鶴田謙二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレエマノン・シリーズの3冊目。今までの「おもいで」と「さすらい」が短編集だったのに対し、この「まろうど」は中編2作をまとめた形です。
形式の違いとともに、主題も少し違います。
前巻までは人と地球の関わり、言い換えれば環境問題的な視点が強かったですが、「まろうど」は人と人の繋がり・関わりに重点が移ったように感じました。
私自身は、前の2冊の方がキレが良くて好みでしょうか。とはいえ、「まろうど」も兄妹や親子の感情の動きが楽しく、サクッと読み終わりました。
3冊続けて読んでいて、リアルな世界に非現実がごく自然に溶け込んだ独特の「現実」が心地良かったです。何が現実で何がフィクションなのか、境界がボヤ -
Posted by ブクログ
ネタバレ原始生命時代から人間に進化した今までの全ての記憶を持つ女性・エマノンの旅を描く短編集で、「おもいでエマノン」の続巻。世界のあちこちで出会った相手側の目線で、各編が進みます。人間の文明化の影響で悲鳴をあげている生物や地球そのものの悲鳴にエマノンが応えていく……という社会派的な色合いが強くなってきた気がしました。
それが特に顕著だったのが、最後に収録されている「いくたびザナハラード」。そんな人類は滅亡すべきなのかどうか、主人公は思い悩みます。新装巻になり追加された短編なのでしょうか、「おもいでエマノン」の書籍そのものや著者の梶尾氏本人も物語に登場するという、メタ的な展開であるのも面白かったです。 -
Posted by ブクログ
2011年5月16日漫画版を読み終えてから
「是非活字で読みたい!」と思っていたから
★は甘めかもしれない。
表題作のなんともいえない空気の漂う感じは
この短編にあう音楽を見つけたいのだが見つけられない。
切なさをまとったロマンティックな時間と恋愛系の
「ゆきずりアムネジア」「あしびきデイドリーム」
MADな感じの
「さかしまエングラム」「うらぎりガリオン」
超能力者の意味を追う「たそがれコンタクト」
それらの中間に位置する「とまどいマクトゥーブ」
人類の存在の方に中心を置いた「しおかぜエヴォリューション」
あたりはずれはあるけれど、これから3ヶ月連続で
エマノンに会えることが、まずは幸せ