あらすじ
真空総理、冷めたピザと揶揄された小渕恵三は本当に無能だったのか。政治生命を失いかねぬ日の丸、君が代問題に手をつけ、通信傍受法=盗聴法を通し、サミットの沖縄開催に踏み切り世間の度肝を抜く。「庶民派」を自任し、小市民的側面を臆面なくさらす半面、権力闘争をしたたかに渡り歩く、余人をもってかえがたい不思議なパーソナリティは緻密な演出なのか、それとも……。突然の病に倒れた凡人宰相の実像をあますところなく描いた傑作ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
本書は冷めたピザ、真空総理と呼ばれた小渕首相の評伝である。地味なイメージであるが読むとその人生に圧倒される。本書で残念なのは、政権の政策分析に踏み込んでいない事である。本書の書かれた時期を考えるとやむを得ないのかも知れないが、いずれは歴史として論じる書が出ても良いと思う。
Posted by ブクログ
田中真紀子氏に凡人と呼ばれた小渕元首相の生涯を記した本。父である小渕光平氏の代から、選挙に毎回苦労してきた様がリアルに書かれている。一番印象深いのは、自由党の連立離脱に関する部分。小沢一郎氏との最後の会談では、お互い結果が分かっているセレモニーということで、しみじみと昔話に花を咲かせていたみたい。その翌日に脳梗塞で意識を失い、そのまま帰らぬ人となったのは周知のとおりである。