受刑者の無罪・冤罪を主張する内容である。
この本自体は平成15年の刊行、内容は第一審で無罪判決をうけるまでを書いている。実際、この事件は、二審、最高裁で有罪が確定する。
内容については、裁判記録と共に、取材を補足情報として行っており、臨場感のある内容になっている。ただ、被告人側の立場にたった視点で描かれており、かなり偏っているように思える。
もっと言えば、「被害者の名誉回復、心情を理解しようとすることが供養」になると述べ、「事件直後のゴシッ -
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倉富勇三郎日記を解読しながら、彼の性格や当時の皇室スキャンダルを紹介。一風変わった角度から近代史が眺められます。
やや馴染みの薄い人選ですが、難解でも”癖になる”日記のようで、原資料への挑戦心がくすぐられる人もいるのでは。
併行して読んでた山本さんの有馬本にも似たような記述がありましたが、「倉富の文章は日記を装った究極の私小説なのではないか」など、総括してこういう感想を抱かせるのは華族の日記の特性?(初版発行もほぼ同時期のこの2冊は、内容を補い合って読めました。)
細かい仕草まで描写する執念は、松本日誌をちょっと思い出したなあ。ただ、倉富のほうは日常の些細な起伏を中心に書きつけていたようです -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
幕末に生まれ、明治、大正、昭和を生き、三代の天皇に仕えた倉富は、時代の変遷をどう見つめ、年月の足音をどう聞いて、記録にとどめたのか?
宮中某重大事件、皇族・華族のスキャンダル、摂政問題、白蓮騒動、身辺雑記…誰も読み通せなかった近代史の超一級史料をノンフィクションの鬼才が味わい尽くす。
[ 目次 ]
序章 誰も読み通せなかった日記
第1章 宮中某重大事件―怪文書をめぐる「噂の真相」
第2章 懊悩また懊悩―倉富勇三郎の修業時代
第3章 朝鮮王族の事件簿―黒衣が見た日韓併合裏面史
第4章 柳原白蓮騒動―皇族・華族のスキャンダル
第5章 日記中毒者の生活と意見―素顔の倉富勇三郎
第6章 -
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