山崎元のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
普段経済評論家や学者の本を読んで不思議に思うのが、誰に向けて書いているのだろうと言うことだ。
確かに一般の読者はいるのだろうけれどもそれは私ではない、それに対して本書は著者の18歳になる息子に向けて書かれており多少の脚色はあるかもしれないが本心から書かれているとわかる。
SNSにあるよく分からない言説と異なり12回も転職した、外資系金融も勤めてアガリとしての評論家であり、言葉に温度がある。
人生の幸せと、お金の稼ぎ方、増やし方は明快であり、株式的な稼ぎと自由、仲間内の承認感が幸せであると言う本質的な事象も詰め込まれている。
個人的に良い本だと思える。
ちなみに文字も大きく読みやすい。 -
Posted by ブクログ
実際の著者の息子さんへの手紙がきっかけで出版に至った本です。山崎元さんの本はいくつか読んできましたが、お金に関する難しいことを分かりやすく、かつユーモアある文章でまとめられていて、勉強になりますし、たまにフフッと笑ってしまうフレーズもあったりします。
息子さんの大学合格にあわせて書かれた手紙なので、これから大学や社会にでる方々や、そういうお子さんがいらっしゃる親御さんなど、色んな人にためになる本だと思います。
本書もお金のことにもちろん触れられていますが、働き方や副業、幸せについてなど、人生論というか、山崎元さんのこれまでの集大成が詰まっている作品のように感じました。 -
Posted by ブクログ
金融のプロフェッショナルである著者が、息子に宛てて「どう生きるか」「どうお金と向き合うか」を語る、等身大で温かい人生書です。
経済評論家としての知識を背景にしながらも、難しい金融理論ではなく、人としての幸せと自由を軸に語られるのが本書の魅力です。
山崎氏は、「お金は幸せになるための道具であって、目的ではない」と明言します。
貯蓄や投資の具体的な考え方に触れながらも、本質的には“自分の価値観を大切にして生きること”を息子に伝えています。
特に印象的なのは、「人間関係と仕事の選び方」「結婚とお金」「自由と責任のバランス」といった、人生の節目に直結するテーマを誠実に掘り下げている点です。
語り口 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3か月前に聞きおえたaudiobook
人生単位・家庭単位・個人単位における資産設計のシンプルな考えを自分の息子に宛てた手紙、もうまさに息子に宛てた手紙そのものを書籍化したもの
読者は自分が息子になったのではと錯覚する
この方はがんになって絶命するその直前まで「保険は不要だった」と話す。生命保険は不幸の宝くじなのだという主張はよく耳にした。
資産設計業を行うにあたり、この意見はかなり影響を受けた。何より、ド正論に感じる。
資産運用するなら本質だけ学び、あとはオルカンにつっこんでおくといい、という話も面白い。まさにFPとしての第一歩だった -
Posted by ブクログ
「お得」と言われたら「怪しい」と疑うのが重要。
保険は運用目的でも不要。同様の運用内容の投資信託などより手数料が高いから。
「富裕層向け」という言葉に惑わされない。
ロボアド賛否両論で何でだろうと思ってたけど、賛:人間に運用してもらうより手数料が安い 否:手数料が実質的に二重取りされる からなんだね。
投資のプロには見極める能力あると思ってた。
市場を的確に判断して利用する能力はない。
→手数料高いところは論外。プロが選ぶ投資信託とかの記事は無意味だし有害。ネットにもよくあるよね…。
生殺与奪を他人に握らせるなってことらしい。
結局、NISAでオルカン(全世界株式インデックス・ファン -
Posted by ブクログ
投資にすべての人が受け入れられる正解はないと思います。
若く、本業での稼ぎも十分にある野心にあふれた人ならリスクの高い単元株に大金つぎ込むのも正しいでしょう。
逆に、70歳で年金以外に収入がない場合、投資の失敗は取り返し困難ですしリスクを拾う意味がない。
本書は老後の資産を作るための必要なリスクプレミアムの取り方を教えてくれます。『あらー、失敗しちゃった、まぁ次頑張ろう』ではだめな人向けの、人生の最後を幸せに過ごすための資金の作り方を教えてくれます。
だから、本書を『オルカンなんて投資じゃなく貯蓄だ』とか、『リスクを取ってこそ投資家だろう!』とか言う批判は的を射てないんですよ。
リスク取れ -
Posted by ブクログ
サラリーをもらって生活しており、人的資本の拡大はあまりできていない実感のあるものとしては耳の痛い内容もありました。
「リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている」
ここで言うリスクとは、胴元が儲けるようにできているギャンブルのようなマイナスサムゲームに参加するリスクではなく、純粋な振れ幅の大きさのこと。つまり、下振れに耐えられる資本を持っている人間が、より資本を大きくしていく構造になっている。下振れに耐える資本がないものは、プラスサムゲームに参加する事ができず、格差も当然広がっていく。
仕事でリスクを取る選択はできなかったし、今後も性格上その選 -
Posted by ブクログ
もっと早く知りたかった!“ほったらかし”が最強である理由
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良かれと思って、やってたんですよ。本当に。
投資を始めたばかりの頃、毎日ニュースをチェックして、気になる会社の情報を追いかけて、チャートとにらめっこして…。でも、頑張れば頑張るほど、日々の値動きに心が揺さぶられて、気づけばヘトヘトに。「投資って、こんなに疲れるものなの…?」と途方に暮れていた時に、この本と出会いました。
ページをめくるたびに、もう「え、嘘でしょ!?」の連続。
あんなに頑張っていた私の努力は、一体なんだったんだ…と、思わず天を仰ぎました(笑)。
この本が教えてくれたのは、投資の常識を覆す、あまりにもシンプル -
Posted by ブクログ
山崎さんの考え方がやっぱり自分は好きだなと再確認できました。終活のお話の中にあった、子育てが終わったら小さい家に移ること(出来たら便利な場所)、お寺や檀家と縁を切ることは、実践したいと思います。また、早期fireが自分の人的資本を小さくしてしまうことにも共感しました。そして、「怒り」が損得勘定から抜け出すスイッチになるというのも今まさに自分が体感していることです。ただ、この怒りの状態を長く続けることは良くないとのことなので、上手く沈めて共感と信用を得ることを心がけたいです。最後に、癌宣告を受けた中で、自分の持ち時間を冷静に計算し、目的を最大化させた山崎さんに改めて敬意を表します。お母様と死の順
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Posted by ブクログ
経済評論家である父から、成人する息子へ送られる手紙を元にした1冊。
現在大学4年である私にとって、非常に有益な内容だった。
現代におけるお金の稼ぎ方や増やし方が、その基本的な考え方から具体的な手段まで記載されており、是非参考にしたいと思った。
また、序盤と終盤で内容の毛色が異なるのも本書の特徴だと思う。序盤は経済評論家としての著者の考え方やそのエキスがふんだんに盛り込まれており、実践的。一方後半にかけては1人の父から息子へのメッセージという雰囲気が強まり、「親はこういう目線で子供を育てているのか」と1人の息子として感じる文章が多かった。
経済面と情緒面、両面から心を揺さぶる1冊だった。