高里椎奈のレビュー一覧
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序章を読んだときはちょっとびっくりしたけど。
そーいうことかー。って別に驚く結果でもなかった。
最後の頁についても、散々布石があったわけだから、予想の範囲内。
それよりも表現が回りくどくて読みにくさが一層増してるような…?
偽王伝時代のキャラが……。クレノイアとかアーヴィングとかもどんな為人かも忘れてるというのに、最近のキャラ・レンテンすらも「あー、どんな人だっけ?というか何故出てきた?」状態。
キャラのわからなさはハリポタに匹敵すると思う。
とここまでウダウダ言っといて、なんだかんだでここまで読んできたからね。
とりあえず、きれいに終わってくれることを望みます。 -
Posted by ブクログ
“『強くなって、ギル兄様の役に立つ兵になります』
兄の為に手に取った棒を握り締めて、立ち尽くすフェンベルクの真っ直ぐな視線がギルフォードの心臓を灼く。ギルフォードは何も答えずに背を向けた。
「フェンベルクを捕らえよ。独房に監禁して、何人たりとも面会は罷り成らぬ」
「兄様!」
ギルフォードは父王とルース宰相に口を挟む隙を与えず、翌日早朝、罪人の護送馬車に捩じ込んで、フェンベルクを海へ流した。
フェンベルクに流れる血を疎み、彼女を陥れようとした黒幕は判明していない。しかし、そういった動きが王城内にあった事は目を背け難い事実だ。
彼女を海に放して以降、ギルフォードへの圧力は増し、フェンベルクへの罪悪感が彼を今まで以上にストライフ王国へ服従させた。
挙げ句の果てが、この有り様だ。
ギルフォードは冷徹な牢獄の壁を見上げて、焦点を宙へ弛めた。
「海の向こうにはグールの国があると聞く」
「本当ですか?」
ギルフォードが話しかけるでもなく独白めいて言葉を落とすのも、それを壁の向こうで逃さず拾って応えるカーズも、王族の体質と士官の癖が沁み付いている所為だと思うと自嘲する笑いが込み上げる。
「だから、グールは大枚を叩いて海へ逃げる。情報が劣化して、今では西方へ辿り着く事が目的に変わったようだが」
「元帥はそれでフェンベルク様を海にお流しになったのですね」
「……いや、罪悪感を紛らわせ、何処かで生きていると思いたかった言い訳だ」
「本当ですか?」
再び聞き返した声はカーズではなかった。
男でもない。大人でもない。ギルフォードが壁に寄りかかった身体を起こすと、鉄格子の外で少女が息を切らして肩を上下させている。
打ち身で肌は鬱血し、ブーツは雪に濡れて黒く変色して、床に足を引きずった跡を残す。顔も銀の髪も泥に浸して、フェンベルクが立っていた。”
長かった。
フェンの壮大で時に過酷だった旅も、一度幕を閉じる。そう、一度。
彼女が居場所を手に入れられて良かった。
身を、名を、存在を捧げた偽王に、祝福を。
“「ありがとう。でも、私はもう自分に価値がないとは思ってない」
力はない、運命もない、英雄にはなり得ないけれど。
「ここまで歩いて来た道は、私が選んだ道だ。自分の足で歩いて来た道だ。そこで出会えた人達の事は信じられるから。皆が一緒にいてくれる『フェン』は生まれて来た意味があったと胸を張って言える」
生きる事自体に意味はないとテオが言った。
役に立つ事を、コンフリーの領主は欲だと言った。
フェンはギルフォードの役に立って、彼に認められたかった。責任も束縛も彼に押し付けて、与えられる事ばかりを待っていた。フェンの傲慢な我儘だ。
「皆が助けてくれたから私はここにいるの。だから、今度は私が皆を助けたい。誰かに褒めて貰う為ではなく、自分自身の為に、私に出来る事をしたい」
言ってみて、矛盾に気が付いた。
「やっぱり我儘だ。ごめん」
ロカが伸ばした腕でフェンを壁に押し付ける。俯く彼の瞳から涙が零れている。アシュレイがフェンの頬を叩き、サチが銀の髪をかき混ぜる。
嬉しい気持ちはもう知っている。
フェンは額をロカの頭に付けて破顔した。” -
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“「分かり難いけど、穴が見える?」
テオとサチが身を屈めて目を眇める。
「この、兎の巣みたいな奴?」
「塀の内側が腐って抉れてるから、見た目よりは通り易い。私が知っている中ではここが一番大きいの」
泥と腐った木の匂いと髪を引っかける枝葉が気にならなければ、テオでも何とか身体を捩じ込めるだろう。
「先に行って、中から手伝うね」
フェンは爪先で穴の入り口を削り、右腕から肩、頭と穴に滑り込ませた。
「……フェンはお姫様だったんだよな?」
「うん?だからこれを知ってる」
窮屈は王城は退屈で、フェンは毎日のように抜け道や隠れ家を作って遊んでいたが、まさか帰郷に役に立つとは思わなかった。
「何ていうか改めて見ると、オレのイメージとか夢とかそういう……」
フェンの身体は殆ど穴に収まり、耳元で蔓草の葉が擦れ合って、サチの声がよく聞こえない。
「諦めろ。彼奴のあれは性格を通り越して天性だ」
「破壊的」”
故郷に帰ったフェンを待ち受けるものとは。
企みが見えるようなまだ見えないような。
早く続きが読みたい。
“銀の髪の英雄と偽王はどちらもフェンを示す言葉だが、等しくは一致しない。第三者が名付けた呼称と本人が名乗った偽称という差もあるが、まず偽王は銀の髪ではなかった。偽王を名乗りを上げた時、フェンが髪を染めていた為だ。
ルースは一度でも、フェンを銀の髪の英雄と呼んだだろうか。答えは、否。
銀の髪は必要ではない。銀の髪でなくても利用は出来る。
(寧ろ、ルース兄様は邪魔にしている?)
ストライフでは不吉と忌み嫌われたが、象徴に使うには分かり易くて打って付けの奇異な外見だ。にも拘らず、ルースが銀の髪を隠させるのは何故だろう。
五月蝿い水音が集中する意識の外へ遠退いて、蓄積された情報が瞬きするごとに角度を変えて入れ替わる。
(髪の色、色、色素)
過去にそんな話をした人がいた。
『他の血が混じると極端に色素の薄い子が生まれる』
フィー・バーフューの頭領、アベルだ。
フェンは川縁から身を乗り出し、月明かりを照り返す水面に髪色を映した。” -
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まだまだ序章という雰囲気が伝わってきた。
フェンという、これから成長していくであろう少女の
生い立ちと岐路を綴った一冊。
ストライフとラークスパーで
分割されている印象を受けたけど、
片方づつだけでもっと膨らませて一冊いってもよかったんじゃないかなあと思った。
特にストライフ編はもっとじっくりやった方が、
基盤がしっかりしたんじゃないかなと。
全体通してみないとなんとも言えないけど
フェンがとっても魅力的。
今はまだ真っ白だけど、この先どんな風に成長して
意志を持っていくのかがとても楽しみ。
サキもいいキャラクター。
このさき絶対フェンにとって重要な存在になると思うのだけど。
続きよんで確認したい。
ラストのテオの告白は、いままで自分を信じてこられなかったフェンを支える大切なシーンで、このシーンで救われて本当によかった。
ここからフェンの世界が動き出して、
物語が始まるってことなんだろうなあ。
一つだけ、地の文が読みにくくて、私は苦手。
内容がするする入ってこなくて、ちょっと集中力を必要とされるのが辛かった。
でも続きを読んでみたいと思う一冊 -
Posted by ブクログ
続きは古本で安く売ってたら買うかなぁって感じ。ストーリーやキャラクターは面白いと思うし、ラノベとしては悪くない部類に入るけど、オビのいう「最高のハイファンタジー」にははるか遠く及ばないと思う。少なくとも、守り人シリーズとか、十二国記の水準には少しも到達してはいないだろう。そう呼ばれるには、この作品は少し俗っぽすぎて、異世界の空気感を構築し足りていないと思う。
その差は作者の力量の差ともいえる。細部のことを言うと、キャラクターのわずかな動作を伝えるために文が長くなりすぎてテンポを崩してしまったり、逆に短すぎて何が言いたいのか分からなかったりしていた。
次に全体を見ると、構成のバランスが悪く感じた。最初、戦場のシーンに力を入れて書きすぎかな、と思ったがそれが後々伏線になっていたことが分かるので、それはいいんだけど、途中出てくる大好きなお兄様の素敵さが伝わってこない。短すぎる。そしてテオに出会うまでの経緯が長くて重くて暗くてダレる。ここの長さには少しも意義を感じなかった。もう少しまとめられたのでは。 -
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薬屋探偵妖綺談シリーズの第9弾。
高遠がバリバリ働いてました。來多川がちょっとイラっと来るタイプだったんですが、彼のおかげで高遠がすごい男前に見えた(笑)いい引き立て役だったんですかね。
一方、薬屋の方は秋とリベザルが鳥籠について一生懸命だったのは微笑ましかったです。本来の仕事からちょっと遠のいてるようですがもうなんでもありです、このシリーズに関しては。
今回の個人的オススメポイントは高遠がリベにキーホルダーを買ってあげてるところ。それから、秋とリベザルの花花会議。和みました。可愛いなぁ。あとはラストの秋も好きですが。
お話自体はなんか読んでいてどこかズレてる?という感じがありました。読み終わった結論としては、早とちりやら勘違いが生じてたってことでしょうかね。つまり騙されたのか? ちょっといつもよりなんかが悔しい。