毛内拡のレビュー一覧
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ネタバレ本書は、脳科学の観点から「頭がいい」とはどういうことかを解説したもの。
著者によれば、頭の良さとは、単にIQや記憶力が高いことだけではない。感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力など、人間の生活におけるすべてに関わることと定義している。
そして、これらの能力を支えるのが「脳の持久力」であると著者は主張する。脳の持久力とは、脳が集中力を維持し、長時間情報を処理し続けることができる能力である。
そして脳の持久力は、後天的に鍛えることができる。
良質な睡眠、適度な運動、新しいことに挑戦することなどが、脳の持久力を高める効果がある。
本書から得られた教訓は、以下の通り。
頭の良さは -
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化学的な作用機序の説明など、自分にはちょっと難しいところもありましたが、おおむね興味深く読むことができました。
脳の中で神経細胞ではない細胞があり、「人間は脳を○%しか使っていない」という俗説が広まったという話は知っていましたが、その細胞(グリア細胞)が電気信号を発しないことから、知的活動と直接関係ないと思われていたことが理解できました。
ちなみに、グリアとは、パテないし膠のような物質を指すということは初めてこの本で知りました。
つまりグリア細胞は、脳の「埋め草」のようなものだと思われていたということですね。
ところが、最近の研究によれば、グリア細胞にも重要な役割があるらしいと分かってきたと -
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人間の雑念は、過去への後悔と将来への不安だと定義されているが、その通りだと思った.脳も心臓や肝臓といった他の臓器と一緒だが、脳は心との関連があることで問題が起こる由.心が病んでいる状態は、脳のはたらきが過剰になってしまっていることだそうだ.過剰にはたらくことがうつ病につながるとも言っている.「情動」というあまり見かけない用語が出てきたが、感情との関連で「感情とは、情動を大脳皮質で言語化して解釈したものにすぎない」との定義があったが、何故か納得できる感じだった.感情には、恐怖、緊張、後悔、怒り、闘争心、敵対心などが挙げられるが、言語を持たない赤ちゃんや動物には感情がないという説明も面白かった.一
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脳の特殊性について、重要な要素をかいつまんで紹介している。脳の複雑性のため、専門用語が少なくて読みやすいと感じる。脳の働きの中で、特に重要なのが、電気信号・間質・細胞外電場だと考える。
脳の構造として、ニューロンが広がった樹上突起がいくつもあり、そこをアセチルコリンの放出・分解によるシナプス伝達によって、刺激を受け渡すことで、情報を理解することができる。神経細胞への刺激により、カリウム/ナトリウムのイオン濃度が変化することで、活動電位が生まれる。
脳の働きは、電気信号によって行われており、”電気生理学”の学問が出来上がるほどである。他にも、顕微鏡技術の発達や脳障害の実例から、脳組織の役 -
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脳と心の関係について、現状わかっている範囲で分かりやすくまとめられている
脳と腸の関係性については別の本でも書かれていたので何かしら影響ありそう
腸内環境にも気をつけたい
認知バイアスについては詳しい本も出てい読んだこともあるが、自分がバイアスの影響下にあるかどうか客観的に判断するのはなかなか難しい
バイアスを一覧化して常に見えるところに置いておくなどして意識していきたい
脳の特性を利用
自己効力感
自分が何を成してきたか見える化
成功体験を共用した仲間との雑談
損得関係なくワクワクすることを話す
一人旅
いつもはやらないようなことをして脳を活性化
マインドフルネス
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Posted by ブクログ
面白い。脳はニューロンだけで成り立ってると思ってたが、グリア細胞(アストロサイト)、細胞外スペースなど、さまざまな相互作用の上に機能している。
ニューロン以外のグリア細胞も神経伝達物質を運搬しているとか、細胞外スペースが20%もあり、それもどうやら伝達に関わっているなど、いろんな最新の脳のメカニズムがわかりやすく紹介されている。
「うつは炎症で起きる」というかなり面白かった本と知識として連動する部分もあった。
それは、脳は髄膜にリンパ管(脊髄リンパ)があり、それを通り首のリンパ管に合流して代謝老廃物を排泄するということ。
特別な排泄機構があるわけではなく、全身と同じリンパ系を使った排泄 -
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医学部で習った知識からアップデートされていなくて、この本を読んで初めて知った。
細胞外スペースが寝ている時には広くなり起きている時は狭くなる。
実は、情報伝達はニューロンのシナプスだけでなく、このスペースなど細胞外の領域をホルモンみたいに伝達する機構も備えている。
この細胞外スペースが狭くなるとなんらかの情報が伝達されやすく、広くなると脳の老廃物が能動的に排泄される。
こういったニューロン以外の機能は主にアストロサイトなどのグリア細胞が担っているようで、このアストロサイトもマウスよりも人では複雑性が高く、アインシュタインはある領域で発現量が増えているとのこと。
今までニューロンがすべてだと思っ -
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脳の重層的な構造を暗示するかのようなタイトルに惹かれて読む。脳の謎を解き明かそうと脳が挑む、その営みの不思議さに謎は深まるばかり。
従来の脳科学が、ニューロンを主体とするネットワークとして取り組んできた研究に、脇役として重視されなかったグリア細胞などのニューロン以外の働きについて着目する。ニューロンによるシナプスでの情報伝達の働き以外に、広範囲に拡散する動きがあることを実験を通して明らかにする。
人間らしさや知性(知能とは違う)は、こうした仕組みに依拠すると推察している。分解すれば化学反応の連鎖に帰着する脳、そのダイナミックなシステムは驚異そのものである。本書で展開される論旨に追従していくには -
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ネタバレ間質
体の隙間に存在する網目構造と無色透明の体液
人体最大の器官?
ニューロン(神経細胞)
電気的活動をおこなう脳の神経細胞
軸索=他の細胞への導線 他のニューロンの軸索とつなぐ数万個のシナプス
グリア細胞(神経膠細胞)
アストロサイト(グリア細胞のひとつ)
不活性状態
アクアポリン4で血管に接続 リンパ系システム=グリンファティック システム
脳脊髄液と間液の交換
活性化=目新しい環境でノルアドレナリン放出
頭の良い人
体積は大きいが神経突起の密度が低く枝分かれ少ない
無駄な接続少ない?
脳の細胞群の半分はグリア細胞
アインシュタインのグリア細胞は -
Posted by ブクログ
最新の脳科学の知見をもとに、読書がいかに思考力や想像力を高めるか、記憶力を向上させるか、また、疲れた脳を回復させるか、そのメカニズムを解き明かす。
脳の構造、脳内物質など専門分野の話も出てくるが、総じて、できるだけ、わかりやすく解説しようという著者の意図はくみ取れた。
以下に勉強になった事項を列挙する。
・最近の読書時間の減少はスマホ、パソコン、ゲーム機などデジタルデバイスの普及が原因。これらに頼ると、「じっくり考える力」や「深く読み解く力」を失いがち
・紙媒体で文章を読む場合、脳は無意識のうちに文章の位置を空間的に記憶する(空間的ナビゲーション)ので、内容が記憶として定着しやすい
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