【感想・ネタバレ】心は存在しない 不合理な「脳」の正体を科学でひもとくのレビュー

あらすじ

Q、悲しいから泣くのか、泣くから悲しいのか?

日常生活を送っていると、「わたしであってわたしでない判断、行動をしている自分」を感じるときがあるかもしれません。
また、身体の細胞や脳脊髄液は日々入れ替わっており、数年前の自分と今日の自分が同一であることを生物学的に保証できる要素を探し出すことは難しいでしょう。

人間独自のものと称される「こころ」とは一体何なのか? また、どこにあるのか・・・

こんなことを考えるとき、だれもが「こころ」があることを前提に、「こころ」の定義や在りか、「こころ」がどうして生まれたのか、どうやって生まれたのかを議論しています。
しかし、じつは生物学的に見れば「こころ」は脳という働きの結果(副産物)であり、解釈に過ぎません。言ってしまえば、「最初からこころなんてものは存在しない」のです。

本書を読めば、「こころ」の実情がわかり、その謎が解けるとともに、「どうして自分は不合理なことばかりしてしまうのか?」「感情に振り回されてしんどい」という悩みも軽くなるはずです。

※カバー画像が異なる場合があります。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

心をとても厳密に解説してると思います。あってるかはわからないけど、著者の解釈に同意です。
経験してるこの世界は自分の頭の中に再現された世界であって、脳みその数だけ世界は存在する。その隔たりは果てしないけど、コミュニケーションして、橋をかけないといけない。
今までの経験をもとに作られた知恵袋記憶と言う解釈機構もいい説明だと思う。
感知した情報を知恵袋記憶で解釈して脳内で世界を再現し、その中で暮らす。
恒常的無常は難しい概念だけど、ホメオスタシスと仏教的思想がマッチしてる事はわかった。
最後の九識は遺伝的な行動の癖とか、人間全体が持ってる感じ方の癖が制約条件って事かしら?

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「心」の捉え方がまた一つ増えた。
自分の本質は「心」にあると思う気持ちもあった。それと同時に「心」ではなくもっと別の高い場所に「自分の本質」があるとも思う。
「心」はふんわりしていて言語化しにくいけど、
脳科学者の視点での「心」に対する見解は面白かった。
「恒常性」を保つために変化する。変化しないために変化する。
いろんな刺激を受けて、その刺激が体の反応としてでてくる。
その反応に対して自分の過去の記憶から照らし合わせた感情が出てくる。
それらをひっくるめて「心」と感じる。
しかし「記憶」自体も曖昧なもので、その時の自分が「その時そう感じた」だけであって、それが絶対的な感情ではない。
自分が感じる「感情」も、そう思い込んでるだけなのかもしれない。
「こころ」はとても曖昧なものだ。
「変化するもの」だから「本質」とはまた違うニュアンスなのはすごく理解できた。
生きるために変化する。
なんだか心が軽くなった。

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2025年11月24日

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