雨穴のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
雨穴さん、次々と新感覚の作品を創り出していますね。
文章だけでは表現しきれない部分を絵や図で見せてくれるので、イメージがつきやすかったです。
視覚情報がいかに便利なことよ。
今回は栗原さんが主人公となり、不思議な地図の謎を解いていくミステリ。
栗原さんの独特の雰囲気は、若かりし頃から健在だったようです。
その頃からすでに洞察力に優れ、推理力もずば抜けていたことがわかりました。
そして、表紙にもなっている地図。
この地図が作られた目的が、今回起きた事件にも関わっているとなると、人の念というものは世代を超えて引き継がれていくものなのだと考えさせられました。
しかも、この地図に関わっている人たちって、みんな不幸な終わり方をしている……。
こういうところにも薄気味悪さを感じます。
誰かが得をすれば、その裏で損をする人間もいる。
世の中の世知辛さって、こういうところなんでしょうね……。
ミステリとしての不気味さがありながら、最後は人情モノで落としてくるのもよかったです。
人にはそれぞれ、そうせざるを得ない事情がある。
そんなことまで考えさせられる作品でした。