鶴田謙二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1967年2月24日っていう時代設定故、見逃しちゃいけない気がして、ひとまず開いてみたら、止まらなかった。
SF好きな青年が九州に向かうフェリーの中で不思議な女性に出会う。地球が誕生してからの記憶をすべて持っているという少女。数時間過ごして消えてしまった彼女が再会を果たしたときに言い放つ台詞に胸を打たれた。
「数時間一緒にいても、数十年間一緒にいても、好きだったという思い出は私にとっては同じことなんだもの」
私は一緒に過ごした「時間」の短さ、長さを大事だと思ってきたんだけど、確かに決してそうとも言い切れないんじゃないかなあって思ってしまった。いとおしい記憶に、優劣なんかないしね。たとえば