あらすじ
最後の1秒まで幸福は追求できる
その真実をつづった遺稿を特別収載。
最期の時間でたどり着いた「人生の最終原理」とは――
筆者は2022年の夏に食道癌が見つかった。
本書は、癌の各局面にあっての考え方や意思決定の記録である。
お金よりも大事なことにどうやって気づくか、
限られた時間をいかに生きるか――。
遺稿「癌の記・裏日記」も特別収載。
【本書の内容】
第1章 癌患者と投資初心者は似ている
ステージIII、「真面目な癌患者になろう」
情報を、拾うか、捨てるか
上機嫌な癌患者でありたい
第2章 がん保険はやっぱり要らなかった
治療にかかったお金はいくら?
「不安に対処する」ための保険は賢くない
加入していい保険の条件
第3章 癌になって分かった、どうでもいいことと大切なこと
悩ましい頭髪の問題
わが物欲生活と身辺整理
再発、意識する持ち時間
癌患者には親切にしないで
第4章 山崎式・終活のセオリー6箇条
最晩年の住まいと介護を考える
お金を守る超合理的相続対策
「墓なし・坊主なし」のわが家の弔いルール
第5章 お金より大事なものにどうやって気づくか
〝善意の愉快犯〞として生ききる
お金は「増やし方」より「使い方」こそ大切だ
「幸福」を決めるたった一つの要素
「お金より大事なもの」にどうやって気づくか
最終章 癌の記・裏日記
【著者プロフィール】
山崎元(やまざき・はじめ)
経済評論家。専門は資産運用。1958 年北海道生まれ。東京大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友信託、メリルリンチ証券、楽天証券など12 回の転職経験を持つ。連載記事やテレビ出演多数。著書に『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』(水瀬ケンイチとの共著、朝日新書)、『超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(大橋弘祐との共著、文響社)、『経済評論家の父から息子への手紙――お金と人生と幸せについて』(Gakken)など。2024 年逝去。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者が亡くなったことを知り驚いて、読んだ。癌治療を投資のにたとえていらっしゃるのが経済評論家らしい。余命までをロジカルに冷静に過ごされたように読めるが、実際はつらい時もあったんだろうな。お母様が亡くなられた後1週間後に自分が亡くなるとは。かけつけたかっただろうな。
Posted by ブクログ
山崎さんの考え方がやっぱり自分は好きだなと再確認できました。終活のお話の中にあった、子育てが終わったら小さい家に移ること(出来たら便利な場所)、お寺や檀家と縁を切ることは、実践したいと思います。また、早期fireが自分の人的資本を小さくしてしまうことにも共感しました。そして、「怒り」が損得勘定から抜け出すスイッチになるというのも今まさに自分が体感していることです。ただ、この怒りの状態を長く続けることは良くないとのことなので、上手く沈めて共感と信用を得ることを心がけたいです。最後に、癌宣告を受けた中で、自分の持ち時間を冷静に計算し、目的を最大化させた山崎さんに改めて敬意を表します。お母様と死の順番が逆にならなかったことも、最後の親孝行だったと思いました。
Posted by ブクログ
癌になったことをきっかけに、山崎さんが考える人生の本質を知りたいと思い手に取って読んでみた。
最後まで読んで、非常に考えさせられた。
今までの自分の人生と照らし合わせるのはおこがましいが、本書の内容を参考にこれからの人生をより良いものにしていきたいと思った。
Posted by ブクログ
著者の文章に最初に接したのは、著作ではなく、
村上龍氏のメールマガジンだっただろうか。
龍さんが用意したお題に、何人かの著名人が回答するのだが、
山崎さんもその中にいた。
内容はむろん覚えてはいないが、理路整然とした、
わかりやすいものだったという記憶がある。
そんな山崎さんが2024年1月1日にのどの癌で亡くなった。
ベストセラーになった「経済評論家の父から息子への手紙」は当然読ませてもらった。
これもまたわかりやすい、愛のある文章だった。
そして今回手にしたのがこの本。
息子向けではなく、自分の考えを記しておこうと残した内容になっている。
経済評論家らしく、自分の癌を経済用語で語っている。
あの時ああしておけばよかった、という後悔はしない、ということを
「サンクコスト」だから、という言葉で表現している。ユニーク。
がん保険を否定している。同感。その分投資するなりした方がいい。
生命保険も。子育て期間中だけでいい。子供の成長とともに減らせばいい。
私もそうしてきた。
墓についても共感する。親は墓を建てた直後に死んでしまったので守らざるを得ないけど、
自分の代になったら、娘らに面倒見させるのは申し訳ないと思っている。
墓じまいして、八柱霊園の共同墓地にでも入れてもらおうかと、、、
著者は北海道の海に散骨したらしい。佐渡の海に散骨するか、、、
FIREも否定している。
つましく暮らしてためたお金の利息で生きるより、
若いうちは自分に投資したらいい、と。
同感。
だが、どう投資すればいいのか、どうすればよかったのか。
私自身よくわからない。
今が一番自分に投資している。遅い?いや、65からが勝負、と思いたい。
あ、著者は65で亡くなっている。早すぎる。その頭脳、もったいない、、
まあしかしこうして本という形で触れることができるのだが。
お金は悩ましいものだ。DIE WITH ZERO は理想だな。
どうすればそうできるか。
研究していこう。
しかしまずは健康を維持し、健康でいる限り、世の中に貢献して、
いくばくかのお金をいただきたい。
・・・サラリーマン生活しかしたことがないが、
いろんなものから自由になった今こそ、やるときなのだろう。
別に起業を薦める本でも何でもないが、そんな気にさせてくれた。
善い本を読んだ。
第1章 癌患者と投資初心者は似ている
●ステージⅢ、「真面目な癌患者になろう」
どのように見つかったか/癌検診に消極的だった理由/医療の商業主義化の悪影響/損得勘定だけでも「検査受けるべし」/長年の飲酒習慣と食道癌
●情報を、拾うか、捨てるか
情報を制限しないと、身が持たない/利害関係のない、好意的な医療専門家を探す/5年生存率の見当を付ける/治療方針の決定/「親切な人」は意外と困る/「自分は素人投資家と一緒だな」/癌も投資も情報収集に意味がない場合がある
●上機嫌な癌患者でありたい
癌患者の時間と「資源の最適化」
第2章 がん保険はやっぱり要らなかった
●治療にかかったお金はいくら?
人生をやり直すとしたらがん保険に入るか?/衝撃の負担額/治療費は貯金で楽に間に合う/癌治療で、実は最大のコストとは?
●「不安に対処する」ための保険は賢くない
意思決定は結果論ではなく「事前」がベース/「がん保険には入らない」という結論を何度でも出す/先進医療特約をどう考えるか
●加入していい保険の条件
安心ではなく必要性で判断する/相談はしても人間からは買わない
第3章 癌になって分かった、どうでもいいことと大切なこと
●悩ましい頭髪の問題
物、仕事、人間関係などの必要・不必要/「下級の落ち武者」のような髪/坊主か帽子かウィッグか/ウィッグは乗用車並みのコスト/脱毛本番とバリカン坊主/ヘアスタイルの呪縛と不経済/ヘアサロンに行くことのトータルコスト/こだわりは案外どうでもいい
●わが物欲生活と身辺整理
私の収入/地位財競争から降りることが幸せへの道/増え続けた持ち物を手放す/衣類は夏冬一着ずつだけ/悩ましい蔵書整理/捨てて後悔した本
●再発、意識する持ち時間
体力と時間と仕事/仕事は10年に一度リニューアルせよ/活動期間2年で何をすべきか/「進行が早いので、半年は保証できません」/治療を中断した理由/ガジェットを最低限に/残された時間でやりたい三つのこと/仕事があるから元気が出る
●癌患者には親切にしないで
飲酒で得たものと失ったもの/「実はどうでもいいこと」を一つ見つける/自分が会いたい人にだけ会う/昔話をしたがる人には会わない/癌患者にとって一番ありがたい人
第4章 山崎式・終活のセオリー6箇条
●最晩年の住まいと介護を考える
人生の手仕舞いは難しい/生活はシンプルに/介護は施設で行う
●お金を守る超合理的相続対策
相続は早めに決める/親のお金を守れ!/山崎家が相続の時に行った「三つの対策」/
親の最晩年の資産運用は「2世代運用」で
●「墓なし・坊主なし」のわが家の弔いルール
宗教なしの弔いは十分可能/死は突然やって来る/家族だけでゆっくり別れる/葬式の総費用は37万/お墓は撤去した
第5章 お金より大事なものにどうやって気づくか
●〝善意の愉快犯〞として生ききる
「山崎さんは、どのようなことがしたいのですか」/私のミッション・ステートメント/「経済評論家」という仕事/お金に感情を振り回されない/運用に思い入れを持ち込まない/予想と希望を混同させない/マーケティングとは嘘のラッピングのこと
●お金は「増やし方」より「使い方」こそ大切だ
お金には「使い時」がある/「守銭奴型FIRE」に疑問あり/貯めることと使うことの「いい加減」/自分が若いサラリーマンだったら?/資産運用は「一番いいもの」一本/イベントよりも日常重視
●「幸福」を決めるたった一つの要素
お金を稼ぐには幸福の犠牲が伴う/「お金」と「自由」のトレードオフ/幸せになるための平凡な結論
●「お金より大事なもの」にどうやって気づくか
お金の呪縛から逃れる鍵はどこ?/三つの「厄介な性質」/気づくスイッチは「これ」だけ/人はなぜ時に「損なこと」を選ぶか?/怒りを「信用・共感・プライド」に変換せよ
最終章 癌の記・裏日記
Posted by ブクログ
かなり踏み込んで書いてある。面白い。シンプルな装丁。最期の日記は編集されていないような感じ。
抗がん剤の副作用について、脱毛については記載あるも、痛みについては一切記載ない。あえて触れなかったんだろうか。祖母は胃がんで痛みに耐えかねて殺してくれ、と言っていた。筆者は痛みについては触れず、淡々と仕事をする。色々な絶望や痛みと闘って当然の癌との闘病。しかし、日常を取り戻すかのような仕事ぶりは尊い。敬服。1番辛いのは家族とそれほど会えないことだな。子供が小さいと本当に感染症は避けられない。会えないのは辛い。
ヒントからして、大学病院は順天堂だな。順天堂は人権方針を掲げていて、筆者が直ちに退院したい、と言ったら即日退院になったのは、患者の人権に配慮したものと思う。入院していれば寿命が延びたとは思うが、筆者の望む生活は叶わなかった。それであれば短くても自身の望む生活をしたかったのだろう。個室でも食事の配膳とかは病院のリズムに合わせないといけない。
順天堂は基本的になんでも高いが、順天堂ですら、癌の標準治療で100万程度(うちほぼ個室料)なら、確かにがん保険、医療保険は要らないな。ほとんどの人は高額療養費は知ってても、けんぽ独自の給付の規定は案外知らない人が多い。調べておこう。
筆者の生ききった感は、自分が何のために働いていて(正しいことをわかりやすく多くのひとに伝える)理解しており、それをある程度達成したことと、息子が性格がよく優秀で自分より秀でた個体を残したという生物的な満足らしい。この2つ、参考になる。愛情表現としては淡々と聞こえるがじんとくる。
確か1月1日に亡くなっているので、本当にギヒギリまで日記が載っている。筆者は何より考えることが好きなんだろう。「論」を売ることを生業としているのだから当たり前か。
意思決定の根拠にならない情報は入れない。そのために、病気を公表しない。親切な人を遠ざけ、お礼や面会の時間を体力回復に充てる。
カネより大切なものに気づくきっかけは怒り。怒りとは、喜びよりもより個人の価値観が出やすい。怒りを感じるポイントは個体差がある。怒りをヒントに価値観を浮き彫りにする手法もたしかアンガーマネジメントで出てくるような。
しかし、怒りのままではいけない。怒りは原始的な本能的な感情。スイッチにはなっても革命後の制度を安定させることはできない。Twitterのような自由で無責任なメディアに吐き出され蔓延するのは怒りばかり。怒りは信用、共感、プライドに変換しよう。
筆者のように30台後半で3000万の収入ある人は数%しかいない。だから大半の人の意思決定の参考にはならないかもね。最も大きな費用が就業不能の機会費用になるかは、本人の稼ぎ次第では。
稲盛和夫さんの、明るい人が成功する。明るい人とは、人の長所を見つけられる人。ってのは、人を好きになれるか、→愛嬌よくなる(自分も含めて、長所にフォーカスできる)→人間関係良好ってことだろう。
筆者が、死の間際に思った、愛嬌の大切さとは、結局、人間関係に恵まれるかってことだ。田内学さんも言ってるけど、お金が偉いわけではない。お金は手段だから。お金があっても働いてるくれる人がいなければ無価値。ネットワーク、経済圏を持ってなければ、通貨という手段は無価値。
お金は目的でなく手段。ため方より、使い方を考えよう。Die with Zeroはファイナンシャルウェルビーイングで注目されていて、筆者の感想が興味深かったが、とても冷静。パーティー文化ではなく、日常の大切さとか、日本は公的医療が発達してるとか。
筆者はマーケティングを敵視している。マーケティングで需要を作り出して経済を活性化している側面もあると思うけど。流行にのることやブランドものを身につけるのって、それこそ承認欲求だよね。マーケティングに煽られあ物欲は自己承認欲求、幸福追求。
地位材競争から降りるのが幸福の道、とはそれはそうだけど、不動産とか子供の教育費用とか、必要に迫られて買うけど実は地位材のものある。そこから降りるのは難しいな。
ガイドラインまで読んで医者と会話する筆者。さすが。経済学でも基本書は捨てない方がよかったとのこと。PCを何台ももちAppleが好きなのに、紙に書き込みとかしてるのは意外。
お墓の撤去、勇気ある…そこまでできたら相続は揉めない。
難しいことはわかりませんが…の改訂、まんがで読破資本論の解説、人生にお金はいくら必要か、白井聡の資本論、ぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
書籍の冒頭からサンクコストという言葉が印象的だった。山崎さんの人生観そのものといった感じで、自分もそうやって生きていこうと思った。過去の事、起きてしまった事は変えられないのだから、これから出来ることに最大限のリソースを割くということを意識していきたい。
また、時間が限られている中で執筆した著者の考える本当の幸福についても生きる上での考え方として参考にしていきたい。やはり自身の中でどう自由を作り上げるのか?は大切なことだし、考えなければ自ずと不自由な世界に入ってしまう。作業者にならないためにいかに自分で目的を作り、(本当の意味で自分に正直に)日々を生きられるかが豊かな人生を形成してくれるのだと思う。
お金持ちにはなれていないけど、心の豊かさは失うことなく、毎日を大切に生きていきたい。そう考えると今の人生が幸せだと思える。健康で不自由のない暮らしがあるだけで本当は幸せなんだ。
Posted by ブクログ
改めて惜しい方を亡くしたと思う。新NISAが始まったその時に亡くなったことがあまりにも運命的だと感じる。他人の評価も過去もサンクコストと言える彼に、自身がインデックスを取り崩す段階で、「取り崩せない問題」を語ってほしかった。
恐らく、同じように「必要な時に取り崩す。損をしても、その時の最適解を選ぶ」なのだろうけど。
癌との付き合い方向かい合い方と投資を比較しているのも面白い。
自身が余命を医師に聞いたことを、投資初心者が保証を求めるのと同じだとして「馬鹿と笑ってくれていい」と言い切れること、いつものユーモアが健在であることに尊敬する。
後藤氏との対談でも言っていたが、「希望と予想を混同させない」。これはとても役に立つ示唆だ。よくポジティブシンキングというけど、いつも違和感があったので、明確に言語化してくれた。『夜と霧』でも根拠なく「クリスマスは家族と過ごせる」と希望を抱いていた囚人はクリスマス後に亡くなることが多かったとあった。絶望は人を死に追いやることもできるのだろう。事実は事実として、受け止める勇気を持とう。
警告として、同様なことがライフプランニングにも言えるとある。期待リターンは希望リターンであり、リスクを無視しているからだ。長期投資はリスクを低減するものではない。私も彼のこの主張に初めて出会った時は驚いた。あまりにも「世間の常識」とかけ離れているからだ。それでも、人間は経済的合理性だけでは判断・行動できないので、最初に戻るが惜しい方を亡くした。
著者が『Die With Zero』で賛同する主張
・真に価値あるお金の使い道は経験⇒思い出
・楽しむ能力は年齢に依存する
・「仕事が面白い」はお金を使わない理由にならない
・寄付、相続は生きているうちに有効に使う
著者は賛同できないところは、「祭り」=大きなイベントよりも「日常」を重視したほうが良いとしている。私も著者に賛成する。ハレとケ、としてメリハリをつけないとDieの著者のような富豪でない限り、どんどんエスカレートすると思う。人はアドレナリンよりもセロトニン的な幸せの方が良い人生を送れると思う。
稲盛和夫氏が部下に宛てた手紙の冒頭
「明るい人が成功する。人の長所を認める人が明るい。」
人生最後の日のい最終原理
本人の側で、最後まで楽しんで、幸福を追求することができて、一方、過去の通算成績は持っていくことができないし、責任を負うこともできない。
他人はあなたを過去で評価するかもしれないが、それに対しては影響を与えることもできないし、もう働きかけることができない。
この境目を最大限に都合よく活用すること。
著者のご母堂がご子息より一週間早く亡くなってしまい、逆縁にならなかったことは奇跡だと思う。
ご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ
ヤマザキさんは、とことん合理的で正直だ。発言にポジショントークは一切なし、常に相手にとって何が最適解で合理的かを追求している。
葬式やお墓、お寺との付き合い方は共感できる。自分の人生を大切にし、そして残された人の苦労は最小化するために、生前に考えなくちゃいけないことを簡単な言葉で綴られている。
改めてご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
人間味の溢れた、優しくユーモアのある表現でわかりやすく解説してあるのでどの本も大好きでした。癌の捉え方、どう生きるかについて書かれており、今回も参考になることばかりでした。
もう著者の新書が読めなくなるのかと思うと残念でなりませんが、今までの本を何度も読み、自分の中で活かしていきたいです。
Posted by ブクログ
私が投資をする上での羅針盤であった方。晩年は投資や資産形成のみならず、人生の羅針盤とでも言う視点で、後進へのメッセージを発信されていました。理路整然とした経済評論家というイメージが強かったのですが、人付き合いの大切さ、上機嫌であること、愛嬌の大切さなどがこの本では述べられており、お人柄に対するイメージが変わりました。モットーは正直・快活・上機嫌というだけあり、本書も本音で書いてくれたんだとわかる箇所が、さわやかな語り口で随所に散りばめられています。ご逝去されて本当に残念です。ご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ
【最期】
投資の本ではなく、がん進行による体の変化を克明に表現された本となっています。都度訪れる分岐点で、山崎さんの「覚悟」を感じることができる作品です。
死ぬ間際まで選択しなければならない場面が出現してきます。人間というものはそういう生き物かもしれません。
がんという病にかかっている状況下でも、山崎さんは感情に流されず、自分なりの理由つけ(論拠)を行い、淡々と判断されていきます(本人は淡々と判断してるわけではないのかもしれませんが、読んでいるとそう感じます)
結論が明確で、病に侵されながらも迷走するようすはみられませんでした。さずが、山元さん!
がんになったことを振り返るシーンでも、お酒をストレートで飲んでいるのでのどや食道にがんが発生することはある程度認識済みで、運命ととらえていることを淡々と語られており、肝が据わって堂々とされています。うじうじと後悔する場面がありません。
今回、投資とは少し離れた作品でしたが、山元さんという人間がいい意味で露骨に現れた作品で気持ちよく読み進めることができました。
もう、山元さんの新しい本を読むことができないのは残念ですが、いままで発行された本は永遠に残されてますので、いつでも読み返せることが唯一の救いです。
Posted by ブクログ
「お金よりも大事なものがあると気づくこと」生きていくにはお金は必要だけど手段が目的化してしまわないように、、
人生シンプルに生きて、本当に大事な人との時間を大切にすること、日々心していることではあるけど、著者の言葉だけに響くものがありました、、
Posted by ブクログ
経済評論家として山崎氏の闘病日記である。「ガン」には2種類あるという「本物のガン」と「がんもどき」があり余命、抗癌処置(手術+抗がん剤)等は「癌の種類と患者」に大いに関係があり、個人差が出るとのこと。「ガン患者」からみるポイントで気になる事は、
1、情報の収集と選択において多くを鵜呑みにしない事(ガン治療は種類と人によって違う)
2、がん保険・医療保険は敢えて加入しなくとも国民保険等でも多くカバーしてくれる事
3、身辺整理(相続など含めて)意識がはっきりしている間に決断しておく事
4、会いたい人には早めに逢っておく事
5、遺すものを用意しておく(家族、友人などへのメッセージなど)
Posted by ブクログ
がんで余命宣告された後も、冷静にやるべきこと、切り捨てることを冷静に検討し、実行していくことに関心した。
あの時ああしていればと思い悩むのはサンクコストという視点は面白く、今後の考え方の参考になる。
Posted by ブクログ
感想
本書を通じて、著者が「死」を目前にした状況でどのように人生とお金を見つめ直したかが描かれています。特に印象的だったのは、がん保険の必要性に対する冷静な分析や、限られた時間の中で何を大切にすべきかという問いかけです。著者は、がん保険は不要であり、必要な時には正しく怒ることも大切だと述べています。
また、著者は「善意の愉快犯」として、不要な商品を売りつけようとする商売を邪魔することを自身の使命としています。 この姿勢からは、他人のために行動することの重要性と、その中で自分自身の生き方を全うすることの大切さが伝わってきます。
本書は、人生の終わりに何を選び、何を手放すかという問いに対して、著者自身の経験と考察を通じて答えを示しています。読者として、自分自身の人生やお金の使い方について深く考えさせられる一冊でした。
ToDoリスト
1.定期的な健康診断の実施
がんの早期発見の重要性を再認識し、内視鏡検査などの定期的な健康診断を受ける。
2.保険の見直し
がん保険の必要性を再評価し、無駄な保険料の支出を削減する。
3.持ち物の整理
本当に必要なものを見極め、不要な物を手放すことで、生活をシンプルに保つ。
4.お金の使い方の再考
お金を貯めることよりも、経験や人との関係に投資することの価値を見直す。
5.人間関係の見直し
本当に大切な人との時間を大切にし、無理な付き合いを減らす。
6.終活の準備
自分の最期を迎える準備として、住まいや介護、葬儀の方法などを考えておく。
7.自分の価値観の明確化
「自分は何者でありたいか」を考え、自分らしい生き方を追求する。
Posted by ブクログ
山崎さんの本は6冊ほど読ませてもらっていて、お金の本の第一人者というイメージがあった。
読みやすく、参考にしやすい!
そんな本ばかりだった。
今回は、山崎さんがガンを患い。
と始まった一冊なのですが、
今の今まで読んだガン患者の本の中でダントツで前向き。
余命、2年くらいかな?
それならこれしとかないとな!
あと片付けして、お墓やお経はいらん!!って伝えて、坊主レスで。
とか。
ガンに対しても、なったもんはしゃーない。
っていうスタンスで、今できることやるしかないし、とりあえずやりたいことやる!!みたいな感じで本も執筆し続けたようでした。
まさに残りの人生が差し迫った中、やりたいこととは?
っていう山崎さんの言葉が刺さる。
若いうちは、貯金よりもとにかく経験を積め!
これまたわかる。
歳取ればとるほど無理がきかなくなるし、
費用対効果を考えても、冒険するのは若いうちに限る!!
2024年に亡くなってしまったようで、、、
わたしの好きなお金の本の作者が一人いなくなってしまったことが、とても残念でした。
#山崎元
#面白い
#捉え方
#描き方
#考え方
#お金
#一刀両断
#まさにそのとーり
#本当
#読みやすい
#お金の本
#ガンの本
Posted by ブクログ
山崎元氏は、自分が30代の時に少し金融資産を作るろうか、と思った時に熱心にコラムを読んだ(本書にもあるが)経済評論家だ。
彼は2024年に亡くなったが、その直前に本書を上梓された。がんになって、自分の持ち時間が無くなって来て気がついたこと。前半は経済家らしく数字を使って損か得かをいつものように冷静に書かれている。
後半はもはやそういうことではなく人生の残り時間をどう過ごすか、自分が育てた息子が自分以上に立派になりそうで役割を果たした、とか少し感情的な部分が見え隠れする。思うにその時点ではもう執筆できず、編集者さんたちが彼の言葉を集めて文章化したのだろう。
過去どんなに立派であっても、今や未来を保証するものでもなく、今をしっかり生き抜くことの大事さを改めて思った。
Posted by ブクログ
がん保険は必要ないと言っていた著者が書いた本なので気になって読んだ。保険の事以外にも患者の立場の話や終活の話、そして余命の時間の考え方は参考になる。モットーが詰まった本でした。合掌。
Posted by ブクログ
お金の考え方で参考にしていた人。
そな山崎さんがどういう風に人生に向き合ったのか知りたく手に取った。
とにかく残された時間に対して、とても合理的に向き合っている。当然さまざまな感情はあったと思うが、そういうことには触れられていないだけになおさら。
・捨てて後悔した本は自ら書き込みをした本
・時間の制約が生じたことで、仕事の選択は「面白い」という価値観が相対的に浮上した
・人とのつながり、評価されることは意識以上に大切
・人間関係は、自ら頼んで時間をもらい意見なり情報なりが欲しいと思う相手のみに時間を費やしたい
・便利な場所に暮らす。人との関わりが減るのは良くない
・人の幸福感の99パーセント以上は承認されているという感感覚でできている。金持ちも貧乏人も変わらない
・真に価値のあるお金の使い方は経験
・人間の楽しむ能力は年齢に依存する
・明るい人が成功する、ひとの長所を認める人が明るい
Posted by ブクログ
•会社から自由になるには、金融資産、スキル、副業、人脈
•お金よりも大切なものに気づく手段は怒り。損得を超えた怒りにより、自分が大切にしている価値基準に気づく
•怒りは伝播しやすい手段でしかなく、気づきの後、共感や信用やプライドに変換し実現に向け前進する。
あと、がん検診は定期的に受ける、保険は不要
Posted by ブクログ
30代前半です。
スキル、技術向上のために使う投資は惜しまないしようと思いました。地位財にこだわりはないけど、不必要な出費が出ていないか、変なこだわりを捨てる観点を持つのは重要だと思いました。
人生の各段階でのお金の使い方に関しても論じられているので、適時見直したいと思った本。
Posted by ブクログ
死を前にして著者の本音が伝わってくる本です。
著者の本を数冊読みましたが、歯切れのよい発言や、業界に目を向けず、一般の方に配慮した考え方に共感していましたので、亡くなられて非常に残念です。
本書では、ご自分の年収も赤裸々に書かれており、著者らしいなと感じました。
Posted by ブクログ
お恥ずかしながら山崎さんを存じ上げておらず、題名から直感でこの本を手に取りました。
経済評論家、金融関係にずっと携わってきた方みたいで、人より多く「お金」と真剣に関わってきた方なんだなという印象。そんな山崎さんだからこそ説得力がある「お金」。FIREと言われることが多い今の世の中で「金融資産」を増やすために今の生活の質を下げたり、自己投資等「体験」を買うのを惜しむのは結局のところ幸福ではないのでは?ということが分かりました。お金の管理等雑で余裕がない時はどうしても「お金」に縛られて続けてしまいがちですが、人生の本質を一早く実感して豊かな人生にしたいなと感じさせてくれる本でした。
Posted by ブクログ
お亡くなりになった山崎氏。
好きな経済評論家だったので残念だ。
この本は晩年に書かれているが、明るい。
山崎氏は冷静だ。
保険についてなど合理的な思考によって書かれている。
Posted by ブクログ
投資にあたり非常にお世話になりました。
ご冥福をお祈りします。
著者に対する想いとは、はっきり切り分けて本書についてだけ評価、感想を書く。
まず本書ではないが、帯にダメ出し。内容とズレている!
「タブーなき経済評論家が見抜いた人生で大切なだった一つのこと」
とあるが、特に一つに言及していない。
人生で大切なことを、網羅的に、お金に絡めて綴っている。
一つを深くではなく、広く浅く。
(人生で大切なたった一つのことって何だろう?って読み始めてしまいミスリードされた。)
ビジネス書を読む習慣がある私には目新しいことはなかった。
・健康診断を受けよう。
・がん保険不要、保険は必要最低限で。
・ものは持ちすぎない。
・お金は使いどきに使って価値がある。
・幸せは人間関係。
など。
私が知りたかったことは、
「投資でお金を貯めて貯めて、いざ使おうと思ったときに早すぎる死」このとき何を思うか?
その答えはなかった。
近い答えとしては、
サンクコストバイアス(過ぎ去った過去)に縛られず、常にこれからどうやって、幸せに過ごすかが大切
とのこと。
つまり、想定外は起こる、過去を悔やんでもしょうがない、じゃあこれからどうするかが大切、ということだろう。
頭では理解するが、実際に余命宣告されたときに、心はついていけるのか、と疑問。
心がついていけるかは、それまでの人生の過ごし方によると思う。
著者は早過ぎる死であるが、ある程度自己実現できたから、心もついていけたのではないかと。もちろん、本人の心の強さもあるだろうし、もっとやりたかったころも多いと思うが。世間一般と比べたら、好きな仕事で稼げて、お金も時間もあり、人間関係も良好、自分の人生の目的も見つけ実現できていたようだ。そして65歳。
私はどうか?相当悔いが残るだろう。
ある程度長生きすることを前提に、数年間はいろいろと犠牲にして、投資に注ぎ込んだ。
その甲斐あって、今40歳にして成果が出て、人生これから再出発。
今死んだら後悔が大きい、あと10年生きられれば後悔はないかな。
でもいつ死ぬかは分からない。
サンクコストバイアスに縛られず、これからどう幸せに過ごすか、日々向き合っていきたい。
その他全体的な内容については、今まで得た知識は、実際に余命宣告された人にとっても、やはりその通りということで、より確信が持てた。
また定期的に違った角度から復習できるのは良い。
知っていると身に付いているとは大きな差があるので。
人間ドックを受けよう。
Posted by ブクログ
実際に癌になられて、時間の有限さを感じられるが故に至る境地だと思う部分があった。常日頃から考える癖とも相まって、端的に考えがまとめられている。
◉いざ病気に罹ると、確率や治療方法を知りたい。が、いまは情報過多である。情報は+判断することで、初めて有益になる。判断できない情報は無駄。そして、判断するにはスキルと時間が必要。
◉時間が制約されると「面白い」との価値観が相対的に大きく浮上する。
→分かる気がする。やりたいことがたくさんあるが、どうせ限られた時間なら、楽しいことを選ぼうとの思考が最近、強くなっている。年のせいか?
◉価値あるお金の使い方=経験。適切なときに惜しまずお金を使え。お金は増やし方より使い方を考えろ。無理したfireに意味があるのか。「教育」「経験」「人間関係」には早くお金を使う。
→子供が資格に興味を持っている。しっかり後押しせねば…
Posted by ブクログ
何度か山﨑さんの著作は読んだことがあるため、癌になっても主張自体は昔から変わってないなと感じた。癌患者が情報の正しい取捨選択ができずに、誤った選択をしてしまう状況をあたかも投資初心者に見立てているのが面白い。
Posted by ブクログ
他の著書や著者がYoutubeで語っている内容と重なっている部分が多かった。初見の人は面白く読めると思うが、自分的には既読の内容が多かった。note で書かれた内容やYoutubeで語られていた内容を編集したような本だと思う。
ちなみに著者の本でいうと、
『経済評論家の父から息子への手紙』『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』
の2冊は名著だと思う。お金の運用方法については、山崎さんの言う通りにしている。
1点、著者が結婚を2回していることは初めて知った。息子さんと娘さんがいるのは知っていたが、それぞれ腹違いの子どもさんということかな。
本書の中でも若者に向けての人生計画について語られているが、「何歳で結婚して、何歳で子どもを授かるか」という人生で最も大事なイベントについてはあまり語られていないのが、何でも語る山崎さんなのに触れていないのは何か思うところがあったのか、言えない背景があったのか(^_^;)