上田健次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第四弾。亡き妻の連れ子である娘への婚約祝いの品を探す男性の『リボン』。百貨店の社員食堂で働く女性がスクラップブックを買いに来る『スクラップブック』。ゼネコンで工場長として働く男性がクリップボードを買いに来店する『ボールペン』。常連客・正ちゃんの会社の元社員で、祖父の代に四宝堂を利用していた女性が来店する『クリップ』。硯の幼馴染・良子のお見合い話がもたらされる『奉書紙』。
今回はお仕事ものが多めな感じ。
『スクラップブック』の好きなバレーボール選手の言葉に励まされて頑張る女性の姿が素敵だなと思った。人生で誰かをいわゆる推し(有名人を強く応援する)というほど応援したことがないため、推しのい -
Posted by ブクログ
上田健二さんの本なので、読むのを楽しみにしていたが、ちょっと私にははまらなかった。
何気ない毎日、まったりと優しい時間が流れていく。
おいしいご飯に、志のある心根の良い人ばかりが現れて‥昔懐かしい青春ドラマを観ているようだ。
嫌な人が全く出てこないのでストレスフリーのはずなのだが、なんか今一乗れない。
主人公に全く魅力を感じていないのも一因なのだろう。
いろいろな経験から何かしら感じてはいるのだろうし、まだ表現力が追いつかないのも理解できるが、あまりにも存在感がない。
多分この先成長していく姿を見ることができるのだろうが、もういいかなって気分である。
2025/01/04 23:01 -
Posted by ブクログ
ランキングにあった『銀座「四宝堂」文房具店』を読みたいと思ったのだが、中古本屋にはまだ出てこずで、同じ作者のこちらから行ってみる。
同窓会で甦る中3の夏休みの思い出。
町一番の不良、テキ屋の四代目・東屋のキャラクターが魅力的。
おじいさん子でその祖父が語ってくれた規範と知識に従い生きていて、主人公・吉田と同じ中学生とは思えないほど大人びて、腕っぷしも強ければ料理も上手い。
『お前の顔、こんなだぜ』と茶化されるばかりの「まともな家の子」である吉田との対比が際立ち、男気溢れる居住まいに仁侠映画を思い出す。
やくざの頭になった男の、若き日の外伝といった趣。