毛内拡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まったくの門外漢で科学全般素人レベルの知識しかないのですが、タイトルにひかれて購入しました。なんとか素人にも読めるレベルにまとめてもらっていると感じました。特に各章最後の「まとめ」が役に立ちました。私なりの理解ですが、本書の主な論点は、これまであまり着目されていなかった、脳内の「スキマ」に存在しているグリア細胞、しかもそのなかでもアストロサイトというグリア細胞の果たす役割です。素人の私でも、脳内ではニューロン細胞がシナプスをつうじて電気信号を送りあっている、というメカニズムは知っていましたが、それ以外のコミュニケーションの仕組みがあること、それは言ってみればワイヤレス通信なのか、アナログ的通信
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Posted by ブクログ
人間をコントロールしているのは「脳である」のだから、脳のことを知る必要がある。知りたい。
しかし、素人に分かるほどにシンプルなものではない。それでも、最新の科学により分かってきていることは日々増えてきている。
この本では脳のことはもちろん、生物学などにも素人の人間にも面白く興味深く全編が読ませてくれる。
「脳科学ストレス解消法」の章などは特に興味深く読んだ。”短期的なストレスは脳にとって良いこと。脳の健康のためにも...新しいものを求めて外にでよう(散歩して道に迷うなどが良い)”
脳の主要な部分はニューロンだと思っていたけど、脳の隙間を埋めるグリア細胞そこにあるアストロサイトに大きな役割がある -
Posted by ブクログ
読書の効能を脳科学の視点から紐解いた本書。
本を読むことは精神の涵養と健康に良い!と聞いたことはあるもののいまいちよくわからない。
ネットでも情報は得られるからよくない?
と言われて、紙の本派たちは何か言い返したいけど、ぐうの音も出ない。
読書の効果についての本を見ても、威勢がいいのは初めだけ。後に行くほど、著者の読書自慢にすり替わっていてゲンナリ。という経験は本好きなら多少はあるはず。
そんな本派の読書好きには世知辛い世の中だが、本書は本好きで脳科学が専門の研究者が、読書を脳科学の視点から解説してくれた本。
視点が科学者ならではの客観性があるので、論拠もしっかりしていて、読んでいて納得 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「心」の捉え方がまた一つ増えた。
自分の本質は「心」にあると思う気持ちもあった。それと同時に「心」ではなくもっと別の高い場所に「自分の本質」があるとも思う。
「心」はふんわりしていて言語化しにくいけど、
脳科学者の視点での「心」に対する見解は面白かった。
「恒常性」を保つために変化する。変化しないために変化する。
いろんな刺激を受けて、その刺激が体の反応としてでてくる。
その反応に対して自分の過去の記憶から照らし合わせた感情が出てくる。
それらをひっくるめて「心」と感じる。
しかし「記憶」自体も曖昧なもので、その時の自分が「その時そう感じた」だけであって、それが絶対的な感情ではない。
自分が感 -
Posted by ブクログ
病は気から、と昔からよく言われるフレーズがある。これは精神論のもと、気合いが入ってないから病にかかる、甘さを鍛え直す場面で使われることがある。これは非科学的なこととして、その因果関係に踏み込んだ研究は少なかった。著者は脳におけるグリア細胞の機能に着目し、精神作用が免疫に及ぼす影響を科学的に見いだしている。免疫が普通に働く場合は、正常な修復機能として問題ないが、免疫バランスが崩れたら、炎症などの異常が起きる。このバランスを保つ上での考え方を示唆している。ヒトは自分で栄養を作り出せないから、食べるという行為で外から栄養を取っているが、植物由来の成分を取ることが健康を保つ上で重要であり、その理由につ