白取春彦のレビュー一覧
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▶︎問題は解決ではなく、超越する
優れた指摘が数々出てくるが、最も秀逸なのは仕事論。
その中でも「問題をその場凌ぎで解決するのではなく、圧倒的な仕方で解決すればもう問題ではなくなる」という見識が深い。
理想論だし、現実はその場凌ぎの解決策でも精一杯出したものだということがほとんど。それでも、根本的な生き方として問題から逃げず、徹底的に向き合って凌駕してしまう生き方は、激しく不安定なようでいて逆説的に清々しい静けさをもたらしてくれるだろう。
論が飛躍するが、老荘思想のような、超越的なあり方ともつながると思う。世俗を超越することで、生きることや価値判断がもはや問題ではなくなるというあり方。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルは違えど、D・カーネギーの人を動かすに似ている構成。(いくつもの「こうしたらいいよ」が紹介されている)そして多分、内容も似ていることが述べられている。
自分の考えを批判せよ、「なぜ、どうして」と問え、知識は興味の連続によって得られる、結果と報酬を目的にするな、読書と傾聴はやさしさあってこそ、幸せではなく満足を求めよ、といった内容が印象的だった。
1番は暗記するだけでは知識にならず、もっと知りたいという強い興味がひとつながりの多くの知識を呼ぶという点。ここに「したい」という内的要因と「しないといけない」という外的要因の違いがあると感じた。
先人からの学びは深い! -
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読んで正解だった。これを機に「知的生きかた文庫」の見方が変わった。
モーセやキリスト、ユダヤ教、旧約聖書、ネロ、ローマ帝国、それぞれ聞いたことはあった。しかし、点で知ってただけであってまさかここまで線でつながるとは思わなかった。
個人的には『聖☆おにいさん』の分からなかったネタがわかったのが嬉しかった。「エリエリラマサバクタニ…」神はお見捨てになったのか。実は絶望的な意味で言った言葉ではないのだけど、あのときイエスが顔を覆いながら放ったのはそういう意味だったのかとあらためて笑いが込み上げる。うむ、不謹慎、不謹慎だけれどもやはり教養として知っておかないと理解はできなかった。
あらためて出エ -
Posted by ブクログ
ネタバレ哲学というと実に難解なイメージがあります。
小難しい言葉遣いで滔々と私たちをまくしたて、なんなら分からないこちらが悪者であるとのたまう、そんな謎な高圧的キャラを想像してしまう程。
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その晦渋さにあって、ニーチェ、です。
私には、とっつきづらい、体系化していない、断片的、だけれども美しいアフォリズム、というイメージがありました。要は敬遠していました。だから、これまで読んだニーチェ作品は僅か一冊。しかもつい昨年のこと。
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で、恐る恐る本作を読みました。ん? 意外や意外、何だかイイ奴な感じ。めっちゃポジティブ。あれ?ニーチェってこんなんだったっけ?っと首を傾げる。
噂では、とんがった