雨穴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
雨穴さん、次々と新感覚の作品を創り出していますね。
文章だけでは表現しきれない部分を絵や図で見せてくれるので、イメージがつきやすかったです。
視覚情報がいかに便利なことよ。
今回は栗原さんが主人公となり、不思議な地図の謎を解いていくミステリ。
栗原さんの独特の雰囲気は、若かりし頃から健在だったようです。
その頃からすでに洞察力に優れ、推理力もずば抜けていたことがわかりました。
そして、表紙にもなっている地図。
この地図が作られた目的が、今回起きた事件にも関わっているとなると、人の念というものは世代を超えて引き継がれていくものなのだと考えさせられました。
しかも、この地図に関わっている人たちって、みんな不幸な終わり方をしている……。
こういうところにも薄気味悪さを感じます。
誰かが得をすれば、その裏で損をする人間もいる。
世の中の世知辛さって、こういうところなんでしょうね……。
ミステリとしての不気味さがありながら、最後は人情モノで落としてくるのもよかったです。
人にはそれぞれ、そうせざるを得ない事情がある。
そんなことまで考えさせられる作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ株式会社闇による、ホラーの解説書。
ホラージャンルを5W1Hで区分し説明しており、それぞれに該当する短編小説も収録、そしてそれらの短編小説は、雨穴、梨など、著名なホラー小説作家が書き下ろしている。
「ホラーは強い関心が持たれながらも、体験してもらえないケースが多すぎる」という視点は、なるほどと思った。
たしかに、おばけやしきやホラー映画は気になるけど実際に行くことはないです。
面白かったのは、「とざし念仏」。プライドが高く、ドラム缶に閉じ込められてもなお臼井に態度が大きい庄司が、臼井によって窮地に追い込まれる様子は、正直言って気持ちが良かった。
また、なぜ誰も助けないのだろうか、張り紙には何が書かれているのだろうか、という謎があったのも良かった。
しかし、ホラー小説で怖い思いをしたいと思って買ったこの本だが、その願いはあまり叶えられなかった。
その理由のひとつは、私自身の想像力が乏しいこと。もうひとつは、短編は読みやすい一方で、話に没入しづらいのかなと思った。 -
Posted by ブクログ
夏だしサクッと読める怖い本を読みたいな〜と思い手に取りました。
こちらの本は「恐怖の根源が何か」という視点からホラーが細かくジャンル分けされていて、短編ごとにそれぞれの魅力がより分かりやすく伝わってくる珍しい構成になっていました。
そして怖いものは苦手だけどエンタメとしては楽しみたい!と思う自分がどのジャンルに一番惹かれるのか…その深掘りもできた気がします。特に芦花公園さんの『終わった町』は解説でもあった通り、未知のものに対する恐怖と好奇心がこれでもかと詰まっていて、まさに「怖がりなのにホラー好き」という矛盾を抱えた自分にぴったりのお話でした。また、シチュエーションホラーである『とざし念仏』も好みでした。特殊な状況から生み出される恐怖と人間の本質…その奥深さがより好奇心を駆り立てられるのかなと思いました。
お二人とも初読みでしたが、ぜひ他のお話も読んでみたくなりました。気軽に楽しくホラーを摂取したい人にはおすすめの本です。