毛内拡のレビュー一覧
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序盤はタイトルが大げさな本だなと感じたが、後半にしっくりくる説明がされていて改めて、知覚を表す言語が大事なんだなと感じた。
前半は、どちらかというと脳の機能やクセを解説して、気持ちや性格とは?といった内容。なので脳っぽい本を読んだ人は飛ばし飛ばしで読める内容。ちょいちょい泣くから悲しいのか、悲しいから泣くのかとか哲学があり、そのへんは面白くても心の存在の有無には紐づかない。
後半に、環境対応でホルモンが分泌され情動が起こり、それを感情と知覚してその時のどう感じるかの気持ちを「心」と言っている。「この気持ちはなんだろう?」を言語化したのが感情ということ。なので、心は言語が定義していると捉えた。 -
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心とは、私(個人)が世界をどのようにみるかという現象もしくは活動であり、そのみえかたは個人によって全く違う。言うなれば、同じ心はひとつとしてなく、それが故に、お互いに理解しあえることはかなり困難なのかもしれない。だけど、私はそれでいいと思った。後半の方に「私たちの心を直接共有できる技術が実現した未来を想像してみて下さい」的な、くだりがありました。作者はこれを好意的に捉えているように感じましたが、私は、誰かの心を私が知って(理解して)しまうことはとても怖いです。そして私は、私の心を誰かに知られて(理解されて)しまうのはもっと怖いです。だけど、一方で、「あなたのことをもっと知りたい!そして私のこ -
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脳については、ニューロンが神経伝達物質の情報伝達を担っていることは知っていた。
この本を読んで、アストロサイトなどのグリア細胞もまた脳内でとても重要な働きをしている事がわかった。
「ニューロンを取り巻く環境が、時々刻々と変化し続け、ニューロンと相互作用し続けることがこころのはたらきという状態なのかもしれない」
生きているとは変化し続ける脳内の環境が知性やこころのはたらきを織りなすこと。それ故に私たちは「生きている」と実感できる、
アストロサイトをキーワードに、脳を理解するには、物質そのものではなく、それらの関係性を明らかにすることが必要だという観点が新しくて興味深かった。
日常生活で脳を -
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2025/1/9
脳科学に関する本は何回に書いているものが多く読みにくいが、本書は読みやすくすらすら読めた。
感情は情動を言語化したもの。
感情の解像度を高めると身体の内受容感覚と脳が経験を元に生み出す思考に分割できる。
マインドフルネスがまさにこれだ。継続しよう。
アストロサイトはすごい。
脳のゴミ掃除、神経可塑性の向上等。
メンタルヘルス向上のため、ニューロンやシナプスばかり注目していたが、アストロサイトを活性化することも視野に入れたい。運動によるBDNFが大事?睡眠や基本的な食生活も見直す。
ルールをシンプルにするとうまくいく。
心配性で自分にルールを課してしまうが単純なルールの方 -
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自分の心と体は1番の研究対象。自分の体に興味を持つことが大切。
脳を正しく働かせるためには、たくさんの能動的な経験が必要。多くの試行錯誤や失敗の経験が重要であり、社会性の発達には幼少期の親や他者との身体的・社会的相互作用が不可欠。
「自分が変化し続けることで変化に耐える」可塑性粘り強い可塑性。
脳の持つシナプス可塑性は経験に応じてどの回路を強め、弱めるかという結合パターンとして保持される。この結合パターンこそが記憶の根源である。
1人の人間の中では知力は生涯を通じて安定的。加齢と老化は別の現象で経験や知識の蓄積により異なる知能の側面が発達するから加齢が全ての能力の低下を意味するわけではない -
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思考や行動を変えて習慣化することを脳科学の観点から書いている本。
「幸運は用意された心にのみ宿る」。
準備が8割。
思考のショートカット。
本当に重要なのは、
「自分は運がいいと思えるかどうか」。
運のいい人は不確かな運勢や天命に自分をゆだねることはしない。→自己コントロール感。
現状維持や面倒くさいという気持ちを乗り越え、新しいことにチャレンジしよう。
できるだけ毎日新しい体験をするように意識する。
誰にとっても有効なルーティーンなどというものは存在しない。
どうでもいいことはどんどん忘れよう→選択的忘却。
整理整頓された環境がいつも最良とは限らない。
スマホの通知を見直し、 -
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MBAの選手はある試合会場でいつものドリブルをしていて、思うように手元に返ってこない時に、すぐさま会場のある1箇所だけ弾まない場所があることを審判に指摘した。
羽生結弦選手は、技が思うように決められなかった時、スケートリンクの1箇所にほんのわずかに削れて窪みができていることを指摘し、会場が製氷をかけた。
よくそんなことがわかるなぁと感心した。
一流の選手は、感覚が研ぎ澄まされている。
この感覚は自分の考えと自分の動きが一致している。「アスリートは頭がいい」に納得した。
また、脳は記憶だけでなく忘却もする。
忘却ができることは、しっかりと脳が機能している証拠であると書かれていて、忘れん坊の自