雨穴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
巻頭に掲載された考察マップを眺めながら、「これはどういうことなのだろう」と自分なりに考え、物語を読み進めていく時間が楽しかった。
今作では、前作からお馴染みの人物が主人公を務める。謎や事件の真相が少しずつ明らかになっていく一方で、その魅力的な人物の過去や内面も掘り下げられており、シリーズを読んできたからこその面白さがあった。
特に印象に残ったのは、真相に近づくにつれて、当初はただ不気味に見えていた地図の意味が変わっていくこと。同じ地図であるはずなのに、知る前と知った後とでは、まったく異なるものに見えてくる。その感覚がとても良かった。
事件の背後にある風習やしきたり、教えや思想の描き方も、 -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
最初の『変な家』を新聞広告で知って手に取った時は、まさかこれほど長く続くシリーズになるなんて思ってもみなかった。
今回も、シリーズの強みである軽妙なテンポと、理解を助ける図解や挿絵が随所に健在している。ひょんなきっかけで手に入れた古地図を軸に、ミステリアスな世界観に興味をそそられてグイグイと読み進められた。
本作では、主人公・栗原の過去のトラウマや、感情面の起伏が丁寧に描かれていた。人間臭い意外な一面もあったりで印象深かった。彼がなぜ理屈っぽい性格になったのか、あの飽くなき知的探究心はどこから来るのかなど、その背景に触れることで共感できたし、彼の鋭い推理に一層好感が持てた。 -
Posted by ブクログ
これは家なんかじゃない、生きている「トラバサミ」だ!
最初読む時には、ただ11枚の間取り図を見ているだけだと思っていた。
しかし、栗原が一見無関係に思える歪な空間、行き止まり、窓のない暗室を一つ一つ繋ぎ合わせていった時…
背筋が凍った。
あの通り抜けられない長い廊下は、建築業者のミスではなく、「中にいる人間を絶対に逃がさない」ためだったのだ。全ての不条理が、ある恐るべき一族の儀式と、あの失踪事件に結びついた時、この本の本当の恐怖が蔓延し始める。
絶対に真夜中には読まないでほしい。自分の部屋の壁の裏にも、何かが潜んでいるのではないかと疑い始めてしまうかもしれない… -
Posted by ブクログ
2026.07.09
ホラーを「因習」「心霊」といったモチーフではなく「物語を怖くしている仕組み」で5W1Hで分類しているところが新しい。それぞれの短編が「何が怖いのか」を作品解説されているのも面白い。
ホラー入門者や、逆に苦手な方にもおすすめしたい。ホラー好きには、ここまでホラー作家が揃っているのも胸熱。
たぶん文体の好みもあると思う。私はそもそも「描かれすぎない」文章が好きなので、説明されすぎると読んでいて萎えるし、怖さが削がれる。ホラー展開に恋愛要素もいらない。そういう意味ではやっぱりモキュメンタリーが好き。雨穴さんや背筋さんの作品のように飄々と淡々と語られていく文章のほうが考える -
Posted by ブクログ
『変な〇〇』シリーズとはいえ他の作品とは違うリアルさがあった。
全作品、実話風となっていて過去に起きた事件だと錯覚させるようなタッチで描かれている為、様々な時期に起きた出来事が絡み合って1つの結末を導くという構成が、どんどん説き明かされる爽快感相まってとても面白かった。
今作品は、栗原氏が実際に調査し解決する(風)描写であったため時系列や登場人物がこんがらがる事もなく読みやすかった。
一気読みせずにゆっくり読みたい時に、実際のところ過去作品は各章何度も遡ってあらすじ掴んで、、の繰り返しだったので理解力と記憶力を持ち合わせていない私的にはこっちのスタイルの方が好きだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安定した面白さ。
雨穴さんが考える栗原さん像が見えてよかった。
また、他の作品でたびたび感じる雨穴さんの感覚のズレのようなものも、「まあ栗原さんは変だからなあ」で誤魔化せるので、今までのものと比べてもモヤモヤすることなく読めたと思う。
私は喜見子がやったことは間違っていないと思う。
自分に害を為すものだから効率的に退治した。これって妖怪退治となにが違うの?
ただ、あとでその事実を知った知嘉子はショックだろう。昔のことで美化されているだろうし(なにせ死に際に見ていた楽しい思い出が集落でのことだそうだ)、自分が作った地図や自分が集落を抜け出すための芝居が結果として妹に人殺しをさせたと考えてしまう