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著者・白取春彦は、哲学書についてこう語る。
私は、哲学書を思考と人生経験の芸術だと思っている。
論理の正確さだの思考体系だの真理の探究ではないと思っている。
人生について考えることは、
重要度において論理のような人工的なものをはるかに越えた事柄ではないだろうか。
もし、人の生き方を論理と効率性で割り切って考えてしまうのならば、
結局のところは経済的損得勘定になってしまうだろう。
そんな味気ない虚無主義的な人生を、私個人は人生と呼びたくない。
著者は古今東西の多くの哲学書から学んだ生き方のヒントを紹介するのにとどまらず、
読者に向かって熱く呼びかけ、励ます。
この一回限りの人生を本当に生ききりたいのなら、
自分主義でいかなければならない。自分が自分のルールを決め、自分がその責任をとるのだ。
人生になんらかの物差しをあてて測定して人生の結果とするのはあまりにも小さすぎはしないか。
それよりも、何が起きてもひるまず、たじろがず、むしろ不敵な笑みを浮かべて取り組む生き方のほうが人間としても高貴ではないだろうか。
読む人は誰でも、自分の人生を肯定し、前に進む勇気が得られるに違いない。
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Posted by ブクログ
自分以外の誰かが定めた価値観に沿って生きようとするから不幸になる。
過去を悔やみ将来を不安がるのは、自分が描いた虚構の中で生きようとするからだ。今自分を包んでいる周囲を、借り物の価値判断の色眼鏡を通さずありのままに受け止め、見ようとするなら、その人の人生は幸せだと言えよう。愛というのは、相手を受け入れよう、史郎とする姿勢のことである。
読者へというよりは、自分に向かって呟いているような短いセンテンスの、静謐な語り口。「はじめに」の末尾でヴィトゲンシュタインのメモが引用されている。
「文章は、正しいテンポで読むときだけ、理解することができる。私の文章は、すべてゆっくりと読まれるべきだ」
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自分の脳を変え、人生を戦いの場ではなくする方法はいくつもある。
その一つは自分の認識の仕方をまるごと変えることだ。つまり、今まで抱えていた世間的な価値判断を捨て、、これからの日々に起きる事柄をすべてあっさりと受けいれてしまうという方法だ。
具体的には、できる/できない、好きだ/嫌いだ、成功だ/失敗だ、わかる/わからない、得だ/損だ、やや良い/やや悪い、早い/遅い、優れている/劣っている、美しい/醜い、若い/老けている、難しい/易しい、明るい/暗い、軽い/重い、等々といった相対的な考え方と言葉を自分からすっかりとっぱらってしまうことだ。
つまり、自分や他人を含めた現実の事柄に、自分から価値判断の色付けをしないようにすることだ。そうすると、どうなるか。つまらぬ想像がなくなり、恐怖も期待もなくなる。清涼感に似たものが自分の中に生まれ、物事が以前よりもクリアに見えてくるようになる。
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また仕事は確実に自分を変えてくれる。その仕事をやったかどうか、完成まで耐えられたかどうか、仕事の進捗にそって持ち上がってくるさまざまな障碍や問題を克服できたかどうか、その一つひとつが自分を変える。
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仏教の考え方に戻れば、心はもともと存在などしないというのが基本の思想だ。
だが、この考え方と論理はある目的のためにある。その目的とは、自分のなかでたえず揺れ動く心に振り回されて行動したり、苦しんだりしないためである。
その方法の一つとは、今の自分が何をほしがっているのか何をしたがっているのか、何に腹を立てているのか、を自分ではっきり把握することである。
してはならない行為をしたいと思ったとき、あるいはエゴイスティックな欲望を満たしたいという衝動が生まれたとき、その自分をもう一人の自分が肩口から見て、「おまえは何々したがっているのか」と把握するのだ。
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どこに誤解やくいちがいがあるのか、考え方のどのあたりがちがうのか、そして問題についてどう対処すべきなのか、言葉の数を増やし、話す時間を増やし、あきらめないで相手を理解するように努めていくべきだろう。
その我慢強い態度は、ほぼ愛と読んでもいいかもしれない。祖語や誤解を克服するこの愛に似た忍耐がなければ、暴力がしのびこんでくる可能性が高くなる。無視、強制的な従属、排斥、差別、非容認、攻撃、侮蔑といった暴力である。
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目次
はじめに
第1部 本当に幸福な生き方
1 「幸福」や「成功」という言葉に惑わされない
2 迷いながら生きる
3 自分の人生を採点しない
4 異質なものを排除しない
5 本当に実現したいことに向かって努力する
6 仕事そのものを楽しむ
7 自分を捨てる
8 清潔に生きる
第2部 悩むな、考えろ
9 世界を「知る」のではなく「生きる」
10 考えるだけでなく、言葉や行動で表現する
11 価値判断から自由になる
12 実体のない「心」に振り回されない
13 言葉にあざむかれない
14 言葉では説明できない世界があることを知る
15 他人を理解するための努力をする
16 言葉の向こう側にある思いを汲みとる
17 自分の中の「野生」を意識する
第3部 ニーチェが教える 力強い生き方
18 現実をすべて引き受ける
19 勇気をもって決断する
20 贅沢を味方につける
21 自分のルールで生きる
22 真の教師を見つける
23 本能にしたがう
24 相手を尊重する
25 洞察力を養う
26 人生を愛する
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