小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10 代のころ「アンネの日記」がきっかけで作家を志した小川洋子さんが、アンネゆかりの地を訪ねる旅日誌。最近「アンネの日記」を再読したばかりで興味を持っていたのと、小川さんのアンネへの思い入れの強さからくる筆の勢いにひっぱられて、表紙を開いてから最後まで一気に読み上げた。小川さんが移動中の電車の中や訪問先で子どもを見かけるたびに 「この子が隠れ家に住んだり収容所に送られたりすることがありませんように」 と祈りのことばを書き付けているのは、感傷的すぎてひとりの作家の表現としては抑制が効いていないと思うが、彼女がアンネを心の友にして思春期を過ごし、いま (旅行当時) アンネの母の年齢に達したひとりの女性であると考えると、十分にリアルなことばとして受け止められる。
小川さんは旅の中で「アンネの日記」に登場するジャクリーヌ・ファン・マールセンさん、ミープ・ヒースさんとも会っている。おふたりとも近年になってアンネの思い出を本にした。どちらも「アンネの日記」の深町さんが翻訳しているので、読んでみたいと思う。