あらすじ
Q、悲しいから泣くのか、泣くから悲しいのか?
日常生活を送っていると、「わたしであってわたしでない判断、行動をしている自分」を感じるときがあるかもしれません。
また、身体の細胞や脳脊髄液は日々入れ替わっており、数年前の自分と今日の自分が同一であることを生物学的に保証できる要素を探し出すことは難しいでしょう。
人間独自のものと称される「こころ」とは一体何なのか? また、どこにあるのか・・・
こんなことを考えるとき、だれもが「こころ」があることを前提に、「こころ」の定義や在りか、「こころ」がどうして生まれたのか、どうやって生まれたのかを議論しています。
しかし、じつは生物学的に見れば「こころ」は脳という働きの結果(副産物)であり、解釈に過ぎません。言ってしまえば、「最初からこころなんてものは存在しない」のです。
本書を読めば、「こころ」の実情がわかり、その謎が解けるとともに、「どうして自分は不合理なことばかりしてしまうのか?」「感情に振り回されてしんどい」という悩みも軽くなるはずです。
※カバー画像が異なる場合があります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
心をとても厳密に解説してると思います。あってるかはわからないけど、著者の解釈に同意です。
経験してるこの世界は自分の頭の中に再現された世界であって、脳みその数だけ世界は存在する。その隔たりは果てしないけど、コミュニケーションして、橋をかけないといけない。
今までの経験をもとに作られた知恵袋記憶と言う解釈機構もいい説明だと思う。
感知した情報を知恵袋記憶で解釈して脳内で世界を再現し、その中で暮らす。
恒常的無常は難しい概念だけど、ホメオスタシスと仏教的思想がマッチしてる事はわかった。
最後の九識は遺伝的な行動の癖とか、人間全体が持ってる感じ方の癖が制約条件って事かしら?
Posted by ブクログ
「心」の捉え方がまた一つ増えた。
自分の本質は「心」にあると思う気持ちもあった。それと同時に「心」ではなくもっと別の高い場所に「自分の本質」があるとも思う。
「心」はふんわりしていて言語化しにくいけど、
脳科学者の視点での「心」に対する見解は面白かった。
「恒常性」を保つために変化する。変化しないために変化する。
いろんな刺激を受けて、その刺激が体の反応としてでてくる。
その反応に対して自分の過去の記憶から照らし合わせた感情が出てくる。
それらをひっくるめて「心」と感じる。
しかし「記憶」自体も曖昧なもので、その時の自分が「その時そう感じた」だけであって、それが絶対的な感情ではない。
自分が感じる「感情」も、そう思い込んでるだけなのかもしれない。
「こころ」はとても曖昧なものだ。
「変化するもの」だから「本質」とはまた違うニュアンスなのはすごく理解できた。
生きるために変化する。
なんだか心が軽くなった。
Posted by ブクログ
「全てはストレスへの適応過程である」
「現実をどう受け止めるかによって、心はいかようにでも変化し得る」
自分の心は自分のものだと思いがちだけど、意外と振り回されてるんだなと。
それを自覚し、客観的視点を持つ事が心地よく生きる事につながるんだと思った。
Posted by ブクログ
序盤はタイトルが大げさな本だなと感じたが、後半にしっくりくる説明がされていて改めて、知覚を表す言語が大事なんだなと感じた。
前半は、どちらかというと脳の機能やクセを解説して、気持ちや性格とは?といった内容。なので脳っぽい本を読んだ人は飛ばし飛ばしで読める内容。ちょいちょい泣くから悲しいのか、悲しいから泣くのかとか哲学があり、そのへんは面白くても心の存在の有無には紐づかない。
後半に、環境対応でホルモンが分泌され情動が起こり、それを感情と知覚してその時のどう感じるかの気持ちを「心」と言っている。「この気持ちはなんだろう?」を言語化したのが感情ということ。なので、心は言語が定義していると捉えた。
Posted by ブクログ
心とは、私(個人)が世界をどのようにみるかという現象もしくは活動であり、そのみえかたは個人によって全く違う。言うなれば、同じ心はひとつとしてなく、それが故に、お互いに理解しあえることはかなり困難なのかもしれない。だけど、私はそれでいいと思った。後半の方に「私たちの心を直接共有できる技術が実現した未来を想像してみて下さい」的な、くだりがありました。作者はこれを好意的に捉えているように感じましたが、私は、誰かの心を私が知って(理解して)しまうことはとても怖いです。そして私は、私の心を誰かに知られて(理解されて)しまうのはもっと怖いです。だけど、一方で、「あなたのことをもっと知りたい!そして私のことをもっとわかって!」という思いがあるも事実です。うーん…矛盾している…。
Posted by ブクログ
脳科学で心という存在するかどうか分からないものを紐解く本。腑に落ちる例を出してくれて、理解しやすい。脳科学の観点から書かれている本をもっと読みたくなる。
Posted by ブクログ
脳の機能から「心」というはたらきを捉える。
先人の知見に加えて「知恵ブクロ記憶」や「恒常的無常」など、毛内先生の解釈がとても分かりやすかった。
Posted by ブクログ
心にまつわる色々な周辺知識は面白く最後まで楽しく読ませていただきました。ただ新しいことは特に何も言ってなかったです。「心のモデル」新しい”九識”も違和感があった。得意げに書かれていた「恒常的無常」もうまくない。これだとただ永遠に無常だと言っているに過ぎず、作者のホメオスタシスのための変化という意味が伝わらない。動的平衡の方がまだしっくりくる。全般的に仏教の知識を盛り込んでいるが、唯識はちゃんと理解されていないと思われます。今後に期待して楽しみに次回の出版を待っています。
Posted by ブクログ
心とは何か——毛内拡氏はその問いに挑み、「心は存在しない」と断じた。私たちは日々、喜怒哀楽を感じるがそれは脳内の電気信号の産物にすぎないという。だが愛や苦悩も単なる神経活動と言われるとどこか味気なく思える。しかしもし心が幻想だとすれば、悩みもまた実体のないものとなる。科学が示す冷徹な事実に戸惑いつつもその理解が私たちの生き方を軽やかにするのかもしれない。
Posted by ブクログ
興味深いタイトル、心と脳について科学的に分析する新書、おもしろそー、
と思って読み始めたが、、、
いっぱい盛り込みすぎ。
引用もやたらめったら。
パブロフの犬は出るわ、映画「インサイドヘッド」は出るわ、
MBTI性格診断はでるわ、(私はENTJ 45年前にやって、今年やって一緒)
福岡伸一さんの動的平衡はでるわ、、、
いろんな例から何かを伝えたかったのだろうけど、
それなりに脳の本を読んでいる私には、逆に何が言いたいのか、伝わらなかった。
理解できなくてごめん。
序章 実は心なんて存在しない?
第1章 心の定義は歴史上どう移り変わってきたのか
第2章 心はどうやって生まれるのか
第3章 心は性格なのか
第4章 心は感情なのか
第5章 脳はなぜ心を作り出したのか
終章 心は現実の窓