エンゲルスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マルクスやエンゲルスの体裁が整った著作とは違って、これはノートのような紙に思いついたこと、またはどこかで学んだことをひたすら書き連ねた本である。またエンゲルスが主に執筆した箇所をマルクスが書き加えたり、線を引いて消したり、また絵のような内容を書き加えたりしている。
体裁が整った著書は当然だが取捨選択しているので、彼らがどのような発想をしているか、も当然だが取捨選択している。しかしこの本に関しては思いついたこと、また学んだことの成果をそのまま載せているので、彼らがどのようにして「唯物史観」や「共産主義」の原理を構築したかが読み取れるし、またフォイエルバッハの哲学をどのように学んでいたか、が分かる -
Posted by ブクログ
貧富の差は自己疎外により拡大再生産される。
資本主義社会では、持てる者は更に持ち物を増やし、持たざる者は更に持ち物を失う。
この理由を「疎外」概念で説明した。
これはとても明晰な分析だと思う。
働く、否働かざるを得なくなる、というのは、その非自主性故に、
心も体も懐も貧しくなってしまうのだ。
これについては、アリストテレースも言っていた。
「だから真っ当な市民は政治以外の場面で働いちゃダメなんだよ。生活の為に働くのは奴隷だけで良いんだよ。」
つまり、資本主義下で働く者は、本質的には資本家の奴隷なのだ。つまり、自由を身代とされた金の奴隷なのだ。
何か暗い話になりそうですが、ここで素敵な助 -
Posted by ブクログ
この岩波文庫第六巻、本編の第三巻では、生産過程の分析を経て、流通過程を含め、資本制度が商業全体を動かす流れと、その中の利潤の発生過程を分析している。
驚くべきは、マルクスが資本制度の分析から的確に未来社会を予測している点である。
と言うよりも、それは資本制の当初から何も変わっていないとも言える。
社会の中での機能的役割を重視した教育制度。
市場価格の下を潜る新たな薄利多売モデルの継続的な出現。
企業の競争や吸収、合併により、小規模ビジネスが巨大資本に飲み込まれる、など。
マルクスと言えばマルクス主義=共産主義、という月並みな知識で読み始めたが、改めて本著は資本制についての批判の書であり、 -
Posted by ブクログ
第五分冊は、社会全体の資本の循環について書かれている。
その要旨を短くまとめるなら
「労働者は商品を生産し、資本家から給料をもらい、その給料をもって、資本家のもとで自分が生産した商品を買って、、の繰り返し。この労働と消費の循環が、資本家と労働者と言う地位を永久に固定します」
第四分冊の要旨は「資本家の利潤は労働者のタダ働き」だったが、
この第五分冊では、その地位がどのように固定されているかが論じられる。
縦書きの計算式の書き方が独特で読みづらさがあるのと、
そもそも分析の結果と言うよりは、種々前提条件を合わせて、初めから結論を目指して式を組み立てている印象。
今読んでいるあたりは商品生産 -
Posted by ブクログ
第四分冊。
この一冊全体にわたって、
資本主義的生産の利潤は可変資本(労働力)が生み出す剰余価値が資本家に移転することで生み出される、
と主張している。
つまり、資本家の儲けとは労働者をタダ働きさせて生み出した分の利益であり、売買の商取引の瞬間にそれが生まれるわけではない、というのがこの巻の主旨だ。
その前提には、前巻までにマルクスによって議論された、
・(純粋な)労働→「労働すること」によって実際に生み出される価値
と、
・労働力→ 労働者としての「人間」が生む価値への可能性
との混同及び、資本家によるその混同の濫用にある。
マルクスの批判をたどれば、アダム・スミスを初めとするマルクス