砂村かいりのレビュー一覧
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ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
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タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作劇に、若干鼻白らむ。
『明洞発3時20分、僕は君に撃たれる』は、大衆に振れすぎてて読み流す感じ。箸休め的な。
最後、『辿る街の青い模様』は、一転純文学みたいなテイスト。ポルトガルに行ってみたくなる。 -
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「マリアージュ・ブラン」、フランス語で「偽装結婚」という意味みたいです。
今作にでてくる奈穂と尊の夫婦は「友情結婚」かはたまた「偽装結婚」か。この物語は、そんな「普通」になりたい2人のお話でした。
私自身、「普通」になりたくて結婚した2人とは少し違うのですが、結婚への憧れがあるので、2人くらいの年齢になったら焦りそうで、そういう部分は共感できました。
「普通」になりたくて結婚した2人ですが、「友達夫婦」だとやはり世間の「普通の夫婦」とは違うのかもという、2人の葛藤が窺える作品でした。
私もいま一度、世間にたくさん存在する「普通」について考える良い機会をいただけました。
この物語のテーマである「友情結婚」には賛否両論あると思います。いずれ意見が変わるかもしれませんが、現時点では私は「友情結婚」ありだと思っています。お互いを大切なパートナーと尊重し、支え合って生きていく。私は、そんな2人がとても素敵な関係に思えました。
今まで数々の本たちに触れてきて、色々な家族の形があってもいいんじゃないのかと思います。 -
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全てのお話がにコーヒーが出てくるので飲みたくなる。
お話事態もほろ苦さがあって切ない。
コーヒーの囚人は同居している友達が不在の間その恋人と暮らすことになる奇妙なお話。だんだんと距離が縮まる二人だったが、お互いの秘密には踏み込めないもやもや感がありつつ、最後は意外な真実だった。
隣のシーツはもう虚しさしか残らなかった。上司が滅茶苦茶嫌な奴かと思ったが後半はどっこいどっこいかな。
どこかの喫煙所で会いましょうがスピード感もあって、はっきりしたストーリーだったので印象に残った。さんざん男性達を振り回してきたけど、最後に見切りを付けられたであろう最後にスッキリした。
招かれざる貴婦人がちょっとホラー味が・・・これはミイラ取りがミイラになる展開だったのかな?
風向きによってははちょっと自分には難しい内容だった。言葉では表せないなんとも言えぬ最後。 -
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私は、恋愛というものを真剣に考えられない。
恥ずかしいとかそんなものではない。
私は相手の行動で自分が揺さぶられることが
好きじゃない。
好きな人となるとさらに揺さぶれる。
真剣に考えるほど、人をおかしくさせていくのか
恋愛だと思う。
本作、「炭酸水と犬」は恋愛というものに揺れ動く人たちばかりが登場する。
どの主人公も恋愛が絡んだ時の行動がリアルで生々しい。
主人公の由麻は、長年付き合っている恋人への愛情から不義理なことをされても決断ができない。
由麻の恋人、和佐は由麻を愛してるからではなく、自分のルールとポリシーを中心に動いてるゆえ、由麻を傷つけていることに気づかない。
和佐が第二の恋人として呼ぶアサミは、バックボーンから見ても、妬み嫉みが強く手段を選ばない。その大胆さが和佐を惹きつけている。
誰も悪くないのに、全員の判断や行動にイライラする。
恋愛感情が介在するとこんなにも厄介なのか。
それでも誰もがどこがで作中の人物のような人たちと出会い、どこかで自分の恋愛観と共感する。
地に足をつけさせてくれない。
そんなふうな気持ちにさせる作品だった。 -
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ネタバレ第三者から見れば別れた方がいいとわかってはいるものの、9年もの年月、30歳手前、彼のことを愛しているという現実が中々そうはさせてくれないよな〜。
和佐は自分も同じ立場にならないと吹っ切れないんだな〜とことごとく呆れた。由麻はもし、真先くんが自分に思いが向いていなかったら、本当に別れるという選択ができたのだろうか?と少しモヤモヤしてしまった。結局、恋愛の穴埋めは恋愛になることに対して少し違和感を覚えたが、最後は不覚にもきゅんきゅんしてしまった。真先くんの対応が、1番納得できて報われて良かったかな〜と終わる1冊だった。
私は馬鹿だから真先くんの気持ちに全く気づかず最後にハッとしてしまった笑。でも気づかれないくらいにしないといけないよなぁとも思った。 -
Posted by ブクログ
どの物語にも必ずコーヒーが登場するのだが、それはほっと癒してくれるものだったり、ほろ苦さを味わうものだったり様々で、何だか人生の難しさやもどかしさを表しているようだ。
特に印象深かったのは「どこかの喫煙所で会いましょう」。恋人の兄が障害を抱えていると知り、結婚を躊躇する有沙の気持ちが理解できなくもないし、それを知って気持ちが冷めていく彼氏の気持ちも分かる。しかし一番心に残ったのは有沙の浮気相手である寿のセリフ。
「人は誰しもリスクを背負って生きている」
「他人の持つリスクに排他的でいれば、それはいずれ己にも降りかかってくるものだ」
まさに、そのリスクに対応する努力をし続けることこそ人生なのだと思う。
順風満帆な人生などあり得ない。誰しも悩みを抱えており、正論だと分かっていても納得できなかったり受け入れられないことだってある。もやもやする思いを抱えながらも進んでいく人たちがよく描かれていた。