あらすじ
破門騒動以降、挑む者がいなかった真打昇進試験の舞台に上がったまいける。志ぐま一門を嫌う阿良川全生により窮地に立たされたまいけるが魅せる策とは…!? 弟妹(きょうだい)弟子達が固唾を呑んで見守る中、これまで明かされることのなかったまいけるの思いが明らかになり、因縁の舞台にとうとう決着がつけられる――!!
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Posted by ブクログ
真打。
落語家において最上位を意味する。
寄席でトリを務めることも出来るし、弟子を取ることも出来る。
そんな真打。阿良川の真打は、他の一門に比べて極端に少ない。
それは、阿良川で真打とは、「芸を極めし者」の事を言う。あかねの父、志ん太も食らった破門騒動。それによりより一層険しい道になってしまったのだ。
その真打に、あの一件以来初となる昇進を目指す者がいる、それがまいける兄さん。
審査するのは、審査する会場は、志ん太が破門された時と同じ面子で同じ場所。
それぞれの師匠が思う事はあるだろう、突き詰める一生師匠もわかる。でも、全正師匠だけは、ゲスい。ほんとゲスい。
全正師匠により作り上げられたクスリともしないただ緊張にだけ包まれた空間。まいける兄さんが何をしようと何も変わらない。それをあえて作り出した。この人がどれだけ凄かろうと尊敬は出来ないと思った。
そして、まいける兄さんの観せる演目の意味を知った時、涙が溢れてちょっと先が読めなかった。
なぜ落語をしたいのか?
1人で出来るから。
金髪じゃないと自分じゃないと言っていたのに黒髪に染めたのは、
もう自分が、一番弟子だから。
兄弟弟子に構うようになり、
色んなやり方で落語を極めてきた
そして、真打試験
全く同じ状況で、
志ん太兄さんの得意だった人情噺で、真打になる。
志ぐま一門、最高かよ。
号泣でした。
Posted by ブクログ
今回は、一冊を通してまいける兄さんの真打昇進試験の模様が描かれる。おちゃらけイメージばかりで、ちゃんと落語やってる場面は描かれてこなかったけど、ここで一気に株を上げるの巻。にしても、師匠の頑迷さは老害と言って差し支えないんじゃないか。いけすかんアフロ眼鏡が、今回、若干マシキャラに寄る気配が垣間見えるだけに、師匠が際立ちますわな。
溜めて溜めて
丸ごと阿良川まいけるの巻。
今までどういう仕事をしてきたのかもあまり描かれてなかったのが
この巻で一気見せ。完全悪役のアフロ師匠のモノローグも展開に
利いてます。目頭が熱くなります。
まいける兄さん
まいける兄さんの思いがぐっと…すっと…入り込んでくる一冊でした。
胸が熱くなり、夢中で読みました。
まだまだ続きが楽しみです。
Posted by ブクログ
深夜に胸が熱くなりました。
一巻丸々、真打昇進試験に臨む阿良川まいけるのお話。
サブキャラに一冊九話全てを注ぎ込み、起承転結でキレイに収められていました。
落語漫画ですが、「ONE PIECE」や「僕のヒーローアカデミア」のようなバトル漫画を読んでいる様な迫力、勢い、熱量がこの漫画にはあります。
阿良川まいけるが一躍推しに浮上しました。
Posted by ブクログ
表紙にあかねちゃんがいらないくらいなマイケルさんの「たちきり」。残された人の、去った人への思いが感動を生む。噺だけでも「おおっ」となるのに、そこに志ん太さんへの思いがのっていて。
この噺を作った人すごすぎ。
誰にもある辛かったり切なかったりする別れ。断ち切れない思いを、線香が立ち消えることで、物理的にぶつっとナイフで切られたような感覚になった。これは涙こみあげる。