赤川次郎のレビュー一覧

  • くちづけ(上)

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    地方新聞20社に連載した長編小説。上下とも300ページ以上ある。

    17歳の少女を主人公に,父親,母親,祖父との4人暮らし。
    それぞれの男女関係を中心に展開していく。

    物語は,ややありえない話が多いものの,
    いろいろあると,そういうものかとも思える。

    殺人事件がなぜか発覚しない。

    後編の下へと続く。

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    2011年08月09日
  • 利休鼠のララバイ~杉原爽香 二十八歳の冬~

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    年に1回出る。
    主人公が杉原莢香である。
    雑誌などに連載している。
    表題が色に関するものである。
    いくつもの決まり事が成立しているが,
    最終回にはきっとどんでんがえしがあるのだろうと思う。

    ひょっとしたら,著者は、もう最終回を書いているのかもしれないという気もした。

    事件が多く,ひとつひとつが丁寧に書けていないのはしかたがないとしても、
    感情の機微が大雑把になるのは多少気にかかる。

    また、主な登場人物のプロファイルにでていない人で大事な人がいる。

    三宅舞との出会いである。
    この後,断続的に登場する重要人物である。

    それに対して,今回だけの重要人物が、弁護士の小沢だろうか。
    最後まで,油断できない。

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    2011年08月09日
  • ホームタウンの事件簿

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    ミステリーというのは不思議という意味に取れば、
    この短編集は不思議です。

    殺人なども起きるのですが、原因や結果の因果関係に納得感がややありません。
    背景の描写が十分ではないためでしょうか。

    主人公が誰かが分かりません。
    解説には笑ってしまいました。児童文学の方が、登場人物の一人の子供の視点で、
    自分の描写が少ないことを怒っています。すごい。この人は、この作品の本質を突いている。
    決して、貶しているわけではない。不満を述べているのだが、作家を傷つけないように、
    登場人物の言葉として表現している。この解説をよむためだけでも、本書は手に取るべきだと思う。
    川島誠。一度読んでみよう。

    短編の間のつながりは、同じ団地の同じ登場人物がいるというだけで、話の間の関係性がよくわかりません。
    社会の悪をあばいているのでもない。
    団地住まいを嘆いているわけでもない。
    家族の暮しを楽しんでいるわけでもない。
    それが、現代の団地の実情だと言いたいの?

    とにかく読んでみてください。

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    2011年08月09日
  • ゴールド・マイク

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    2人組の一人のあすかだけが芸能界で暗躍する事務所に採用される。
    なんども佳美との友情の危機が訪れるが、そこを助けるのが男友達の高林。

    あすかの物語でもあるし、佳美と高林の物語でもある。
    主人公たちの透明感ある性格描写は、赤川次郎らしい。

    大人の暗い社会に、若者の息吹が流れる。

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    2011年08月09日
  • 十字路

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    菅浩江の解説がよい。
    地方から東京へ出て来た人の思いが、よく表現されているとのこと。

    事件の発端の地方での話は、すこし現実味がなく、残念な感じ。

    東京での展開は、奇想天外で、天涯孤独になった人がいないのに、
    やや不思議感がある。

    全体としては、小説の質が高い方だし、未解決の問題もそれほど多くはない。

    解説がよい本は、内容もよい。
    よい解説を書く人の本は面白い。

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    2011年08月09日
  • 三毛猫ホームズの大改装(リニューアル)

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    雑誌と集合住宅の大改装を題材に、複雑な殺人事件を扱っている。
    現代社会の課題と、人間性を主題にしている。

    深刻な問題を、三毛猫ホームズという飼い猫と、晴美さんという片山刑事の妹の存在が、軽い雰囲気で題材を洗い流している。

    課題を真剣に考えることもできる。
    軽い読み物として読み流すこともできるかもしれない。

    ps.
    作者の意図は、読みきれていない。

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    2011年08月09日
  • 怪談人恋坂

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    赤川次郎作品にしては恐い部類に入ります。
    幸せ終わり(happy end)がよい人にはお勧めできません。

    9歳の少女が、16歳の姉とのかかわりが最初。
    少女が16歳になったときの、家族とのかかわりが最後。

    いつも坂にまつわる話がでてきます。
    何人の人がこの坂で亡くなるのでしょう。

    親子、姉妹兄弟、夫婦の間の軋轢を、これでもかというくらい追求します。
    最後まで生き残る人がいることだけを頼りに結末まで読み進みました。

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    2011年08月09日
  • ABCD殺人事件

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    井上刑事とその恋人の直子,井上刑事の上司の大貫警部のどたばた喜劇。
    人が亡くなっても,それほど深刻に取り扱わないところが赤川次郎流なのだろう。

    ABCD殺人事件
    真実一路殺人事件
    天地無用殺人事件
    無理難題殺人事件

    天地無用の落ちが,やや無理なこと。
    無理難題のつかみが,やや唐突で,うまくつながっていなこと,
    ABCD殺人事件の,レコードのAB面とCD(Compact Disc)との関係が本質的ではないこと,
    真実一路の千枚通しが,真実からはかけ離れていること。

    不満はいろいろあるが,大貫警部のおおざっぱな性格にくらべれば小さいことだろう。

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    2011年08月09日
  • 〈縁切り荘〉の花嫁

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    「花嫁と女神の微笑」では,大学の先生と若い女性の2つの組合わせの話が展開し,若い女性の元彼との宝くじにまつわる話がからみつく。

    「縁切り荘の花嫁」は,未婚の女性が住む縁切り荘から結婚する女性が出る話で,関係者が複雑にからんでいて,よくわからない。

    それでも,赤川次郎作品は進んで行く。

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    2011年08月09日
  • 三姉妹探偵団(18) 恋の花咲く三姉妹

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    三姉妹もので、意外に長女が大活躍するものが多いことに気がつきました。
    本書でも、舞台俳優として活躍します。
    前向きな態度、意思の硬さなど、長女らしいところがでています。

    事件は、複雑すぎて、それぞれの糸が、最後にきれいにまとまっていないような感じがしました。

    次女は、しっかりしているが、冷血ではないことがわかりました。
    三女は、けちな割りに、男性に対しては甘いということがわかりました。

    三姉妹についての記述は、不満はありません。
    他の登場人物の結末は、読者の想像にまかせるところもあるのでしょうか。

    本書だけでなく、三姉妹ものは、後日談でもいいので、多少の補足した記述が欲しいかもしれません。

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    2011年08月09日
  • 三姉妹探偵団(16) 三姉妹、呪いの道行

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    長女の綾子(あやこ),次女の夕里子(ゆりこ)と、その恋人国友刑事、三女の珠美(たまみ)のドタバタ喜劇だけどやや怖めの話。
    殺人,自殺, 強盗,詐欺の4大事件のうち何が怒るか予断を許さない。
    なんでもあれの活劇。

    4人が登場するのがお約束。
    最低限4人が死なないことだけがお約束。
    父親が現れないのはその次のお約束。

    抱腹絶倒間違いない。

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    2011年08月09日
  • 保健室の貴婦人

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    意外性があって面白く読めました。

    保健室に来た早乙女俊子を、標題で「貴婦人」と呼んでいる理由が分かりませんでした。

    刑事だったのか、
    学校の経営者の血縁なのか、
    本当の高貴なお方なのか、
    読者の想像にまかせることがあってもいいとは思いますが、
    気になります。

    最後が急激に終わりすぎていて、
    未解決の問題がありすぎるかも。

    なぜ、ミキはクラリネットで登場したのか。
    父親の逮捕で立ち上がれないのではないのか。

    ミキがクラリネットをふいているところへ、2人が登場して励ますのならわかりますが。
    再考をお願いします。

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    2011年08月09日
  • 濡羽色(ぬればいろ)のマスク~杉原爽香 二十九歳の秋~

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    新プロジェクトの立ち上げで活躍する杉原爽香。
    女性の活躍は見ていて気持ちが言い。

    それでも、いろいろな障害がある。
    仕事の障害ばかりでなく、知人や家族の問題に巻き込まれる爽香。

    社会的な視点と個人的な視点とが錯綜する物語になってきている。

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    2011年08月09日
  • おやすみ、夢なき子

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    赤川次郎の暗い長編小説

    推理小説というよりは、「夢をみない」という現象を探る,社会派に近い作品。
    家族問題を抱えた大人,性癖は直らない。

    自分の子供ができたときに、初めて大人になるという。
    赤川次郎自体を、映し出したような作品で、重みも深みもある。

    現代の子供の中にも歪んだ映像が映し出されているかも。

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    2011年08月09日
  • 大変身! ママの七つの顔

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    ちょっとした人助けのつもりが、逆恨みされる。
    人助けしたのに、殺人をしたと疑われる。

    それでも子供可愛さに、生き続ける母親力。
    さすがというしかない。

    何度も銃弾の下をかいくぐるのは、物語だからであって、
    現実なら2度は死んでいるだろう。

    最後に大立ち回りのあげく、離婚はするものの、新しい人生が始まる。

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    2011年08月09日
  • 赤いこうもり傘

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    フェンシングとバイオリンが得意な少女。
    父から貰った赤いかさを、フェンシングのように操る。

    バイオリンを持った青年との出会い,
    コンサートの練習,
    イギリス人。

    謎を含みながら,奇想天外な結末へと進む。

    映画の台本に似合いそうな筋書き。
    ぜひ、実演を期待したい。

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    2011年08月09日
  • 闇に消えた花嫁

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    女子大生・亜由美と愛犬ドン・ファン、友人の聡子、刑事の殿永、恋人の谷山助教授。5人のどたばた喜劇。

    立ち止まった花嫁は、いれずみをした少女といれずみをした先生の関係がクライマックス。

    闇に消えた花嫁は、最初に消えたのは花婿の方という、多少のわかりにくい標題。

    いずれもどたばた殺人事件で、人がなくなったことへの重みがやや薄いのが難点かも。

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    2011年08月09日
  • 秘密のひととき

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    軽読みできる短編集。収録は
    路地裏の天才
    名優キャット
    生きる歓び
    眠れ、よい子よ
    気まぐれな犯罪者。

    路地裏の天才では、河田美智は、抜けられると言や抜けられるけど、抜けられないと言えば抜けられない路地に入っていく。

    2度目に読んだとき,はっとすることがあった。軽読みしていたときには気が付かなかった,赤川次郎の背景。
    赤川次郎の闇の一部が,薄く,静かに,広がっている。
    路地裏の天才 は,やらせだった。主人公の誠実さが光る。
    名優キャット は,秘書の一途なところが光,主人公の妖艶なところが煌めく。
    生きる歓び は,後悔先にたたず。
    眠れ、よい子よ は,腹違いの妹との衝撃の出会い。
    気まぐれな犯罪者 は,お金持ちのお嬢様のおばさん版。幸せ終わり。
    深いところに人間味をちりばめている。
    悲しい中にも幸せがあることを書こうとしている。

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    2011年08月09日
  • 日の丸あげて

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    現代社会での怪談。
    恐いだけでなく、登場人物の誰かは、人間味があるところが赤川次郎流。

    失われた顔
    日の丸あげて
    路地裏の戦争
    恋するビデオテープ

    どの作品にも、透明感のある人物、真摯な人物、思いありのある人物の誰かが登場する。

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    2011年08月09日
  • 三姉妹探偵団(17) 三姉妹、初めてのおつかい

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    佐々本綾子14歳、夕里子11歳、珠美9歳の時の事件。
    叔母さんの家に泊まりに行くところから、事件が始まる。

    いくつもの事件が、からみあって、最終場面にたどり着く。
    三姉妹以外の登場人物の結末は、必ずしも納得がいくものではない。

    人間味あふれる刑事が登場することは、作品の副題、いや主題なのだろうと思う。
    ちょうど、三毛猫ホームズ シリーズの片山刑事のようだ。

    最後に大学生らしい国友が登場するところが憎い。

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    2011年08月09日