末永裕樹のレビュー一覧
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女に落語は出来ない、と昔は言われていた。
女だからと弟子入りを断ることもあった。
そんな落語界の大看板の1人である蘭彩歌うらら師匠。
そのうらら師匠の師匠、蘭彩歌しゃ楽。彼もそう言っていた1人であり、女だけでなく「弟子」をそもそも取ることがなかった。そのしゃ楽が得意とするのが遊郭の噺。自分以外に自分の噺を出来ると思わなかった。だから弟子を取らなかった。
しかしそのしゃ楽が唯一弟子にした人物、それがうらら師匠だった。
そんなうらら師匠に噺を教えて欲しいと頼むあかね。
あかねの演じる花魁とは。
”お茶くみ”を演じることの真の意味。
キッパリと噺を教えることを断った八正師匠はあかねの噺を聴いて何を思うのか。 -
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しっかりと新しい茶葉に変えてお茶を出したというのに、でがらしの茶葉でお茶を入れられたと難癖を付けられたあかね。それを前座頭である朝がお兄さんも謝るが新人潰しこと今昔亭りゑんは以前朝がお兄さんの師匠を馬鹿にした時の話を持ち出し、更に嫌味を重ねる。
朝がおも師匠が馬鹿にされ相手を殴ってしまったことから昇進が伸びてしまったのである。
朝がおは師匠が。あかねは前座頭である朝がおが。それぞれお世話になった人を馬鹿にされ、「お世話になった人馬鹿にされて怒らない人居ないでしょ!」と意気投合する。
そして次の日の公演にて、開口一番の高座に望むあかね。
そこで行ったことは、良い事なのか、悪い事なのか。
確かにスカッとした。
自分の中で溜まってる鬱憤は晴れ、朝がお兄さんを悪く言うりゑんに仕返しが出来た。
でも、失ったものもある。
新しいものを得る時は簡単でも、失ったものを取り戻すのは簡単ではない。
一時の気持ちに身を任せて高座をしてしまったばかりに信用を取り戻すのには苦労する。だけど、中にはそれが面白いと思う師匠もいる。
色んな師匠の、兄さんの噺を聴いて聴いて色んな事を吸収していくあかねから目が離せない!! -
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二度目の「寿限無」を見事話し終えたあかね。
いつも感じる可楽杯特有の熱気はどこへ。
技術を競い合う場から、客席はもはや話を聞く場へと変わっていた。
最初にこぐま兄さんに披露した寿限無が如何に空っぽだったかがよくわかる話だった。
あかねの語る二度目の寿限無。寿限無という噺の始まりを知って、そしてそれに込められた登場人物の気持ちを知って、だからこそ演じ切ることが出来る。あかねの噺ではない。寿限無という子供の事を思って名付けた親と子の愛情話に客席は大拍手を送る。
そして審査員である、阿良川一生の一言。
今までの出演者にはよそ行きの笑顔で、よそ行きの気を使った褒め言葉をはなっていた彼からは、本当に一言。
「お前」
「ここはお前が来ていい場所じゃないって
分かってるよな?」
とよそ行きの顔も言葉も忘れて問いかける。
一生師匠からの一言は、それだけだった。
その意味とは、あかねは、からしは、すぐに理解する。
素人の大会をプロが荒らしてんじゃねぇ、
からしもひかるも、
あかねの相手にすらなっていなかったのだ。
そして優勝者に与えられる一生師匠との対談。
そこで語られるあかねの父の破門の理由。
あかねはその理由を知り、一生の落語に対する気持ちも「真打」というのがどういうものなのか、
真剣なあかねに対して一生師匠も真剣に答える。
あかねはまた1つ、前へ進めた気がする。
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ネタバレ可楽杯がスタートする。
あかねのライバルとなる2人が登場。
その1人、練磨家からし。
彼は、好きな物?ーーお笑い、と答えるより、好きな物?ーー落語、と答えた方が通っぽい。そんな理由で落研に入った。
そして落語をきいてつまらないと感じる。
寸って何?cmで良くない?など、落語で多用される昔の語りが落語をつまらなくさせているのだと思ったのだ。
だから、現代人が好むように話を現代風に言い換えて、自分なりのエッセンスを加えて話す。
それが彼の落語。それが至高だと信じてきた。
そしてもう1人、高良木ひかる。
声優としても活躍する彼女の観せる落語は、とにかく演技が上手い!
兎に角演じ分けが上手く、そしてそこに感情すら乗せて喋る。
人情話を持ってきたら、観客の心は掴まれる。私の力を、実力を、認めてもらう。そう思って落語に挑んできた。
マネージャーも語る。ひかるの負けず嫌いでがむしゃらな性格。沢山練習を重ねてきた。優勝するのは彼女だ、と。
そんなライバルの演目が終わり、あかねの出番になった。
ひかる目当てだった客もおり、席を立つ人も目立つなか、2度目の「寿限無」が始まるーー -
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ネタバレ居酒屋「海」にて「気働き」を覚えたあかね。兄弟子の享二に営業先で披露する。
今までのあかねの落語は、ただの落語の押し付け。豪速球をボールにしてるようなものだったが、教えて貰った気働きで、会場のお客さんの心をしっかり掴み、成長を見せる事ができた。
終わった後のあかねは「また少し落語を好きになれそうです」と享二に向かって笑う。
始まる前には髪を結び、終わった後は髪を解く。
何気ないその仕草ってあかねにとって多分スイッチで、
読んでる私たちにも何か惹き付けられるものを感じる。
さて、営業先でのお披露目が終わった後は、あかねの進路についての二者面談。
落語家になる、というあかねに先生は一時の勢いで博打のような進路を決めるべきでは無い、進むべき大学を決めるまでずっと面談を続ける、と厳しく突き放す。
しかし、そんな先生に第一話であかねと喧嘩し嘘泣きしていたジャンボが「あかねの覚悟をちゃんと見て欲しい」と先生を落語の寄席に誘う。
そこで見たあかねの姿はーー
そして、学生落語選手権大会「可楽杯」への出場。
アマチュアの大会に出ると言うことは、「私はプロじゃありません。アマチュアです。といっているようなもの」
既に志ぐま師匠に弟子入りが決まっているあかねにとって、それは大変不義理なことだと兄弟子は咎めるが、あかねにはその大会になんとしても出たい理由があった。
そして師匠に相談すると、出場を認める代わりに、ある条件を出されるーー -
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溜めて溜めて
丸ごと阿良川まいけるの巻。
今までどういう仕事をしてきたのかもあまり描かれてなかったのが
この巻で一気見せ。完全悪役のアフロ師匠のモノローグも展開に
利いてます。目頭が熱くなります。