あらすじ
先代志ぐまこと柏家生禄の芸に魅せられ、弟子入りを果たした若き日の一生と志ぐま。尊敬する師匠のもとで芸を磨く二人だが、ある日を境に穏やかな日常が一変する――。うららから阿良川一門誕生秘話を聞かされた朱音は…!? 高校生のお笑いを描いた青春読切「タタラシドー」も収録!
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Posted by ブクログ
うらら師匠に先代の志ぐまとはなんだったんだ?と尋ねたあかね。
うらら師匠は語る。
先代志ぐま、まだ柏屋生禄だった時のこと。
ただのゴロツキだった2人は弟子入りを志願するが、断られる。その時に掛けられた言葉は、「志すのがこの仕事でいいのか」という言葉。
帰り道、イザコザを起こしたヤクザと出会い、彼が生禄に対し「落語の隊長」と言った理由を尋ねる。
それは戦時のこと。
激戦区に配置された毎日は地獄のような日々で何も見たくない、聞きたくない、そう思う日々ばかりだったけど、彼の語る落語だけは鮮明に聞こえた。
なんでこんな戦時中なのに平気なんだ、と尋ねたら
「楽しい時は笑う!悲しい時は泣く!落語家が人間やめたらお終いだろ?」
思わず胸を打たれた。
そんな話を聞いた2人はゴロツキから卒業し、生禄の元で住込みで見習い修行を始める事になった。
見習いになった。落語を覚えていった。しかしいつの間にか席に立たずに2年が過ぎた。
それは、ヤクザと揉めたゴロツキを高座に上げるなという生禄師匠のお師匠様である三禄からの命令であった。
師匠の命令は絶対。
2人が高座に上がることはない。
そう思っていた時、生禄に高座に出ても良いと告げられる。
三禄師匠も芸には目がないから、きっと大丈夫だ、と。
しかし三禄師匠に呼び出された生禄師匠は究極の決断を迫られる。
三禄を継ぐか
ゴロツキ2人を破門にするか
生禄師匠は少し考えてカラカラと笑う。
何が大事なのか、自分が何を大事にしているのか、ちゃんとわかっている人なんだと感じた。
志ぐま師匠は知っていた。知ってしまった。自ら破門してくれと頼んだ。生禄師匠のお陰で「人間になれた」と。
一生師匠は知らなかった。そして演目をやってから知った。
そして破門された3人は新しい名前を一門を作る。それが阿良川の始まりだった。
一生師匠は言う。
償わないと。一生かけて。
だからこそ、阿良川の真打は芸を極めし者であるのかもしれない。中途半端な阿良川はいらない。生禄師匠が掘り起こした阿良川一門は絶対的な存在である必要がある、と一生師匠は考えてるんじゃないかと感じた。
1巻通して先代との関わりを知れて話しがまたグッと深まった。今後、一生師匠と関わっていくことになるあかねや、他の師匠の元に預かりになった兄弟子達、ライバル、どのように化学変化していくのか楽しみである!
あの二人と
あの二人と、師匠の過去の出来事が描かれる。
そして二ツ目になったあかね、二人目の師匠からは芸について
禁止と言い渡されるが、これが敢えてなのか本気なのかがわからないのだな。