高里椎奈のレビュー一覧
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植物に取り憑かれたかのような、不可解な姿を晒す遺体。さらにその山村には外から人が入れないという・・・。交通課ながら刑事の真似事を頼まれた悠竒は、この村出身だということが原因で現場に行けたものの、なかなか捜査は進まない。寂れた山村で連続して起こる事件の真犯人はいったい誰なのか??まるで出口をふさぐかのように崩れたトンネル。妖の仕業か、まやかしか。そのうちに依頼者とともに暮らす二人が死に、極度の緊張が一同を襲う。真相を突きとめるべく依頼を受けた、秋・座木・リベザルの薬屋三人組が現地で見たものとは――。
今回はザキの出番がホント少なくて寂しかったです。私の大好きなのは誰が何と言おうと座木なのっ・・ -
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“「小さいな……」
到底、太刀打ち出来ない。
「手を拱いて見届けたくないと思うのは、義務でも常識でもなく、きっと関わりたいと願う貴方自身の心なのですね」
「そこまでお人好しじゃない」
サチは苦笑いを口の端に留め、水流を抜けて供物を飛び越え、祭壇の階段を上まで上がった。
「きゃっ」
サチが手首を掴むと、ミナヨビが驚いて小さく悲鳴を上げる。
サチはいつも通りの力の抜けた笑みで身を屈め、彼女の顔を覗き込んだ。
「君の名前は?」
「私はミナヨビの……」
「巫女になる前の、君自身の名前を貰って行く」
「!」”
短編集、前日談。
読みやすかった。
ところどころ、名前だけじゃ忘れてる人もいたけど、読んでる -
Posted by ブクログ
序章を読んだときはちょっとびっくりしたけど。
そーいうことかー。って別に驚く結果でもなかった。
最後の頁についても、散々布石があったわけだから、予想の範囲内。
それよりも表現が回りくどくて読みにくさが一層増してるような…?
偽王伝時代のキャラが……。クレノイアとかアーヴィングとかもどんな為人かも忘れてるというのに、最近のキャラ・レンテンすらも「あー、どんな人だっけ?というか何故出てきた?」状態。
キャラのわからなさはハリポタに匹敵すると思う。
とここまでウダウダ言っといて、なんだかんだでここまで読んできたからね。
とりあえず、きれいに終わってくれることを望みます。 -
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“『強くなって、ギル兄様の役に立つ兵になります』
兄の為に手に取った棒を握り締めて、立ち尽くすフェンベルクの真っ直ぐな視線がギルフォードの心臓を灼く。ギルフォードは何も答えずに背を向けた。
「フェンベルクを捕らえよ。独房に監禁して、何人たりとも面会は罷り成らぬ」
「兄様!」
ギルフォードは父王とルース宰相に口を挟む隙を与えず、翌日早朝、罪人の護送馬車に捩じ込んで、フェンベルクを海へ流した。
フェンベルクに流れる血を疎み、彼女を陥れようとした黒幕は判明していない。しかし、そういった動きが王城内にあった事は目を背け難い事実だ。
彼女を海に放して以降、ギルフォードへの圧力は増し、フェンベルクへの罪悪 -
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“「分かり難いけど、穴が見える?」
テオとサチが身を屈めて目を眇める。
「この、兎の巣みたいな奴?」
「塀の内側が腐って抉れてるから、見た目よりは通り易い。私が知っている中ではここが一番大きいの」
泥と腐った木の匂いと髪を引っかける枝葉が気にならなければ、テオでも何とか身体を捩じ込めるだろう。
「先に行って、中から手伝うね」
フェンは爪先で穴の入り口を削り、右腕から肩、頭と穴に滑り込ませた。
「……フェンはお姫様だったんだよな?」
「うん?だからこれを知ってる」
窮屈は王城は退屈で、フェンは毎日のように抜け道や隠れ家を作って遊んでいたが、まさか帰郷に役に立つとは思わなかった。
「何ていうか改め