末永裕樹のレビュー一覧
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佳境を迎える可楽杯の三巻。
表紙を飾った3人の実力が抜けていて、優勝を争うことになるのですが、三者三様の落語の甲乙はどのようになるのか、といったところで決着は四巻へ。
ラスボスである阿良川一生。出場者へ向ける彼の感想の一言一言が怖くて怖くて。
若手新人に理解のある大家という仮面をかぶって、本音を差し込んできているというのがねぇ。怖いですね。その隠された本音に気づくことができなければ、この先はないよ、という見切りを突きつけているのがね、怖いです。
それは圧倒的な自分の実力を信じているからでしょうね。怖い怖い。
何気に「寿限無」の中身が理解できて楽しかった可楽杯。選んだ言葉の意味合いって、聞き流してしまっているからか、記憶になかったものでした。
阿良川一生と志ぐまの間の因縁をちらちらさせた三巻最後。このヒキはずるいよな。 -
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兄弟子やバイト先の面々から学びを得て、日々精進するあかね。成長を続ける彼女が挑むのは、学生落語選手権大会「可楽杯」。その審査委員には阿良川一生が待ち構えます。父親との因縁がある彼の存在は、当面のラスボス。あかねのレベルアップを見せつつ、大きな存在との因縁を回収しようとする展開。
落語という見慣れないジャンルであるけれど、物語は王道をゆきます。
これってあれだ、『アイシールド21』で感じたわくわくさと同じだ。
見慣れない聞きなれないジャンルの物語ながら、王道の展開に引き込まれてゆく楽しさ。いいね。こぐま兄さんの「知るおもしろさ」というのが体現されていると思います。
漫画だけでなく、さまざまな娯楽には「知るおもしろさ」が隠れているというのが自分の思いであって、それぞれの作品で知ることができた知識が、違う場面で繋がったりすることが大変に嬉しい瞬間です。雑学の喜び。
知識を溜め込んで、知恵として醸成、それが教養になっていくんじゃないかな、と思います。
進路相談で「落語家になるから就職も進学もしません」と宣言したあかね。チャットモンチーのエピソード思い出しました。一見そうは見えないけど、心中にはぶっとい柱があるのです。そういう人は魅力的です。
可楽杯を勝ち進んでラスボスとの対決!となるかどうかは3巻のお楽しみ。
上り調子に来ているけども、それだけでは打ち破れない存在が立ちはだかる。そこで自分が歩んでいる道行きの、深さ遠さ細さを知るというのも王道です。
困難に立ち向かう姿。それもまた人の魅力です。 -
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ジャンプの新連載「あかね噺」。落語という新ジャンルでジャンプの激戦を勝ち抜いて行けるのか。
真打に昇進できなかった父親の無念を晴らすべく、主人公である娘のあかねが落語界をのし上がってゆく、といった物語になるはず。ここは王道と言えるのではないでしょうか。あかねの行動原理がわかりやすくていいです。
今後どうなってゆくのかなんですよ。個人的には、主人公であるヒーローやヒロインって、何かしらの狂気を秘めているものだと思っていて、それが心の裡に収めておけないほどの熱量となって爆発する様が好きなんですよ。
その瞬間がいつ訪れるのか。そして、落語というお客さんありきの物語の舞台で、どうあかねが表現できるのか、です。
自分自身の狂気だけだと兄弟子の享二がいったような「身勝手」になってしまうのが辛いところかな、と感じています。
演者の狂気が、観客にも伝播していく様が魅力だったのが「アクタージュ」だと思うのですが、あれは残念な形で終わってしまいました。しっかり罪を償ってください。
演じる人の狂気を感じて怖かった、けど読むのが止まらないという作品は恩田陸の「チョコレートコスモス」でしたね。狂気の先にある世界へいく手前の描写。あれは主人公でなく、ライバルの心理でしたけど。
引き込まれてゆく感覚が、恐怖からくる拒否感と、その先を見たいという欲望が同時に存在してたまらなかったのです。二つの感情が対立するのでなく共存していたのが、魅了されているなぁ、と感じたまりませんでした。
「あかね噺」でも、その瞬間が来ると期待したい。